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【玉ねぎ麹の作り方&レシピ】手作り万能調味料で美肌・美腸に!料理の美味しさもアップ!

タマネギ麹とは?

麹で食材はおいしくなり食べた人は健康になる!

麹に漬けたらっきょうに、しょうゆ麹のポン酢……わが家のキッチンは、麹を活用したメニューでいっぱい。どれも最高においしくて、私は麹のとりことなっています。

左から塩麴らっきょう、しょうゆ麹らっきょう、タマネギ麹らっきょう

何ごとにもいい面と悪い面があるものですが、麹に関しては本当に「いいこと」しかありません。
麹の力で、食材はおいしくなるうえに、腐りにくくなり、食べた人を健康に美しくしてくれます。私自身、麹の力で体調がよくなりました。まずはそのことからお話しします。

私が麹をフル活用し始めたのは、十数年前。当時は塩麴が大ブームで、私も料理教室で麹をテーマにしたレッスンをしようと思い立ち、活用法の研究を始めました。

麹には塩麴以外にも、しょうゆ麹、野菜と麹と塩を混ぜた野菜麹など、さまざまな活用法があります。使い方は簡単で、塩代わりに塩麴、しょうゆ代わりにしょうゆ麹といったぐあいに置き換えるだけ。野菜麹は食材として使えるし、調味料やドレッシング代わりにもなります。

肉や魚、野菜などはこれらの麴に漬けておくだけで、素材のうま味が引き出され、栄養素が分解されるので消化吸収もよくなります。

麹が他の悪い菌の繁殖を防いでくれるから、漬けている最中に腐ったり悪くなったりすることも避けられます。食材も長もちします。

料理教室で麹の活用法を紹介すると、当然ながら大好評。私自身も料理の下ごしらえに、調味料にと、麹を多用するようになりました。

すると、子どもの頃からの花粉症が、いつの間にかよくなっていたのです。私の花粉症は重度で、ひどいときは会社を休まなければならないほど。それなのに、花粉の季節になっても、くしゃみ一つしない自分に気がついたときは驚きました。

体調も絶好調。以前は体が常に重だるかったのですが、軽やかに動けるようになりました。他にも、冷え症や肌トラブルの改善など、麹の効果では? と思うことを挙げていくと、きりがないほどです。

今回は麹の活用法の中から、私が最もほれ込んでいる「タマネギ麹」を皆様にご紹介します。

「タマネギ麹」は天然のブイヨン

コンソメや顆粒だしが不要になった!

作り始めたのは、3年前。タマネギと麹はどちらもうま味成分が豊富で、高い健康効果があります。この2つを組み合わせたらすごい相乗効果が得られるのでは、と作ってみたら、予想以上でした。 
作り方は、すりおろしたタマネギと米麹と塩を混ぜたら、あとは発酵を待つだけ。誰でも失敗なく、作れると思います。

タマネギ麹の使い方は、塩麴と同じ。つまり、塩代わりに使えばいいだけです。タマネギ麹を作り始めた頃、塩麴の代わりにいろいろな料理に使ったところ、塩麴の何倍もおいしく感じ、感動ものでした。以来、わが家では味付けといえば、タマネギ麹です。

麹とタマネギによる、ダブルのうま味と甘みが備わっていますから、タマネギ麹に漬けた肉や魚は、そのままで、あるいは焼くだけで、驚くほどのおいしさです。

ちなみに、うま味は時間とともにどんどん増していきます。ですから、肉や魚はできれば3~4日、漬けておくといいでしょう。

タマネギ麹は「天然ブイヨン」としても使えます。その強いうま味によって料理のコクが増すので、市販のだしやコンソメの素を加えなくても、深みのあるまろやかな味になります。
市販のだし類の食品添加物が気になる人にお勧めですし、減塩・減糖にも役立ちます。

左上「塩麴」、左下「しょうゆ麹」、
右上「トマト麹」、右下「タマネギ麹」

タマネギ麹の作り方

材料(作りやすい分量)
おろしたタマネギ 300g
米麹 100g
塩 30g

おろしたタマネギに米麹を入れてよく混ぜる
①に塩も加えてよく混ぜる
常温で1日1回混ぜ、1週間前後で麹が柔らかくなったら、冷蔵庫で保存する。バーミックスなどで攪拌すると使いやすい
発酵の目安は、
夏は4~5日、冬は10日前後

