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【塩レモン+白湯】で体内の毒出し!消化力を高め未消化物の排出を促すアーユルヴェーダの叡智

腸にへばりついた宿便を取り除く

 体内にたまる「毒」とはなんでしょうか。その筆頭に挙げられるのが、消化も排泄もされずに体内に残っている「未消化物」です。

 消化力が正常に働いていれば、食べた物をきちんと消化・吸収して、体内のエネルギーに変換され、老廃物は排泄されるので毒はたまりません。

 体の調子が悪いと感じている人や消化力が弱っていると思う人は、ふだんから毒出しを意識することが健康への近道となります。

 そのために簡単に始められるのが、食事を変えること。特に、消化力を補い、腸を解毒する食べ物をとることです。

 そこで、私がお勧めするのが「塩レモン白湯(さゆ)」です。アーユルヴェーダでは、塩、レモン、白湯、それぞれに消化力を高める作用があると考えられています。

 塩には、消化物を微細化する作用があり、吸収力を高めてくれます。また、体温を高める効果もあり、塩味は味覚をよくしてくれます。

 レモンの酸には、腸にへばりついたヌメヌメしたアーマ(毒素)を取り除き、きれいにしてくれる働きがあります。

 そして、白湯は体を内臓から温め、活性化します。消化機能が促進されるうえに、血液の循環もよくなります。内臓の温度が1度上がれば、基礎代謝は約10%も上がるといわれているほどです。

 塩レモン白湯を飲むと、それぞれの作用が合わさって相乗効果となり、食べた物の消化がスムーズになるだけでなく、消化力そのもののパワーも上がるのです。

 特に、寒さを感じる朝や夜には、最適の飲み物といえます。塩レモン白湯は、普通の白湯よりもレモンの酸味が効いて、サッパリと美味なのも大きな特徴です。

 食後にカップ1杯の塩レモン白湯を、すするように飲むことをぜひ習慣にしてください。以下に塩レモン白湯の作り方を紹介します。

【塩レモン白湯の作り方】

【材料】●ミネラルウォーターが濾過水 ●レモン ●塩(岩塩が望ましい)

【作り方】

①水を沸騰させて、飲める程度まで冷ます。電気ポットやケトルを利用してもいい
②白湯をカップに注ぐ
③カップに注いだ白湯(さゆ)にレモンのしぼり汁を5~6滴加える
④塩を指で一つまみ加えて、出来上がり

【飲み方】朝昼夜の食前に1杯のむ。一度に何杯も飲まない。すするようにして、10~15分かけてゆっくり飲む

電子ポットで沸かしてもいい

 白湯をつくる水は、水道水だと塩素が多すぎるので、できればミネラルウォーターか濾過水を使用してください。

 白湯を作るときは、「やかんで沸かさなければならない」とよく言われますが、電気ポットを使用してもよいと思います。私自身、いつも電気ポットで沸かした白湯を飲んでいます。

 「30分程度沸かす」とも言われますが、ミネラルウォーターや濾過水を使用している人は、その必要はないでしょう。

 ただし、「カップ1杯分くらいの湯なら、電子レンジで温めて作ろう」という人もいますが、これはお勧めしません。電子レンジによる加熱は、分子構造を変化させてしまうからです。

 残った白湯は、保温ポットや魔法瓶などに入れておきます。体温より下がって冷えた白湯は、再沸騰させて飲んだりせず、そのまま捨ててください。

朝昼晩の食前に一杯飲むのがお勧め

 白湯に入れる塩とレモンの量ですが、塩の場合、親指と人差し指、中指でつまんだ量がその人にとっての適量です。レモンもしぼり汁の3~5滴が目安になりますが、「これなら飲める」「おいしい」と感じる量が適量となります。

 よく「小さじ何杯とか何グラムとか具体的に教えてほしい」と言われますが、100人いれば、その体質によって100通りの治療法があるのがアーユルヴェーダの考え方です。「適量」もその人によって変わってくるわけで、万人に「何グラムが適量」とは言えないのです。

 塩は精製加工されたものではなく、ミネラルを多く含む自然塩を使用します。特にアーユルヴェーダでは、血圧を上げるなどの副作用の少ない岩塩が勧められています。

 レモンは新鮮な生レモンを使用するのがベストです。商品になったレモン果汁を使用してもいいですが、濃縮還元のレモン果汁ではレモン本来の働きをじゅうぶんに得ることはできません。

 塩レモン白湯は、朝昼夜の食前に1杯飲むのが消化力を高める飲み方です。すするように、少しずつ飲むのがお勧めで、一度に何杯も飲むのはよくありません。

 消化力を高めるのに多くの人にお勧めの塩レモン白湯ですが、気をつけておきたい点もあります。次に塩レモン白湯を飲むときの注意点と、アーユルヴェーダにおける体質のお話をします。

