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かんたん【玉ねぎヨーグルト】楽々やせる、便通がよくなる!血糖値・肌荒れにも!

 

腸に効く! 肥満・病気を防ぐ! 美味!玉ねぎヨーグルトの6大メリットと簡単な作り方

管理栄養士・料理研究家 森崎友紀

 玉ねぎとヨーグルトは、どちらも腸内細菌を増やす健康食材として知られています。

 この2つの食材を組み合わせると、それぞれの効果が増強され、しかも料理の幅もぐんと広がります。

 玉ねぎヨーグルトには、次の6大メリットがあります。

①腸内環境がよくなり腸が活発に動く

「善玉菌が増えて腸・血管・肌が若返る」「花粉症やアトピーなどアレルギー症状の改善」

②ダイエットに効果的

「やせ酸」(短鎖脂肪酸)が脂肪の吸収を抑制したり、代謝を高めたりする

③免疫力がアップする

「腸の粘膜が健康になり免疫力がアップする」

④病気の予防・改善に役立つ

「血圧・血糖値・中性脂肪値・コレステロール値を改善する」「ガンを始めとする生活習慣病を予防する」「骨粗鬆症の予防、不眠の改善、精神安定に役立つ」

⑤作るのが簡単・おいしい

「材料は玉ねぎとプレーンヨーグルト、それに少しの塩だけ」「食べてみるとそのおいしさにびっくり!」

⑥サラダ、和え物、肉・魚料理、デザートと幅広く使える

「和洋中の料理なんにでも合う」「調味料の代わりに使うとカロリーカットになる」

玉ねぎヨーグルトの基本の作り方

作りやすい分量

・皮をむいた玉ねぎ        1個(約200g)

・ヨーグルト      1パック(約400~500g)

・自然塩             小さじ1

全量 322㎉

①玉ねぎを薄くスライスする(ピーラーやスライサーを使っても可)
②30分ほど空気にさらす
③玉ねぎとヨーグルトと塩をよく混ぜる

④一晩、冷蔵庫におく

⑤完成※清潔な容器で冷蔵保存のうえ、4~5日以内で食べ切ります。2晩ほど寝かせてからが食べ頃です

どんな味にも意外と合う!クセになる!「玉ねぎヨーグルト」の基本の食べ方

管理栄養士・料理研究家 森崎友紀

「そのまま食べる」

小鉢1杯(1/2カップ・75g程度)で40㎉、大さじにたっぷり1杯(25g程度)で13㎉です。カロリーはごくわずかなので、食べ過ぎを気にせず、普段の食事といっしょに食べたり、おやつに食べたりできます。ダイエットや不調の改善を期待する場合は、1日50g以上を目安に食べるといいでしょう

「混ぜる」~納豆やキムチといっしょに

自分の好きな食材を玉ねぎヨーグルトと混ぜ合わせて食べると、飽きることなく、玉ねぎヨーグルトを長く楽しく食べ続けられます。ヨーグルトは発酵食品なので、キムチ、納豆、ザワークラウト(キャベツの塩漬け)などの発酵食品との組合せは、特に味のなじみがいいでしょう

「つける」~揚げ物・焼き物といっしょに

肉類や脂っこいものと組み合わせると、玉ねぎヨーグルトが消化を助けてくれます。実際、玉ねぎヨーグルトを食べているかたからは「魚のフライを玉ねぎヨーグルトにディップして食べている」「焼肉をつけると、あっさり食べられる」「コロッケに付け合わせた」などの声も寄せられています

「料理に使う」

ヨーグルトの酸味と玉ねぎのほどよい辛みは、他の食材の甘みや旨みを引き立てます。玉ねぎヨーグルトを活用すると、普段の料理がもっとおいしくなります!

