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【マンガ家なぎまゆさんの片づけテク】使わないのに捨てられない 「死蔵品」をごっそり捨てる3ステップ

きちょうめんな人の片づけ術をまねしないこと

私は子どもの頃から「片づけ」が苦手でした。親に「片づけなさい!」と叱られていましたし、大人になっても、友人が訪ねてくるときだけ慌てて片づける、という状態でした。

さらに困ったことに、片づけてもすぐにまた散らかってしまうのです。散らかった部屋を眺めては、「なぜ、私はこうなってしまうのだろう」といつも思っていました。

一方、私の周囲には、私とは正反対に片づけが得意な人がいました。どこもかしこもきれいに整頓された部屋は、私の部屋とは大違いです。

「自分とは何が違うのだろう」と片づけられる人を観察してみると、みんなきちょうめんで、何をするにも所作が丁寧なのです。机の上に物を置くのでも角をそろえるし、開けた扉は必ずきちんと閉めます。

私はどうかというと、最初は気をつけるものの、しばらくすると戸は開けっ放し、使った物は出しっ放しで、机の上や床に雑然と置かれたまま。片づけが得意な人があたりまえにできていることを、私はまったく継続することができませんでした。

それを繰り返すうちに、私は「片づけが得意な人は『きちょうめん』、片づけられない私は『大ざっぱ』、そもそも性格が違うのだから、まねをしても続かないのだ」ということに気づいたのです。

片付けの基本は3つのステップ

今の私は、人並みに「片づけられる人」になれました。それどころか恐れ多くも、このように片づけについて語る場を設けていただけるようになりました。

どうして片づけられる人になれたかと言うと、「ちゃんとしなきゃ!」と思うことをやめたからです。

きちょうめんな人と同じ片づけ方を継続するのは無理だと気づいた私は、大ざっぱな自分でも片づけを継続し、片づいた状態を維持できる部屋を目指したのです。

私は、片づけを単純に以下の3つのステップに分類しました。

このステップ通りに片づけていくだけで、大ざっぱな私も、片づけられなかった私の友人たちも、片づけを継続できるようになりました。

3ステップのうち最も難しいのは、先にも触れた②の「徹底的に捨てる」です。片づけられない人は「いらない物を捨てましょう」と言われても、そもそもどれがいる物でどれがいらない物なのかを判断することが苦手なことが多いです。

壊れた物、使えない物は捨てられるのですが、「使えるけど使わない物」「使うかどうかわからない物」は捨てられないのです。

片づけられない頃の私も、「使える物を捨てる」という発想がありませんでした。流行遅れの服も、型が崩れたカバンも、まだ着られるうち、使えるうちは捨てないのがあたりまえでした。そこにさらに気に入った物を見つけては購入していくわけですから、物は増えていく一方なわけです。

私の場合、最初に片づけたとき、ヒートテックのシャツが20枚も出てきました。着古したものでも「破れていないし、着ようと思ったら着られる」と捨てない一方、店頭で安売りされるたびに「買っておけばいつか着るから」と購入していました。

私が片づけのお手伝いをした友人は、ホチキスが12個出てきたり、ボールペンの替え芯が50本出てきたりしました。

片づけでいらない物を判断するときは、「自分の生活に、何がいくつ必要なのか」を考えてみてください。使えるけど使わなかった物、在庫の数が多すぎて出番が永遠にこない物、こういった物を手放す選択肢に入れられなければ、いつまで経っても物を減らすことはできないのです。

捨てられない物の捨て方

片づけの際の最初のステップ①「物別に全部出す」を終えて、物の要不要を判断する際は、

今の自分の生活や性格に必要な物

❷①以外の物

すぐには判断できない物

に分けて、②の物は処分します。

物の仕分けをしていると、必ず「思い入れがあって手放す判断がその場でできない物」が出てきます。そういう物はいったん③の「保留」に分類します。

何でもかんでも保留にしていいわけではなく、決めたスペースに入るだけにするなどの決め事はいります。

しかし、①の「今の自分の生活や性格に必要な物」を選択する工程を経たことで要不要を判断する力は上がっているので、③の物もだんだん手放せるようになってくるはずです。

そして必要な物だけになったところで収納をしていきます。収納場所を決めるときは、部屋の中での行動を思い浮かべて、「自分の性格ならどこにあると取り出しやすいか」を考えながら収納します。「取り出しやすい」とは、「片づけやすい」というのと同義だからです。

そして、物をしまった棚や引き出しには、中に何が入っているかすぐにわかるように養生テープなどでタグをつけておきます。こうすることで物の死蔵を免れられるのです。

「片づけって、何をすればいいのかわからない!」というかたの参考になれば幸いです。