昔も今も、一生のうち一度は参拝したいと崇敬されている「お伊勢さん」こと伊勢神宮。中の人<マ>もぜひ訪れたいと思っていました。
125の宮社からなる伊勢神宮のうち、御朱印を授けていただけるのは7社あります。中には伊勢市外にある別宮もあり、車で移動するならまだしも、電車・バスで7社全てを参拝するのは意外と難儀します。
でも、せっかくなら全て参拝したい!と思い、2020年12月の土日を使って、東京から1泊2日でお参りしましたので、その様子をレポートします。
一生に一度は行きたい 崇敬を集める伊勢神宮とは
昔から憧れの地として多くの人を惹きつけ続ける伊勢神宮。江戸時代には「一生に一度はお伊勢参り」とも呼ばれるほどの人気を集めていました。
それは令和の世となった現代も同じく、2019年の年間参拝者は改元もあって、およそ972万人(内宮・外宮合わせた数。伊勢市発表)が訪れました。
正式には「神宮」といい、皇室の御祖先といわれる天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀る「内宮(皇大神宮・こうたいじんぐう)」と、衣食住を司る豊受大御神(とようけのおおみかみ)を祀る「外宮(豊受大神宮・とようけだいじんぐう)」をはじめとして、別宮・摂社・末社・所管社あわせて125の宮社で構成されています。
本来ならば125社すべてのお参りを目指したいところですが、なかなか頻繁にも行けないため、125社の中でも御朱印を授けていただける内宮・外宮および別宮にスポットを当てます。
御朱印を授けていただけるのは内宮、外宮のほか、内宮の別宮である「月読宮(つきよみのみや)」「瀧原宮(たきはらのみや)」「伊雑宮(いざわのみや)」「倭姫宮(やまとひめのみや)」、外宮の別宮である「月夜見宮(つきよみのみや)」の計7社あります。
このうち瀧原宮と伊雑宮以外は伊勢市内に鎮座されています。この7社を1泊2日で参拝し、御朱印をいただくのが今回の目的です。
多くの人々の崇敬を集める内宮・外宮は、かかる時間が読みにくいので、1日目は外宮・内宮と、鳥羽の先の伊雑宮に絞り、2日目に列車で行きにくい瀧原宮と、残りの伊勢市内の別宮を訪れる計画です。はたしてスムーズに参拝できるでしょうか。
参拝順は「外宮先祭」がよいとされる
12月中旬の土曜日・午前5時半。JR品川駅前は行き交う人もほぼなく、あたりは真っ暗。冬の早朝の寒さがこたえます。品川始発の東海道新幹線に乗り込み、一路西へ。名古屋駅で近鉄特急に乗り換え、お伊勢参りの玄関口、伊勢市駅へと向かいます。
・東海道新幹線「のぞみ79号」品川6:00発 → 名古屋7:27着
・近畿日本鉄道・特急 近鉄名古屋7:50発 → 伊勢市9:13着
お伊勢さんをまわるのに使えるお得なきっぷは、旅行会社や出発地によっていろいろ発売されています。
今回使ったのは、ホテルの宿泊に加え往復の新幹線と、近鉄線の名古屋から伊勢エリアまでの往復乗車券と特急券に、伊勢志摩周辺の近鉄線が乗り降り自由となるフリーきっぷがついた旅行会社のパック。
この旅行商品には伊勢鳥羽周辺の指定エリアの三重交通バスが乗り放題の「伊勢鳥羽みちくさきっぷ」(2日用で大人1,800円)の引換券が含まれていたのも嬉しいポイント。とくに伊勢市内の移動はバスが多くなるため、運賃を気にすることなく1枚のフリーパスでバス利用できるのはストレスフリーですね。
伊勢市駅に着き、駅構内の三重交通バス窓口でその「伊勢鳥羽みちくさきっぷ」に引き換えを済ませて早速参拝スタートです。駅前からまっすぐ延びる参道を歩き、5分も経たず外宮の入口に到着です。
外宮では奥に鎮座する正宮に参拝後、神楽殿で御朱印をいただきます。混雑時には行列になるといわれる御朱印の列は、この日は私の前に2人だけ。
5分もかからず授けていただけました。外宮を後にし、外宮前交差点を渡って目の前の外宮前バス停より、内宮へ向かいます。外宮と内宮とを結ぶバスは、定時ダイヤのほか多客時には臨時バスも出ます。タイミングよく臨時バスに乗ることができました。
・三重交通バス(臨時) 外宮前 9:53発 → 内宮前 10:04着
内宮前バス停を降り、通りを左に折れると正面に大きな鳥居の立派な佇まい。宇治橋を渡り五十鈴川の河原で手を清め、ごみ一つなく清められた砂利の参道を歩き奥の御正宮に参拝。
神楽殿で御朱印をいただきますが、ここでも私の前には5人いるだけで待つことなく授けていただけました。しかし、この神楽殿の御朱印所の隣の御札授与所は混んでいたので、その先の参集殿で御札を購入しました。
帰りに宇治橋を渡ると、バスツアーの一団とすれ違いました。これから混んでくる時間なのでしょう、外宮・内宮の参拝は午前中がよさそうです。時間的な余裕がでたので、伊雑宮に向かう前に、五十鈴川駅手前の月読宮に立ち寄れそうです。
・三重交通バス 内宮前 10:50発 → 中村町 10:58着
内宮の別宮「月読宮」へ
内宮前からバスで10分足らずで中村町のバス停に着きます。ここは内宮の別宮「月読宮」の最寄りです。バス停から五十鈴川駅方向に少し歩くと、右手に鳥居が見えます。
木々に囲まれた参道を道なりに進んだ先には4つ社があり、順番に参拝しますが、このタイミングでは私以外誰もいません。落ち着いてゆっくり参拝することができ、そばの宿衛屋で御朱印をいただきました。
そのまま近鉄五十鈴川駅に出て、鳥羽の先にある伊雑宮へ向かうことにします。
※参拝時間や交通機関の時刻や価格は2020年12月時点のものです。
※電車やバスは新型コロナウイルス感染症対策で特別ダイヤの運行になっていることがあります。とくに三重交通バスは2021年4月1日に、連節バスによる特急系統の新設やCANバスの時刻や経路など、大きなダイヤ改正がありますので、時刻表や各交通機関のホームページなどで最新の情報をお確かめください。
※参拝や御朱印授与については、新型コロナウイルス感染症対策で状況が変わることがありますので、お出かけ前には最新の情報をご確認ください。