アーユルヴェーダの観点からの注意点

 「塩レモン白湯」は多くの人にとって、消化力を高めるのに非常に有効です。しかし、まれに体質に合わない人もいます。

 アーユルヴェーダでは、一つの食べ物が全員の体によいとは考えません。同じ食べ物でも、その人の「体質」によって、効果が少なかったり、むしろ害になったり……ということもあるのです。

 しかし、体質とひとことで言っても、自分の体質がわからない人も多いでしょう。アーユルヴェーダでは、すべての人は、「ドーシャ」と呼ばれる3つのエネルギーを持っていると考えられています。

 このドーシャには、「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」の3つがあり、各ドーシャの強さのバランスがその人の体質を表すと考えます。

 各ドーシャには性質があり、ヴァータは風、ピッタは火、カパは水の性質をそれぞれ持っています。各ドーシャの特徴は、以下のようになります。

●ヴァータ=風の性質

 風のように軽快だが、落ち着きがなく、冷えやすい。毒素が腸に拡散しやすく、便秘になりがち。活発だがスタミナがなく、心や体が動きすぎるので、心が不安定になったり、疲れやすかったりする。

●ピッタ=火の性質 

 炎のように情熱的だが、短気でカッとなりやすい。ほてり、炎症、じんましんや目の充血、消化器系疾患を起こしやすい。

●カパ=水の性質

 ゆったりと流れる水のような安定感を持つが、太りやすい。消化不良、嘔吐、脱力感、アレルギー性鼻炎やセキ、たんなどの症状が出やすい。

 あなたの体質がどのドーシャに傾いているかを簡単に診断できるチェックリストを用意しました。こちらであなたのドーシャを調べてみてください。

 例えば、ヴァータの強い人はヴァータ型の体質であり、ヴァータとピッタの性質を両方を合わせ持つならヴァータ・ピッタ型の体質といえます。また、3つのドーシャをほぼ同程度に持つヴァータ・ピッタ・カパ型という場合もあり得ます。

 この中で塩レモン白湯が合わないのは、ピッタ傾向が強い体質の人です。もともと“熱い”体質のピッタ型の人が塩レモン白湯を飲むと、さらに熱くなり、ドーシャのバランスが崩れるからです。

 更年期障害のほてりやのぼせなどの症状のある人や、胃酸過多の人も塩レモン白湯は控えたほうがいいでしょう。

 それ以外の人には、塩レモン白湯は幅広くお勧めです。特に、ヴァータ、カパの両タイプの便秘やガス腹にとても効果的です。また、寒い時期にはカパが強くなりやすいので、塩レモン白湯がそれを鎮めてくれます。

血管内の未消化物も取り除いてくれる

 1カ月ほど、塩レモン白湯や白湯を飲み続けると、自然とやせていることに気づくはずです。これは消化力が上がり、体内の毒素が排泄され、無駄な物がたまらなくなるからです。顔や手足のむくみなども解消されるでしょう。

 さらに塩レモン白湯を続けることで、太りにくい体質に変わります。「消化・吸収・代謝」の循環が順調に回るようになり、食べた物がよく燃えるようになるので、余計な脂肪がつきにくくなるからです。

 代謝が高まれば、自然と体温も上がり、冷えが解消して、免疫力も高まります。感染症などの病気にも強い体質になるのです。

 また、塩レモン白湯や白湯を飲むことは、生活習慣病や加齢に伴う不調の改善にも役立ちます。

 動脈硬化は、血管にたまった未消化物が血管を詰まらせて起こる病気です。塩レモン白湯を飲むことで消化力が上がれば、血管内にも未消化物がたまりにくくなり、血流がよくなります。

 糖尿病も、大きな原因は消化力の低下です。消化力が弱くなることで、代謝がうまくいかなくなって起こるのが糖尿病です。塩レモン白湯を飲むことで消化力が上がれば、軽度の糖尿病であれば改善が期待できます。

 前項でもお話しした通り、塩レモン白湯は飲み過ぎるのもあまりよくありません。1日3~4杯までと決めて、それ以外は普通の白湯を飲むようにするのが理想です。

 白湯を飲むタイミングは、のどが渇く前です。のどの渇きを感じたときは、体内はすでに脱水状態に陥っています。30分以上水分をとっていないと、体は脱水状態となり、血液中の赤血球は、団子状にくっついています。

 つまり、血液がベタベタで血管が詰まりやすくなるのです。ですので、絶えず白湯で水分補給をする必要があります。塩レモン白湯も白湯も一度にゴクゴク飲むのではなく、チビチビと小まめに何度も飲むようにしてください。