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【脚のむくみとり】美容家直伝 「整筋ケア」で筋肉に弾力を取り戻し老廃物を流す!

デスクワークの人の脚がむくみやすい

脚のむくみに悩む女性は非常に多く、夏場は特に、脚がむくみやすい季節です。

脚のむくみは、血液やリンパ(体の老廃物や病原体を回収する液体)の流れが悪くなり、脚にたまった血液やリンパが心臓へ戻りにくくなることによって起こります。

脚にたまった血液やリンパは、筋肉のポンプ作用によって上へと押し戻されますが、女性はもともと男性に比べて筋肉量が少ないので、脚の血液やリンパの流れが滞りやすく、むくみやすいのです。

加えて、ミュールやサンダルなどかかとがオープンになった夏の履き物は、脱げるのを防ぐため、足首を使わない歩き方になります。

すると、ふくらはぎの筋肉がきちんと使われず、筋肉のポンプ作用が働かないため、ますますむくみやすくなります。

体の冷えも、血流を悪化させ、むくみを招く要因です。夏は、冷房や冷たい飲み物などの影響で体が芯から冷えやすく、冷えがむくみを助長させます。

特に、デスクワークで長時間、座りっぱなしで過ごす人は、要注意。座った姿勢でいると、脚の付け根にある、下半身のリンパが集合する鼠径リンパ節が圧迫されるので、リンパの流れが滞り、むくみやすくなります。

また、長時間同じ姿勢でいると、股関節や骨盤のゆがみを招きやすいのも問題です。
骨格がゆがむと、筋肉の使われ方が偏ることになり、血流やリンパの停滞を招き、冷えやむくみを悪化させてしまうことになります。

あまり使われていない硬直した筋肉をほぐす

では、脚のむくみを解消するには、どうすればよいのでしょうか。

それには、筋肉の硬直を緩めて、弾力のある筋肉を取り戻すことがポイントとなります。

筋肉の老化は20代以降から始まり、筋線維は加齢とともにだんだん硬く縮まっていきます。ここに追い打ちをかけるのが、長年の生活習慣や体の使い方によって積み重ねられてきた「筋肉のクセ」です。筋肉は使いすぎても使わなすぎても硬直しますが、これが骨を引っ張って、骨格をゆがませていきます。

筋肉が硬くこわばると、血液やリンパを押し流すポンプ機能も十分に働かないため、余分な水分や老廃物がたまり、体がむくみやすくなるのです。

そこで私は、硬直した筋肉に弾力を取り戻す方法として、独自の「整筋ケア」を考案しました。

こり固まった筋肉を指などで強く押したりもんだりしても、その刺激は筋肉の奥深くまでは届きません。

しかし、筋肉をしっかりつかんだまま、その筋肉を動かすことによって、筋肉の深層部まで刺激が届き、筋肉の奥深くから硬直をほぐしていくことができます。

筋肉に弾力が戻ると、筋肉のポンプ機能も復活し、滞った血液やリンパの流れがスムーズになります。

その結果、むくみを効果的に改善できるのです。

むくみ解消のために重点的にほぐすべき筋肉は、太ももの内側にある内転筋群、ふくらはぎにある腓腹筋とヒラメ筋、すねにある前脛骨筋です。これらの筋肉は、現代人の日常生活ではあまり使われておらず、硬直しやすい筋肉です。

脚のむくみを取るには、あまり使われず硬くなっている内転筋群、腓腹筋、前脛骨筋、ヒラメ筋をほぐし、圧迫され流れが悪くなっている膝窩リンパ節の滞りを解消する

これらの筋肉に加え、座り姿勢などで圧迫され、流れが滞りがちな、ひざ裏の膝窩リンパ節をほぐして、ひざ下から上へ向かうリンパの流れをよくすることも必要です。

筋肉をしっかりつかんで垂直に圧をかけながら、その筋肉を動かすのが村木式「整筋ケア」のポイント。筋肉の深層部からこりをほぐして血液やリンパの流れをスムーズにし、若々しい弾力が復活する

これから、むくみ解消のための整筋ケアの具体的なやり方を詳しく紹介します。

ひざ裏、すね、ふくらはぎ、内ももをほぐす
村木式「脚のむくみとり」のやり方

ひざ裏リンパほぐし

①イスに浅く腰かけて、片方のひざを両手でとらえる。両手の人さし指から小指の4本指をそろえ、ひざ裏の中央にある横ジワに対して直角に当てて、深く食い込ませるようにしてつかむ

②両手でひざ裏をつかんだ状態をキープしながら、かかとは床につけたまま、つま先を10回上げ下げする

反対側の脚も同様に行う

ひざ下すねほぐし

①手を開き、親指とほかの4本指で、足首のすぐ上にあるすねの骨を両側からつかむ

②そのまま下からこすり上げ、指が引っかかる場所で止める(脚の内側が陰陵泉、外側が足三里のツボにあたる)

③その位置ですねを手でしっかりとつかみ、かかとは床につけたまま、つま先を10回上げ下げする

反対側の脚も同様に行う

ふくらはぎほぐし

①床に座り、片ひざを立てる。両手の親指でふくらはぎを全体的に押してみて、コリコリとしたしこりのある部分や、硬くこっているところを探す

②筋肉に対して親指を垂直に食い込ませるようにふくらはぎをつかみながら、かかとは床につけたまま、つま先を10回上げ下げして、筋肉の深い部分をほぐす

③ふくらはぎをつかむ位置を少しずつずらしながら、3〜4カ所で②を行う

反対側の脚も同様に行う

お風呂で内ももほぐし

①湯船で片方のひざを曲げて外側に倒し、両手の指を大きく開いて内ももをしっかりとつかむ

②そのまま、ひざをゆっくりと10回曲げ伸ばしして、内ももの筋肉と脂肪をほぐしていく

③内ももをつかむ位置を少しずつずらしながら、3〜4カ所で②を繰り返す

反対側の脚も同様に行う

お風呂でふくらはぎほぐし

①湯船で片方の脚を上げ、両手でふくらはぎをしっかりとつかむ

②ひざを上げて両手でふくらはぎをつかんだまま、足首を大きくゆっくりと回す。右回し・左回し各10回ずつ行う。このとき、ひざの位置がぶれないように注意する

③ふくらはぎをつかむ位置を少しずつずらしながら、3〜4カ所で②を繰り返す

反対側の脚も同様に行う

デスクワークの合間やお風呂の湯船の中で

デスクワークの合間などに実行していただきたいのが、「ひざ裏リンパほぐし」「ひざ下すねほぐし」「ふくらはぎほぐし」です。

いずれの方法も、ほぐす部分を手でしっかりつかみながら、つま先を上下に大きく動かして、足首をしっかり動かすことが大事です。血液やリンパの流れがよくなり、脚のむくみや疲れがすっきり取れて、脚が軽くなります。血流もよくなるので、脚の肌色もよくなります。

お風呂に入ったとき、湯船の中でぜひ実行していただきたいのが、「内ももほぐし」と「ふくらはぎほぐし」。

お湯の浮力を利用するので、写真で見るほどハードではありません。筋肉が柔軟になり、血液やリンパの流れがよくなるので、翌朝の脚はほっそり。筋肉のゆがみが改善するので、続けるうちに脚がまっすぐになり、姿勢が美しくなる効果も期待できます。

この記事は『ゆほびか』9月号に掲載されています。