痛みが消え心が晴れる!交通事故の後遺症も脳梗塞のマヒも消えた
私が「龍村式指ヨガ」の指導と普及活動を始めて、もう20年以上になります。きっかけは、ヨガの第一人者で、指ヨガの考案者である龍村先生との出会いでした。
指ヨガを初めて体験したとき、体から不要な力が抜けていくのを感じました。さらに数日間続けると、交通事故の後遺症である、首の圧迫感がスーッと消えたのです。
その体感に感動して、「これはすごくいいものだ!」と確信した私は、早速、両親に指ヨガを試みました。当時、母は脳梗塞の後遺症で左半身がマヒしており、父も肺が弱っていて、二人ともほぼ寝たきりの状態でした。そんな両親の手を取り、毎日、呼吸に合わせて指ヨガで手をもんだのです。
すると、いつもグッと硬く握られていた母の手が開いてきたのです。父も、呼吸が楽になってきたようでした。
さらに続けていると、驚いたことに、なんと母の認知症も改善してきたのです。離れて住んでいるために思い出せなかった姉の名前を呼んだり、姉の家の電話番号を正確に言ったりするほど、頭がハッキリしてきました。
私自身も、セルフケアとして毎日指ヨガを続けていたおかげで、精神的にずいぶんと救われました。毎日の介護による、気持ちや体力の落ち込みが軽減されてきて、明るい気持ちで介護できるようになったのです。
指をそらすと気持ちが晴れる!
指ヨガでは、手は全身と相関していると考えます(下図参照)。
指をもんだり、伸ばしたり、引っ張ったり、いろいろな動作を行うことで、全身でヨガを行っているのと同様の効果が得られるのです。
指ヨガにおいて、特に重要な動作の一つに「指そらし」があります。指そらしを行うと、体をそらして顔が上を向き、両手を広げてバンザイしているのと同じことになります(指そらしのやり方は後編で解説します)。
指そらしを行うと、まず実感できるのは、気持ちが晴れる、スカッとする、緊張がほぐれるという効果です。誰でも、空を見上げてバンザイすれば、気持ちが晴れ晴れとして、落ち込みにくくなるものです。胸を張って空を見上げながらうつになる人はいないわけです。
こうした経験がいくつも続いたことから、本格的に指ヨガを勉強しようと、龍村先生に師事し、普及活動のお手伝いもさせていただくようになりました。
指ヨガは、「手は人体の縮小版」という東洋医学の考え方をベースとし、さらにヨガのメソッドの呼吸を意識しながら手をもむことで、脳や体、心に働きかけます。
全身で行うヨガは、呼吸と動きを合わせることで、心身のアンバランスを修正し、「気」の循環を整えて、その人が本来持っている自然治癒力を引き出します。気がスムーズに流れることで、その機能が維持され、健康が保たれると考えます。
ヨガから生まれた指ヨガも、こうしたヨガの考え方に基づくもので、手指を通して気の巡りをスムーズにし、全体的なバランスを整えていくことを目指します。ヨガと同様に指ヨガでも、呼吸と組み合わせることで、本格的なヨガと同等の効果が期待できるのです。