ゆほびか ゆほびか
  • 文字サイズの変更
  • 大
  • 中
  • 小
  • SNS
  • twitter
  • facebook
  • instagram

【横山光昭】【小さい財布】をシンプルに活用するとお金は勝手にたまっていく!

収入が増えなくても誰でも貯金は増やせる

 私はファイナンシャルプランナーとして、2万3000件以上の家計相談に乗り、貯金ゼロの赤字家計を救ってきました。

 赤字家計の多くは、「本来は削れる支出に気づかない」せいで、赤字に陥っています。コツさえつかめば、収入が増えなくても、赤字家計を改善して貯金を増やすことは可能です。

 昨今のコロナ禍で、会社の倒産による失業や、給与やボーナスカットの減収を心配するかたが増えています。こうした危機に備えるには、やはり貯金しておくしかありません。お金に関する解決策に、魔法はないのです(笑)。

 お金の哲学は非常に明快で、「収入−支出=貯金」。だから、じゅうぶんな貯金をかなえる最も近道は、ご自身がどんなふうにお金を使っているのかを適切に把握し、不要な支出を無理なく減らすことです。

 余計な支出が多い人、余計な支出に気づいていない人のことを「支出が散らかっている」と私は表現しているのですが、散らかった支出を片づけるのに効果的な、誰でも簡単にできる方法があります。

 それこそが「財布の小型化」です。

ふくらんだ財布からお金が逃げていく理由

 大きいお財布を持っていると、よほど意識の高い人でない限り、お金以外の余計なものがたまってしまうものです。

 何枚ものポイントカードやクレジットカード、何日も前から入りっぱなしのレシートや領収書、割引券、診察券、お札やお守り……。なかには絆創膏やアクセサリーを入れている人もいるそうです。

 モノでふくらんだ「ブタ財布」は、お金に好かれず、お金はすぐに逃げていってしまいます。なぜなら、モノが多い財布では、財布の中にお金がどれくらい入っているのかが一目で見えません。だから、「お金を使うことに抵抗がなくなる」し、「気づかないうちにお金が減っている」ということになるのです。

 財布を小型化するには、まずは、今使っているお財布の中身を全部出して、要・不要を判断しましょう。

 ポイントカードは、基本的には不要。よほどよく行くお店でなければ、じゅうぶんなポイント還元の恩恵は受けられません。しかし、恩恵を受けられるほど使っていたら、それは使い過ぎかもしれません。

 ポイントカードを持っているばかりに、ポイント欲しさに余計な買い物をしてしまう人も少なくありません。ポイントカードを持つメリット、デメリットを、今一度考えてみていただきたく思います。

 クレジットカードも、何枚も持っている人が多いのですが、1枚あればじゅうぶんです。

 財布を小さくして、そこに入れるのは、クレジットカードかデビットカードが1枚、Suicaなどの交通系ICカード1枚、身分証1枚、それに少額の現金だけ。それでじゅうぶん事足りるはずです。

 お財布が小さければ、レシートも毎晩お財布から出す習慣がつきますから、日々の散財に気づきやすくなります。お財布にいくら入っているかが一目でわかるので、お金の出入りに意識が向くのもいいですね。余計な支出を回避でき、貯金の速度も加速するでしょう。

 財布の小型化とともに、以下で紹介する3つの習慣を実践できると、さらに、散らかった支出が効率的に片づきます。

収入が少ないから赤字になるのではない

今日いくら使ったか把握する

 前述の通り、赤字家計の真因は、収入が少ないせいではありません。ルーズな支出こそが、赤字の最大の原因です。ですから、まずは「今日1日の支出を把握する」のを毎晩の習慣にしてみてください。

 現金、Suicaなどの交通系ICカード、バーコード決済アプリ、クレジットカード、商品券、ネットショッピング……支払うスタイルが多様化している昨今、たった1日の中でも、何にいくら使ったかが把握しづらくなっています。

 でも、財布に残っている所持金を数えたり、1日で使った金額を書き出して合計したりするには、せいぜい2分もあればじゅうぶんでしょう。「こんなに使っていたのか!」と驚く人も少なくないはずです。

財布を開く回数を少なくする

 1日の間で、財布を開く回数をできるだけ減らして過ごしてください。1回に使う金額は少額でも、財布を開く回数が多い人は、支出が多い傾向がありますし、無駄遣いの頻度も多いものです。1日に平均3回以上も財布を開いていたら、浪費が増えているサインです。

週1回の「ゼロ円デー」を作る

 週に一度、お金をまったく使わない日を作るのもお勧めです。現金だけでなく、カード類もいっさい使いません。ネットショッピングもしません。

 外出の際には弁当や飲み物を持参し、定期券の範囲内で移動し、どこにも立ち寄らずに、まっすぐ帰宅してください。お金を使わないこと自体というより、「自分の意志と工夫で、支出をコントロールする感覚」を身につけるのが、ゼロ円デーの目的です。自制心が養われるばかりか、買い物をしない分、自由な時間も増えて一石二鳥です。

 たったこれだけのシンプルなアクションで、どんな赤字家計でも、確実に状況は改善します。

 お金の不安を払拭するために、ぜひ今日から試してくださいね。