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【竹田和平】【まろわの世】福を思えば福が来る。鬼を思えば鬼が来る

本記事は『ゆほびかGOLD vol.39』(2018年刊)からの抜粋で、生前の竹田和平氏(2016年逝去)へのインタビューから構成したものです。

大和民族の願いは「大和心よ、美しかれ」

 私たちは、大和民族(やまとみんぞく)です。私たちのご先祖様がみんな共通して願ったことを一言で言いますと、「大和心よ、美しかれ」ということなんですね。

 ご先祖様が、「心が美しければ、幸せになれますよ」と祈ってくださっているわけです。ちょうど、親が子供に幸せになってほしいと思うのと同じように。

 ですから、日本の国に生を受けた私たちは、ぜひ心を美しくしていきましょう。

 大和の国では、政治も経済も、この「大和(だいわ)」という状態が、一番いい状態です。まず大和(だいわ)が大事、ということになります。

 大和(だいわ)という言葉は「大きな和」ということで、つまり、「大きな和になりなさい」ということなんですね。

 私はあるとき、インスピレーションで、大和(だいわ)と同じような意味で、「まろわ」という言葉を天からいただきました。

 まろわ、というのは、まろの輪。まろとは、真心のことです。つまり、まろわとは、真心の輪、真心の和。真心がつながった、丸い和です。

 ちょうどオリンピックの五つの輪と同じようなイメージです。

 この「まろわ」と「まろわ」がつながって、世界が「まろわの世」になる。

「大和心よ、美しかれ」の思いを受け継いでいる大和民族の日本が、まろわの社会を率先して作る。それが世界に広がる。

 そんなことを思いまして「まろわの世」という名前にしたんです。

 心を美しくして、「まろ」になることは、難しくありませんよ。

 実は心は、生まれたての赤ちゃんのときから、すごい力を発揮するんです。

 赤ちゃんのときは、「潜在意識」の状態です。

 教えられなくてもお母さんのおっぱいを吸う能力がある。

 這えば立ち、立ったら歩き、歩いたら走れます。 

 こういうことを、人間は、短時間の間にやってのける。

 這ってから走りだすまで一年くらいでやります。

 潜在意識の力というのはすごいんです。

 それが、知識を入れるほど、知識のことが気になって、潜在意識の働きが悪くなることがあるんですよ。

 そうするとね、うまくいくことも、うまくいかなくなる。

 ですから私は、心を美しくするということは、赤ちゃんのときの心、潜在意識、原点に一度、戻ることだと考えています。

 真心という原点に、知識を加えていく。真心が一番根本なんだよ、ということですね。
 知識だけで組み立てても、うまくいかない。我々にはすでに、持って生まれたすごい真心、「まろ」能力がある。

 「まろ」能力は、エゴによって汚れていくんです。

 エゴとは、自分勝手な、表面的な自我のことです。エゴを掃除するだけで、まろは輝きだします。まろとまろ、真心と真心でつながって作る世は、素晴らしくなるんです。

奪わない心、与える心になる

 心がまろになると、いろんな問題が解決できます。

 本来なら、まろの状態では、「奪うと奪われる」「与えると与えられる」という、「天の法則」を、みんな、よくわかっています。

 だから、まろになってくると、他から奪わなくなるんですよ。他から奪わなくなるだけで、問題はシューッとしぼみます。

 逆にみんな、与えたくなってくる。与える気持ちになると、たちまち、富がどんどん増えていきます。

 私は戦争でひどい目に遭ったクチです。恨んではいないんです。なぜかというと、ひどい目に遭ったおかげで今日があると思っていますから。禍転じて福となす精神だったら、何があったって怖くはない。

 しかしなかなか、福にできない人もいます。「ひどい目に遭った」で終わってしまう人も多いんです。

 私らの代は、先代が戦争したから、ひどい目に遭ったんです。ああいう目には、これからの人、若い人を遭わしちゃいけない。みんなで、まろアップして、まろわの世を作っていけば、平和が来るんです。すべては「想念現象」といって、思ったことが現実になっている。思いが変わるとみんな変わるんです。

 福を思えば福が来る。鬼を思えば鬼が来る。

 みんなが福を思えるようにすれば、みんなに福が来るんです。心配ばっかりすると鬼が来ちゃうんですよ。思いを鬼から福に変えるだけで、まったく世の中が変わっちゃう。

 私はいま八十一歳ですけど、これから、貯まったお金を、社会にいい形で還元するつもりです。お金は使い方が悪いと鬼が来るから、福に使って福が来るようにしなきゃいけません。

「まろアップで作るまろわの世」という目標をはっきり決め、まろアップすると、スゴいパワーが出ます。

 まろアップするには「ありがとう」が一番です。ですから私は「ありがとう百万遍」を、四年間やったんです。一日三千回、自分で唱える。一人のときは「ありがとう」を言うと決めて実践しました。「ありがとう、ありがとう」とやってると、自分の心が変わってくるんです。

 半年経つと、「あれ、ちょっと今までないことが起こってくるな」という感じになります。三年たった時には、「ありがとうの言葉を、みんなに広げないとあかん」と、ありがとうを広める運動をやったんです。皆さんに集まっていただいて、呼吸法と合唱の力で、ありがとうを唱えたんです。例えば五百人集まったら、一回「ありがとう」と叫ぶと、五百回分の音が一度に聞こえる計算です。

「心技体」というように、まず心が大事。心がしっかりする前に、技をつけるとろくなことがありません。

 それはお金も同じです。戦争も、お金がなかったらやりません。日本にお金が貯まって軍備ができたから、戦争になっちゃった。心がしっかりしてないのにお金ができたら、破滅が起こるんですよ。

 これからの情報時代には、一人一人が信用のある人間になる必要があります。政府や会社に頼らず、個人が自分で立っていく時代になっていきますから、一人一人がまろアップして、信用を作っていくことが大切なんです。

 文化もまろアップが大事です。絵だって音楽だって文学だって、人の感動するものを作るなら、原点にまろがあるかどうかがポイントです。

 まろとまろがつながって、日本からまろわの世を世界中に広める。日本はまろわ文化の先生になる。こういう理想を今描いているんです。きっとみんなが参加して、まろわの世になっていくことでしょう。