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【愛新覚羅ゆうはん】対馬の「龍宮神坐」その⑥~魂が目覚める、古代の太陽信仰とつながる

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島の人が守り続ける古代祭祀が残る島

❸久高島(沖縄県)

久高島への訪問は、私にとって大きなエポックでした。私のご神事を学びながらの魂磨きは久高島訪問から本格化しています。

久高島は、御嶽や拝所と呼ばれる、島の人たちが大切に守り続けている古代祭祀が残る島です。

島なので海に囲まれていますが、海水浴が許されているビーチは1カ所だけ。ほかの海はすべて信仰対象だと、島の観光サイトにもはっきりと謳われています。

久高島

それもそのはず、この島はまさに龍宮神の坐す島といわれ、祭祀はニライカナイとつながっているのです。

ニライカナイには諸説があり、久高島自体がそうだとも、海の底に沈んだともいわれ、どこにあるかはわかっていません。

しかし、修行としてニライカナイについて考察していったとき、私の脳裏に「海の底に沈んだ太陽」というイメージがパッと浮かびました。

それを神人さんに伝えると、はじめて久高島の方言で昔から伝えられている神送り神迎えの歌を歌ってくれたのですが、そこでまた、海の底の太陽からはしごによって空の太陽とつながったビジョンがはっきりと見えました。

これは、太陽が昇ったり沈んだりの明暗や、生と死の循環に対する古代からの人々のとらえ方ではないかと感じました。

ニライカナイには、キンマモン(最高の精霊)という女神が住んでいるといわれます。

そして『琉球神道記』には“天より降ってきたのをキライカナイノキンマンモン、海より上がってきたのをオホツカケラク(オボツカグラ)ノキンマンモンと呼ぶ”とあり、ここでも陰と陽、天空と海底の2つの異世界が記されています。

そして最高神官のノロである聞得大君が、巫女のようにキンマモンへの祭祀を執り行うという女性が司る世界が広がるのです。もしかすると、日本語の天・海と、沖縄の方言や満洲語でいうアンマー(母)の類似性も、こうした太陽信仰の世界が背景にあるのかもしれません。

豊玉姫と玉依姫による海と太陽の信仰

❹対馬

その後私は、伊勢神宮や賀茂神社の系列神社、八咫烏伝説の地などを巡りましたが、次に啓示を受けて向かったのが対馬でした。

対馬の太陽信仰は文献こそ少ないのですが、太陽とのつながりが深い地であることは明確です。記紀神話でも「対馬が太陽、壱岐が月」とされ、日本神話の成り立ちから外すことはできません。

そして、対馬は本州の天照大神以上に、豊玉姫と玉依姫の二女神を中心とした信仰です。また、対馬にある太陽信仰の神社といえば「阿麻氐留神社」なのですが、ここには「照日権現」という天道信仰の宮も残っています。つまり、私が宝満神社奥の院で「ここは龍宮、ニライカナイだ」と直観した流れをまた強く感じるのです。

さらに、文献で見つけた赤米伝説も興味深いものがあります。代表的な古代米で、日本には雲南省から来たとされる赤米の古代祭祀が、対馬の神事と結びついているのです。

雲南省といえば、幻の秘境といわれるシャングリラの名前がついた地域があります。中国南部の陸海路から米が渡ったことと太陽信仰のつながりにもロマンを感じます。

(次回⑦に続きます)

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