すっきりと片づいていることが第一条件
片づけを行って脳を活性化させる環境を作ると、そこに住む人たちは頭もよくなっていきます。
脳は環境から多大な影響を受けています。「頭がよくなる」という点を考えるなら、前頭葉を活性化させることが必要です。
前頭葉とは、論理性や創造性、理性、やる気、達成感、さらには他者の心を推察し理解する力を担っている部位です。
動物から人間に進化した結果、大幅に機能を高めた部位ですから、人間らしさを象徴する部位でもあります。
前頭葉を活性化させる方法を下に挙げましたが、いずれも、快適な状態で集中力を高められる環境です。
部屋でいえば、散らかった状態は論外。すっきりと片づけられていることが必須になります。
勉強するスペースにはある程度のゆとりが必要
そのうえで、勉強するスペースには、ある程度のゆとりがあることが理想的です。東大生の多くは6畳以上の部屋で勉強していたというデータがあるように、スペース・ゆとりがないとイライラしてしまい、勉強が手につかないものなのです。
小学生までの子どもなら、広さが確保できるリビングにデスクスペースを作り、家族のぬくもりを感じながら勉強するのがいいでしょう。
ほかの家族が邪魔をしないという協力は必要ですが、家族間のコミュニケーションの機会が増えるというメリットもあります。
親も、調べ物や仕事では、リビングに置いたパソコンに向かうことをお勧めします。
自我に目覚める中学生ぐらいになったら子ども部屋を用意しますが、やはりゆとりを持たせるため、できれば6畳程度の部屋を割り当てましょう。
それよりも狭い部屋しかない場合は、室内のものを3割程度減らすことで、学習環境が高まっていきます。
デスクまわりだけでなく、子ども部屋全体にものを多くしないのがポイントです。
前に勉強したときの「残像」を残しておく
ただし、勉強机の上に何も置かないように強制するのはよくありません。参考書や教科書など、前に勉強したときの「残像」を残しておくほうが、その状況を目にしたときに脳の実行スイッチが入るからです。
子供部屋の壁については、真っ白で何もないほうが一見きれいですが、それが子供の体温を下げ、キレやすくするというデータがあります。
むしろ、「○○学校合格!」など、願望や目標を書いた紙を壁に貼っておくのがいいでしょう。それが、脳への動機づけと刷り込み現象をもたらすからです。
志望校に合格したら部活をがんばりたいと考えている子どもなら、ボールやウエアなど、その部活で用いるグッズを置くのもお勧めです。