太りにくくなるうえ、疲労回復や美肌にも有効

タマネギと麹の栄養成分がダブルでとれるタマネギ麹は、「天然サプリメント」でもあります。
例えばタマネギと麹は、どちらもビタミンB群が豊富。ビタミンB1は糖質を、ビタミンB2は脂質を分解してエネルギーに変える働きがありますから、タマネギ麴をとっていると太りにくくなります。疲労回復や美肌効果も期待できます。

食物繊維やオリゴ糖もたっぷり。腸内環境を整えてくれるから、便秘の人にもお勧めです。
免疫力を高める効果もあります。私も以前は頻繁にひいていた風邪をひかなくなりましたから、新型コロナウイルス感染症対策にもいいのではないでしょうか。
タマネギ麹は火を使わず作るので、栄養素が壊れにくいのも魅力です。タマネギの血液サラサラ効果や老化を防ぐ効果をもたらす、硫化アリルやケルセチンといった成分は、水や熱に弱く、調理の過程で失われやすいのが難点です。

タマネギ麹なら、これらの成分を余すところなくとれます。
なお、ご紹介するタマネギ麹のアレンジメニューは、健康効果を最大限得られるように、なるべく加熱なしで作れる方法を選びました。  
最後に、作るときの注意点ですが、タマネギにはもともと乳酸菌が付着しているので、発酵が進みすぎると、過剰に乳酸発酵することがあります。
乳酸による発酵ですから、健康にはとてもいいのですが、せっかくのタマネギの甘味が酸味に変わり、味が落ちてしまいます。

ちょうどよい発酵具合になる目安は1週間。ただし、真夏だと最短で3日、真冬なら最長で1カ月と、室温によって、発酵の進みぐあいは大きく変化します。
そこで、最初はこまめに味見することをお勧めします。甘味とうま味を感じたら、麹による発酵は完了しているので、冷蔵庫に移して保管しましょう。

タマネギ麹お勧めアレンジレシピ

混ぜるだけ!
タマネギ麹キノコ

材料(作りやすい分量)

キノコ(3~4種) ………………..200g
タマネギ麹…………………………….大さじ2

作り方

❶キノコ類は石づきを取り除き、1㎝くらいに刻む
❷耐熱容器に❶を入れ、600wのレンジで2~3分加熱する
❸キノコが冷めたら、タマネギ麹を加え混ぜる
❹❸を冷蔵庫で一晩冷やす。冷蔵庫で1週間ほど保存可能

活用法①
絶品ドレッシング

材料(作りやすい分量)

プチトマト 6個
ベビーリーフ ひとつかみ(20g)
 タマネギ麹キノコ 50g
  オリーブオイル 大さじ2
  酢 小さじ1
  黒コショウ 少々

作り方

❶プチトマトはヘタをとって半分に切り、ベビーリーフと混ぜて器に盛る
❷Aを混ぜてタマネギ麹ドレッシングを作り、❶にかける

活用法②
ブルスケッタ

材料(作りやすい分量)

バゲット 2切れ
レタス 少々
生ハム 2枚
タマネギ麹キノコ 大さじ3
ピンクペッパー(あれば) 少々
セルフィーユ(あれば) 少々

作り方

❶バゲットにレタスと生ハムをのせ、タマネギ麹キノコを盛る
❷❶にピンクペッパ―を振り、セルフィーユなどのハーブを飾る


サーモンのソテー
おろし大根のタマネギ麹ソース

材料(2人分)

大根 120g
タマネギ麹 大さじ1/2
サーモン切り身 2切れ
オリーブ油 大さじ1
ベビーリーフ・レモンのくし切り 各適宜

作り方

❶大根はおろして水気を切り、タマネギ麹を加え混ぜて、ソースを作る
❷フライパンにオリーブ油を温め、サーモンを入れ、中火で両面に焼き目がつくまで焼く
❸サーモンが焼けたら器に盛り、❶のソースをかけ、ベビーリーフとレモンを添える


