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【92歳現役気功師】病気・痛み・入れ歯なし!体が若返る「1日5分の手振り体操」のやり方

「手振り体操」で手に入れた柔軟性こそ私が老いない秘訣

92歳でも本当に若いと褒められる!

大きな病気や痛みは一つもなく、頭もハッキリ。背筋はピンッと伸びてネコ背とはほど遠く、入れ歯もなし……私の姿を見て、このようにお話をした人の多くは「一体おいくつですか?」と驚き、尋ねられます。

私、荒井義雄。今年で92歳になりますが、老化を象徴するような体の変化・不調とは無縁です。

ジャンプも軽々!

そういうと「本当に若い!」とお褒めいただきますが、なぜ、老いが感じられないのか——それは、体ががサビていないからです。

しかし、長年の仕事や家事に勤しむあまり、体がバキバキに硬くなっていませんか? この硬さこそ、サビがたまっている証拠です。

ほかにも、肩こりや腰痛、頭痛、生理痛、慢性疲労、胃腸の弱さ、便秘や下痢になりやすい、おなか周りに脂肪がたまる、むくみ、肌荒れ、カゼのひきやすさ……すべて、筋肉のサビが原因なのです。

また、心と体は一つにつながっていますから、体がサビつけば、心もサビついてきます。イライラ、クヨクヨ、いつも不安で心配事が絶えない、常に悪いほうに考える、やる気が起きないなどの症状として表出してきます。

荒井塾の様子。20歳以上年下の生徒さんと修練を行うことも!
90代とは思えない姿勢のよさと体の柔らかさ

芸能人も「手振り体操」を役立てている!

体が柔らかい人でも筋肉を使わないと、年齢とともに体は老化し、サビついた戸車のように、スムーズに動かなくなってしまいます。

逆にいうと、筋肉のサビさえ取れば、年をとっても体はスムーズに動き、老化のスピードも緩やかになります。そんな筋肉にアプローチする方法として私が勧めているのが「導引」と「手振り体操」です。

多くのかたに実践していただいている方法ですが、俳優・榎木孝明さんや女優・羽田美智子さん、青山倫子さんなどの芸能人のかたまでも、健康や若さづくりのために役立てていただけてうれしく思います。

俳優・榎木孝明さん、女優・羽田美智子さんとの記念写真。
「羽田さんは、手振り体操で冷えや震災後のうつが改善できたと聞いています」と荒井先生
女優・青山倫子さんとのツーショット。青山さんも「手振り体操」を行っている!

さて、早速ですが、まずは体の硬さをチェックしてみましょう。

導引という動きです。

皆さんは床にペタリと上半身がつきますか? 体を曲げたとき、痛みや硬さを感じる筋肉や体の部位はありませんか?

痛みや硬さこそ、サビついている証拠。このサビている部分を意識しながら、ゆっくりと呼吸し、できる範囲で導引を繰り返してください。

導引は、体を柔らかくするだけでなく、肺や横隔膜、腸などの内臓にも刺激を与える効果的なストレッチ方法です。毎日続ければ、早い人は1カ月経つ頃には、上半身が床につくようになります。

そうでなくても、体の柔軟性が向上したり、動きやすくなったりするなど、変化を感じられるでしょう。

導引のやり方

体を柔らかくし、内臓にも効果的な刺激を与える!

できるだけ開脚した状態で座り、鼻から息を吐きながらゆっくりと前屈する。痛みを感じるところがあれば、その箇所に意識を向け、ゆっくり伸ばすようなイメージで行う。1回3~5分程度。できれば朝晩に行う

ポイント

①足がどれくらい開くか、その姿勢でどれくらい前屈できるか、確認しながら行う
②無理をせず、気持ちよさを感じる程度にゆっくり行う

背中の筋肉をほぐし自律神経を整える

導引が終わったら行っていただきたいのが、手振り体操です。

手振り体操は、太極拳の基本動作である「スワイショウ」を元に考案した体操です。スワイショウは、中国で古くから伝わる腕を振る運動で、さまざまな病気・不調を治すといわれています。

背骨や腰を動かすことで、背中の筋肉をほぐし、背骨から各器官につながっている自律神経(※)を刺激し、バランスを整えます。

※無意識のうちに体の機能を調節している神経で、興奮状態を示す交感神経とリラックス状態を現す副交感神経から成る

また、筋肉がほぐれると、血流が促され、体内の不要物が排出されやすくなり、病気や不調が軽減できると考えられているのです。

「手振り体操」のやり方

※めまいがひどい人やメニエール病の人は行わないでください

①両脚を肩幅に並行に開いて立ち、上半身をリラックスさせる
②両腕をだらりと下ろし、上半身をリラックスさせた状態で、腰を左右にゆっくり振る
③腕の力で振るのではなく、腰を左右に回転させることで、結果として両腕がブラブラと振れるイメージで行う。❶~❸を5分程度ゆっくりと行う

そのおかげでしょうか。「五十肩が改善した」「緑内障の危機から脱した」「おなかの調子がよくなった」「ひざ痛がなくなった」「1000㎎/㎗あった中性脂肪が1カ月で90まで下がった」といった反響が続々。

さらに「若いと言われた」など容貌の面でも、うれしい声を聞いています。

とても簡単ですが、体操を続ければ筋肉のサビが取れ、体は柔軟になり、心身の健康状態は大いに改善されるはず……そしてこれこそ、私が老いない秘訣でもあるのです。

横隔膜のサビにも注意!

紹介した導引と手振り体操に加え、取り入れていただきたい動きがあります。
「寝たまま呼吸」です。

体のサビを取って心身を健康に保つために、呼吸は非常に大事です。

寝たまま呼吸は、下のやり方の通り、硬く丸めたバスタオルを腰の位置にはさみ込み、横になって呼吸をするだけ。

たったこれだけですが、呼吸をするときに欠かせない「横隔膜」に効率的にアプローチできるのです。

横隔膜は、息を吸い込むと体の上(肺寄り)に持ち上がります。その力によって胸部が広がって肺にたくさんの酸素を集めることができます。

逆に、息を吐くときには、横隔膜が下がって、胸部が縮んでいくことで、息が吐き出されます。

筋肉のサビが老いを早めるとお話ししましたが、このサビの問題は横隔膜にも当てはまります。

筋肉がサビている人は横隔膜もサビて硬くなってしまっているため、しっかりした呼吸ができなくなっているのです。

横隔膜がサビついていると、腸のぜん動運動機能も低下し、細胞に栄養が運ばれるのが妨げられてしまいます。

しっかりと深い呼吸をすることが消化力を高め、細胞を活性化させるのです。

腰をしっかり反らすこの呼吸法が、横隔膜の上下運動を活発にさせ、サビ取りに不可欠な酸素補給をスムーズにしてくれます。

体を活性化する!
「寝たまま呼吸」のやり方

仰向けに寝た状態で、硬く丸めたバスタオルを腰の位置に挟み込む。この状態で全身の力を抜き、心身をリラックスさせる。鼻から7秒かけてゆっくり息を吸い込み、3秒息を止め、鼻から7秒かけてゆっくり息を吐き出す。導引・手振り体操の前に5分ほど行う

※人工的に腰を反らすことで、横隔膜の上下運動が盛んになるのがポイント
※そのまま眠ってしまってもかまわない

この記事は『ゆほびか』2022年11月号に掲載されています。