玉ねぎヨーグルトを○○にチョイ足しすると疲労・不眠・貧血…困った症状が一掃

管理栄養士・料理研究家 森崎友紀

 一般的な台所にある食材に、玉ねぎヨーグルトをチョイ足しするだけで……意外なおいしさが楽しめるうえ、気になる不調対策にもなります。

 普段の食卓で、ちょっとした箸休めにいかがでしょうか。

食べ方

❶ひじきの煮物を小鉢によそう ❷玉ねぎヨーグルトを大さじ1~2杯程度かける ❸よく混ぜて食べる

栄養ポイント

不安やイライラを鎮め、精神安定に有効なカルシウムとマグネシウムをたっぷり含むひじき。ひじきの煮物の甘味と、玉ねぎヨーグルトの塩気が、絶妙の味わいです

食べ方

❶つまめる大きさに切ったセロリを小皿に盛りつける ❷玉ねぎヨーグルトを大さじ1~2杯程度かける ❸いっしょに食べる

栄養ポイント

セロリのさわやかな香りには、神経系に作用し、気持ちを落ち着かせる鎮静作用があります。別盛りにした玉ねぎヨーグルトに、セロリをディップしてもOK。マヨネーズ感覚で食べられます

食べ方

❶豚しゃぶ肉1~2枚に対し、玉ねぎヨーグルトを大さじ1~2杯程度かける ❷いっしょに食べる

栄養ポイント

豚肉には、疲れや倦怠感を解消するビタミンB1がたいへん多く含まれます。ビタミンB1は、タマネギに含まれる硫化アリルといっしょに食べると効率よく吸収できます

食べ方

❶刺身用のマグロを一口大に切って小鉢によそう ❷玉ねぎヨーグルト玉ねぎヨーグルトを大さじ1~2杯程度かける❸よく混ぜて食べる

栄養ポイント

赤血球を増やすビタミンB6やB12が多く含まれるマグロ。血合いの部分には鉄分もたっぷりです。玉ねぎヨーグルトにほどよい塩味・酸味・辛みがあるので、しょうゆや薬味なしでも美味!

食べ方

❶木綿または絹ごし豆腐を小鉢によそう ❷玉ねぎヨーグルトを大さじ1~2杯程度かける ❸いっしょに食べる

栄養ポイント

豆腐の植物性たんぱく質は、毛穴にダメージを与える飽和脂肪酸を抑え、かつ髪の原料となります。また豆腐に含まれるマグネシウムは、ヨーグルトのカルシウムの吸収を助けます

 「玉ねぎヨーグルト」は“長寿菌”と“やせ酸”を増やし肥満や病気を防ぐと判明

理化学研究所特別招聘研究員・農学博士 辨野義己

腸内細菌こそ健康長寿の鍵!

 健康長寿ができるかどうかは、あなたのおなか(大腸)に住む腸内細菌によって決まる——

これは長年、健康と腸内細菌の関わりについて研究してきた私の結論です。

 私は日本全国の健康長寿地域を訪れ、健康な高齢者の食生活と腸内細菌の特徴を調査してきました。

 すると、90歳、100歳といった高齢でもかくしゃくとした皆さんは、おしなべて腸内に「長寿菌」が多く存在することが判明しました。長寿菌の比率は通常20~30%程度ですが、長寿地域のお元気な高齢者では平均50~60%ほどいたのです。

 私たちの大腸には、600兆個以上、重さにして約1・5㎏もの腸内細菌が生息しています。腸内細菌の種類は無数で、私たちの健康に有益な働きをするものもあれば、有害な働きをするものもあります。

 その中で、私が「長寿菌」と名づけた菌のグループがあります。「大便菌」「ラクノスピラ」「ビフィズス菌」の3菌種のグループです。

 なお大便菌とは、「フィーカリバクテリウム」や「コプロコッカス」という学名の菌のグループですが、それを一般にわかりやすいように私が直訳したネーミングです。

長寿菌の作る短鎖脂肪酸が免疫細胞を増やして炎症を抑える

 これら長寿菌に共通する特徴は、酪酸や酢酸、プロピオン酸などの「短鎖脂肪酸」を作り出すことです。中でも特に重要なのが「酪酸」です。腸内細菌が作る酪酸は腸管から吸収され、大腸の重要なエネルギー源となります。それによって腸の運動が活発になり、腸の粘膜を健康に保つことで免疫力を高めます。

