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【愛新覚羅ゆうはん】対馬の「龍宮神坐」その⑦~魂が目覚める、古代の太陽信仰とつながる

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研究を重ねるほどに見えてくる神道のルーツ

20代前半からの研究を通じて私が感じていることを、ここで少しだけご紹介したいと思います。

私は、ニギハヤヒ(※)と天照大神が太陽神の陽と陰で一対だと感じています。そしてこれは、沖縄のニライカナイにいるとされるキンマモンの天と海(表と裏)の太陽神と同調していることを感じます。

※ 饒速日命(別名多数)。神武東征の際、天照大神から十種の神宝を授かり河内国に天降ったとされている

太陽を射たり戸隠れしたりする習いをみれば、太陽の交代や祭祀によって、どのように古代の人たちのなかに太陽神が存在していたかが見て取れます。

すべては「豊穣」につながっているのです。久高島では海の底の太陽に向かって祭祀が行われますが、これも「太陽が昇ってくれないと困る」という古代の人々の切実な想いがうかがえます。

すべては豊穣につながる

日本の神道は、五穀豊穣+子孫繁栄=国家安泰で、それに対する「祈り」が根源になっていると私は思っています。そこに欠かせないのが太陽と雨、つまり火と水です。左手と右手を合わせて拝むように、この火と水の交わりがすべての生命の根源といっても過言ではありません。

それを体現しているのが「拍手」や「祈る」という作法です。また、そこから地域環境や民俗風習によって、いろいろな動物や、神獣といわれるものとの習合が見て取れます。

そう考えると、神仏習合のすばらしさをもっと探求したくなり、可能性の広がりに心ときめく思いです。

火と水の交わりを体現する「祈り」の作法

いつか、世界から東アジアに至るまでの私なりの太陽信仰をベースにした論考を一冊の本にまとめることを目標に、引き続き調査研究を重ねていくつもりです。

現地に向かい感じ取ることこそ最大のギフト

今回お話しした内容は、文献に載っていることもあれば、私の推測も含まれています。しかし、何よりも自分が現地に行って感じ取ったことが最大のギフト。今はなかなか聖地などにも出かけにくい状況ですが、特にパワーのある場所ほど、現地に赴いて感じることがいちばんです。

ぜひ、今回の記事の写真から、あなたの魂につながる何かを感じ取ってください。そして、対馬に限らず、あなたの惹かれる場所へ、御魂磨きに行ってみてください。

一つアドバイスがあるとすれば、地元に根付いた無人の古い神社も日本にはたくさんありますし、全く観光化されていない場所もあります。原始的な場所であるほど、敬意を払ってお参りされるといいでしょう。

まずは訪れた場所で、あなたの感性を全開にして一期一会のものを感じ取ってください。そこからあなたの人生の中に生まれる輝きが、きっとあるはずです。

●対馬の民俗についてもっと詳しく知りたいかたは『赤米伝承 対馬豆酘村の民俗』(城田吉六著/葦書房刊)をお勧めいたします。

(おわり)

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