
●本記事は『ゆほびかGOLD』vol.45の記事を再編集したものです。
師から弟子へ受け継がれるインドヨガの秘技を公開
ムドラとは、サンスクリット語で「身ぶり」や「手のしぐさ」を意味し、ヨガのポーズに取り入れられています。これは本来、師匠から弟子に直接伝えられていくもので、日本では詳しくは知られてはいません。
ムドラは、手の指を組んだり足の指を手で持ったりして、拘束したり固定したりするものです。体を安定させ、より大きくしならせて、ストレッチ効果を高める働きがあります。
また、手足をつないだり組んだりすることで、体の末端から脊髄、脳へと走る神経の電気回路が形成されます。神経の電気信号がスムーズに伝わるので、体の機能がよりよく働くようになるのです。
多忙な現代人が短時間で効率よくヨガの恩恵を得るために、ムドラは欠かせません。私自身も信号待ちのときや、仕事の合間などにムドラを使ったヨガのポーズやストレッチを行っています。
60代の私自身、ムドラのおかげで、20代の人とも走れるほどです。また、一仕事終えた後に創作活動に打ち込めるほど、健康で無理が利く体になりました。
本記事では、仕事や副業に役立つ直感力や発想力を高め、エネルギッシュになれるムドラとストレッチをご紹介したいと思います。
手を組むだけで即効性が得られるスーリア・ムドラ
人間の体において、脊髄は重要な器官です。脳神経の束で、生命エネルギーの通り道でもあります。
この脊髄をストレッチし、生命エネルギーの流れや神経の伝達をよくしてからでないと、ムドラを組んでも通常はじゅうぶんな効果が得られません。
しかし、簡単に手を組むだけで即効性が得られるムドラが存在します。それが「スーリア・ムドラ」です。
スーリアとは、太陽の意味です。スーリア・ムドラは、薬指で親指の根もとに触り、親指を薬指の第二関節に乗せた「手のカタチ」(下図)です。心身を活発に働かせる交感神経を優位にし、ぼんやりしていた頭をシャキッと覚醒させます。

仕事や勉強に集中したいときや、朝の目覚めが悪いとき、車の運転中に眠くなったときにもお勧めです。
疲労感や倦怠感、眠気が解消し、心身が軽くなっているはずです。
私は階段を降りるときや、冬場に凍結した道を歩くときに、荷物を持っていないほうの手でスーリア・ムドラを組んでいます。
そうすると、足先まで神経が行き届くので、つまずいたり転倒したりしづらくなります。特に駅の階段は転倒すると危険ですから、ぜひ活用してみてください。
(次回に続きます)