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医師考案の【おふとんヨガ】でゆがんだ脊椎を整えると自律神経の伝導異常が改善!不調が消える!

眠れないほどの頭痛や肩こりが楽になった

「ヨガ」と聞いて、皆さんはなにをイメージしますか? ヒゲをはやした仙人のような人が空中浮遊している光景。あるいは、体の柔らかい人がアクロバティックなポーズをとる姿。ハリウッド女優が実践するおしゃれなライフスタイルでしょうか。

 しかしヨガの本来の目的は、空中浮遊でもアクロバットでもありません。4~5世紀頃にインドで書かれたとされるヨガの原典、『ヨーガ・スートラ』には、「ヨガとは心を穏やかにすること」とあります。

 誰でも体の状態が悪いと、心穏やかでいられません。そのためヨガでは、まず体を整えるために、運動をするのです。つまりヨガの醍醐味は、難しいポーズをとることでなく、心の平安を得ることなのです。

 私がヨガを知ったのは、もう20年以上前。偶然知り合ったヨガの先生に、興味本位で教えてもらったのがきっかけでした。

 私は生まれつき、頸椎脊柱管狭窄症という病気で、脊椎の中の管が一部狭くなっています。そのため、少し長い時間、本を読んだりパソコンを使ったりしていると、首や肩がこり、頭痛が起きます。こりや痛みがひどいと、眠れなくなるほどです。

それがヨガをしたら、体がスーッと軽くなり、それらの症状が楽になったので、驚きました。

寝たまま行うヨガは安全、手軽、脊椎にいい

 そんなきっかけから、クリニックの患者さんにヨガをベースとした運動指導を勧めるようになったのは、2004年のことです。

 しかし患者さんの中には、パーキンソン病などの深刻な運動障害があり、立ったり座ったりするヨガの動きが危険というかたも少なくありませんでした。そのため私が指導するヨガは、だんだん寝たままできる動きが中心となっていきました。

 そうして思いついたのが、ふとんの中で寝たままでもできる、「おふとんヨガ」です。運動の苦手なかたや運動障害のあるかたも、安全に、簡単に実践できます。ヨガをしながら、寝落ちてしまってもかまいません。

私自身も、寝る前に実践しています。準備不要で手軽ですし、目覚めると心も体もスッキリします。

 おふとんヨガには、安全さ、手軽さ以外に、もう1つ重要なメリットがあります。それは、立つよりも横になるほうが、脊椎が伸びやすく、矯正しやすい点です。

 デスクワークばかりで、体をあまり動かさない現代人は、脊椎周辺の筋肉が衰え、脊椎が歪みがちです。

 脊椎が歪んでネコ背になると、胸部にある心臓や肺が圧迫され、深く呼吸できなくなります。そうして血液やリンパ液の流れが滞ると、老廃物や邪気が放出されず、新鮮なエネルギーが入ってこないので、さまざまな不調が発症します。

 また脊椎の中には、脊髄という器官があります。脊髄には自律神経の中枢があり、自律神経はそこから枝分かれして全身に分布します。脊椎が歪むと、自律神経の伝導異常が起きると考えられます。

 おふとんヨガには、脊椎を効果的に矯正する動きが取り入れられています。このことこそ、多くのかたがおふとんヨガで不調を改善されている大きな要因だと、確信しています。

手足の指先から邪気を放出できる

 おふとんヨガを実践するうえで、たいせつなことが2つあります。

①呼吸とともに動く

今回ご紹介するヨガは、すべて腹式呼吸をしながら行います(37ページ参照)。

 息を深く吸い、ゆっくり長く吐きながら体を動かすと、心身のリラックスをつかさどる副交感神経が優位になります。ストレス過多で交感神経優位に傾いてしまいがちな自律神経のバランスが整いきます。

②手足の指先に意識を向ける

 手足の指は、血液やリンパ液が流れにくく、特に足の指先は、靴下や靴の中で縮こまって硬くなりがちです。末梢の循環が悪いと、必然的に全身の循環も滞ってしまいます。

 手足の指に意識を向け、グーパーさせると、末梢の血流が回復し、全身の循環が促されます。指先は脳にも直結しているため、指のグーパーは脳活性や老化防止にも有効です。

 また指先は、循環が滞ることによって邪気がたまりがちです。指先をパーにすると、邪気が放出できます。その指を今度はグーにすると、いい気を蓄えられます。

 邪気の代わりにいい気を取り込めれば、慢性的なストレスも抜けるので、自律神経のバランスの乱れも改善します。うつ病や精神不安などにも、いい影響がもたらされるでしょう。

寝る前に行うと細胞の修復力がアップ

 おふとんヨガは、基本的には夜、就寝前に行います。心身がリラックスし、快眠効果を実感できるでしょう。朝の目覚めもよくなります。

また、おふとんヨガで血液やリンパ液の流れをよくしてから眠ると、寝ている間の細胞の修復力が高まるので、病気の予防にもなります。

 朝、起床後にも行うと、1日を気持ちよくスタートできます。通常、寝ている間は体をあまり動かさないので、起床直後の血液やリンパ液の流れは滞りがちです。

 「朝は体の硬さや痛みを感じやすい」「朝は動作がスムーズでない」というかたが多いのは、そのためです。しかし、ヨガで循環を整えてから体を起こせば、朝の動作が楽になります。

 うつ気味のかたであれば、朝のヨガで気分がスカッとすると、外に出ようという気持ちもわくのではないでしょうか。下記の②「仰向けガッツポーズ」は、心身にエネルギーが満ちるため、特にお勧めです。

 病気の有無、大小にかかわらず、毎日を快適に過ごすための簡単な健康法として、多くのかたに実践していただきたいと思います。個人差はありますが、最低でも週1~2回を目安に行うといいでしょう。

寝る前に1回やるだけ!自律神経が整い、不調が一掃!「おふとんヨガ」のやり方