焼きナスとトマトのタマネギ麹ゴマだれ

材料(2人分)

ナス 2本
ミディトマト 4個
 タマネギ麹 20g
  練りゴマ(白) 30g
  水 …………………………………………………………………大さじ2
  みりん・すりゴマ(白) 各小さじ1
  ユズコショウ 少々
炒りゴマ(白) 適量
イタリアンパセリ 適宜

作り方

❶ナスはヘタの周りに一周切り込みを入れ、縦に5~6本切り込みを入れる。トマトは串切りにする。Aは合わせておく
❷予熱した魚焼きグリルにナスを入れ、15分ほど強火で焼く
❸❷が熱いうちに皮をむいて、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす
❹ナスとトマトを器に盛り、Aをかけ、炒りゴマを振り、イタリアンパセリを添える


やみつき! タマネギ麹
エスニックチキン

材料(2人分)

 タマネギ麹 大さじ2
  ハチミツ・酒 各小さじ2
  スイートチリソース 小さじ1
  おろしショウガ 小さじ1/2
  黒コショウ 少々
手羽元 8本
レタス・トマト 各適宜

作り方

❶Aの調味料を混ぜて、手羽元と一緒に保存袋に入れてもみ込み、1時間~2晩冷蔵庫でマリネする
❷水気を切った手羽元を天板にのせ、200度に予熱したオーブンで20分焼く
❸器にレタスを敷いて、焼いた手羽元をのせ、トマトを添える


天然のブイヨン!
タマネギ麹コンソメスープ

材料(2人分)

タマネギ・ニンジン 各50g
ベーコン 1枚(15g)
オリーブ油 小さじ1
水 300㎖
タマネギ麹 50g
塩・コショウ 各適宜

作り方

❶タマネギとニンジンは1㎝角に切る。ベーコンは1㎝角の色紙切りにする
❷鍋にオリーブ油を熱して中火でベーコンを炒め、香りがたったらタマネギとニンジンを加えて炒め合わせる。野菜がしんなりしたら、水とタマネギ麹を加える
❸沸騰したら弱火にして10分煮る。野菜が柔らかくなったら、塩コショウで味を調える


だし要らず!
野菜のタマネギ麹揚げ浸し

材料(2人分)

マイタケ 1/2パック
シシトウガラシ 4本
 水 250㎖
  しょうゆ・みりん・タマネギ麹 各大さじ2
ナス 1本
レンコン・サツマイモ・カボチャ 各70g

作り方

❶Aはボウルに合わせておく
❷ナスは縦半分に切り、皮目に格子の切込みを入れる。マイタケは小房に分け、シシトウガラシはヘタを取って切り込みを入れる。ほかの野菜も食べやすく切る
❸揚げ油を熱し、❷の野菜を素揚げにして、熱いうちに❶に浸す
❹器に汁ごと盛り、温かいうちに食べる


タマネギ麹で
究極の豚のショウガ焼き

材料(2人分)

豚薄切り肉(ロースか肩ロース) 200g
 タマネギ麹・酒 各大さじ2
  ハチミツ 大さじ1.5
  おろしショウガ 10g
サラダ油 小さじ2
タマネギ 1/2個(100g)
薄力粉 適量
千切りショウガ(皮ごと) 10g
しょうゆ 大さじ1/2
キャベツの千切り・プチトマト 各適宜

作り方

❶豚肉はAのたれで和えて、10分~1晩冷蔵庫でマリネする
❷フライパンにサラダ油小さじ1を温め、7~8㎜の厚さに切ったタマネギを焼いて、しんなりする前に取り出しておく
❸豚肉はたれを軽く切り(たれは取っておく)、薄力粉を両面に軽く振る
❹❷のフライパンに残りの油を足して熱々にして、③の豚肉を広げて焼く。片面に焦げ目がついたらひっくり返して火を止めて、千切りショウガと❸のたれ、しょうゆを加える
❹再び火をつけて、中弱火で豚肉をたれにからめながら、火が通るまで炒める
❺器にキャベツと❹、プチトマトを盛り、肉の上に❷をのせ、フライパンに残ったたれをかける

この記事は『ゆほびか』2022年11月号に掲載されています。