 さらに免疫のしくみに働きかけ、制御性T細胞という免疫細胞を増やして、花粉症などの炎症やアレルギー症状を抑えたり、ガンの発症を防いだりすることもわかっています。

 この酪酸を腸内で作り出す代表的な菌が、大便菌グループなのです。

 従来、体に有益な善玉菌としてはビフィズス菌が有名でした。ビフィズス菌が作り出すのは、主に酢酸です。酢酸も腸内環境を酸性に保ち、悪玉菌の増殖を防ぐうえで大事な働きを担いますが、実はあまり腸管で吸収利用はされません。

 ビフィズス菌にさまざまなよい働きがあるのは間違いないですが、ほかの菌にも未知なる力があるに違いないと、私は以前から考えていました。そこで、酪酸を作る大便菌やラクノスピラにも注目したわけです。

 そして、長寿地域の食生活と腸内細菌の分布を調べると、これらの長寿菌の比率が多いことがわかりました。しかもどの地域も、長寿菌のうち大便菌の比率が総じて高く、「大便菌こそが長寿菌の主役」と言えることが、改めて明らかになりました。

肥満防止にも効果を発揮

 長寿菌たちが作り出す短鎖脂肪酸は近年、「やせ酸」として注目されています。

 3年ほど前、東京農工大学の木村郁夫氏の研究により、「短鎖脂肪酸には、体内に脂肪が蓄積されるのを抑える効果がある」ことがわかりました。

 腸内で作られた短鎖脂肪酸は、腸粘膜を通じて全身へと送り込まれ、エネルギー源として利用されます。それだけでなく、ブドウ糖や脂肪酸が供給過剰になったときには、それらが脂肪として蓄積されないように働くというのです。

 人が太るのは、脂肪細胞が脂肪を蓄えるためですが、脂肪細胞についている受容体(センサー)に短鎖脂肪酸が結合すると、脂肪の取り込みが抑制されます。

 さらに、自律神経の交感神経細胞の受容体に短鎖脂肪酸が結合すると交感神経の働きが活発になり、エネルギー代謝率が高くなると考えられています。つまり、体脂肪が燃焼されやすくなるというわけです。

肥満防止にも効果を発揮

 長寿菌を増やすために最も重要なのは「食物繊維」です。大便菌やラクノスピラは、食物繊維をエサに酪酸をつくります。食物繊維の多い食事をとると、これらの菌が増え、酪酸の産生が促されるのです。

 加えて、乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルトなど「発酵食品」は腸内環境を整えるのに役立ちます。

 長寿菌を増やすには、まず食物繊維を多く取り、かつ腸内環境を整える発酵食品も加えるのがポイント。「玉ねぎヨーグルト」は、それを自然に実践できるメニューです。

食物繊維にはいくつか種類があり、腸内細菌が分解できるのは「水溶性食物繊維」だけ。玉ねぎにはこの水溶性食物繊維が多いので、長寿菌が短鎖脂肪酸をつくる元になってくれます。

 また、玉ねぎは「フラクトオリゴ糖」を多く含んでいますが、これはビフィズス菌や乳酸菌のエサとなり、これらの菌を増やします。ヨーグルトといっしょに食べるわけですから、腸内環境を整える効果はとても高いと考えられます。

 腸内細菌が分解できるのは水溶性食物繊維だけと述べましたが、分解できない不溶性食物繊維もたいせつです。不溶性食物繊維は胃や腸で水分を吸収してふくらみ、腸を刺激して、蠕動運動を活発にするとともに、便のかさを増やし、排便を促す面でも重要です。

 私はいつも、次のように言っています。「腸が健康である」とは、「快便である」こととイコールです。玉ねぎヨーグルトには、確実に便通をよくする効果があるでしょう。ぜひ、腸から健康長寿を実現してください。

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