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【足裏のツボ】老廃物をもみ出す!体調のサインが出る最重要ツボ 「湧泉」のもみ方

生命力を取り込み同時に老廃物を捨てる窓

足裏にあるツボの中でも、特に重要なのが「湧泉」です。

湧泉は、腎経という経絡上にあり、エネルギーを取り入れるツボにあたります。東洋医学でいう「腎」は、生命力を指し、成長・発育・生殖といった生命活動をつかさどります。同時に西洋医学でいう腎臓と同じく、水分代謝や老廃物を排泄する働きも担っています。

つまり、湧泉は、大地から湧いた生命エネルギーを取り込む窓であり、いらない老廃物を捨てるツボでもあるのです。

湧泉は、体調によりさまざまなサインが出やすい場所でもあります。

例えば、老廃物がたまって排泄不足のときは、湧泉が指で押せないほど硬くなり、肌の色は赤または紫っぽい色をしています。活力がなく疲れている人は、湧泉を押すとブヨブヨで、色は血色がなく白くなっています。押したときの感触や皮膚の状態から、現在の自分の健康状態を教えてくれるツボなのです。

そのため、日頃から湧泉をもみほぐし、いつもベストな状態(適度な弾力があり、血色がよく、皮むけやシワがない)に保っておくことが、健康維持・増進にとても大事になってきます。

湧泉を指で押したときの感覚や、皮膚の外見から、さまざまな体の不調を読み取ることができる。健康な人は、湧泉を押すと適度な弾力があり、指を離してから10秒以内でへこみが元に戻り始める

気持ちのいい場所だと無意識のうちに知っている

何も説明せずに「足をもんでみてください」と言うと、ほとんどの人が、湧泉か、足裏の中心にある「足心」のツボに手がいきます。

これらのツボは、本能的にもみたくなる場所であり、疲れがたまりやすく、もむと気持ちのいい場所であることを、多くの人が無意識のうちに知っているのです。

解剖学的に見ても、湧泉や足心がある場所は、足指とかかとをつなぐ太い筋肉や腱が何層も走っており、大きな負荷がかかるところです(皮膚のすぐ内側の足底腱膜)。ここをしっかりもみほぐしておくことは、足の疲れをとり、浮き指など足指がきちんと使えていない状態を改善するためにもたいせつです。

足裏の中心線上には、湧泉、足心、失眠のツボが並んでいます。

湧泉は「元気のツボ」で、活力アップに加え、ホルモンバランスを整える効果があります。

足心は「血流のツボ」で、低血圧で朝起きるのがつらい人や、疲れやすい人に効果的。

かかとの中心にある失眠は「温めのツボ」。安眠を促すほか、骨盤腔内の血流やリンパの流れをよくして、頻尿や脚のむくみを改善する効果もあります。

そこで今回は、足裏の湧泉、足心、失眠のツボに加え、老廃物を流す腎臓〜膀胱ラインの反射区をもみほぐす方法をご紹介します。

ただし、ツボや反射区の刺激は、力まかせにグイグイ押せばいいというものではありません。ツボ押しの効果が出ないばかりか、筋肉や腱を傷つけ、傷が治る過程で癒着を起こしてしまいます。

そこで、足もみを行う前の準備運動として行っていただきたいのが、「足指90度そらし」です。足裏の筋肉や腱がストレッチされて柔らかくほぐれるので、ツボ押しの効果が一段とアップします。

ウォーミングアップ
足指90度そらし

湧泉を親指で押さえたまま、反対の手で足の指をつかみ、足指の根元から上(甲側)と下(足裏側)に向けてグーッと反らす。親指から小指まで順に行う。足指からつながっている腱をじっくり伸ばすことで足裏の筋肉や腱の緊張がほぐれて、ツボもみの効果も高まる

足裏ツボ刺激とマッサージのポイント

基本の押し方
4秒×4動作×4か所

①息を大きく吸った後、両手の親指の爪を重ねて親指の腹を湧泉に当てる。最初の4秒で息を吐きながら、指に体重を乗せて体全体でグーッとツボを押し込んでいく

②次の4秒間は、息を吐きながら同じ圧でツボを押し続ける

③息を吸いながら、指はツボに押し当てたまま、4秒間かけてゆっくりと体を起こす

④最後の4秒間で、息を吸いながら指を離していく

じっくり圧をかけると1回で全身に気が巡る

ツボ刺激は、短いスパンでグイグイと押すよりも、呼吸とからめて、じっくりと圧をかけていくほうが、はるかに効果的です。

呼吸は8秒かけて吐き、8秒かけて吸います。息を吐く前半の4秒で、指に体全体の体重をかけながら、ツボを押し込んでいきます。指先の力だけでツボを押すのではなく、体全体でツボを押すことがポイントです。

このとき、湧泉から空気が出てへこんでいくイメージで、息を吐きながらツボを押していきましょう。息を吐く後半の4秒は、ツボを押したままキープします。

この維持圧が、ツボ刺激では大事です。次に、息を吸いながら、最初の4秒で体だけを起こし、次の4秒で指を離します。この「4秒×4動作」でツボや反射区を押すと、全身に気が巡るので、1回だけでも効果的な刺激になります。

これを湧泉、足心、失眠、腎臓の反射区の4か所に対して行う

クリームをつけて
左回り右回りマッサージ

①手の親指にクリームをつけ、湧泉に押し当て、クルクルと左回り(反時計回り)に円を描くようにして、土踏まず全体をマッサージする

②次に、湧泉を中心に右回り(時計回り)に円を描くようにして、土踏まず全体をマッサージする

反時計回りのマッサージには体を緩める効果があり、時計回りのマッサージには体を引き締め、活力を高める効果がある。そのため、反時計回り(はじめに緩める)・時計回り(あとで引き締める)の両方のマッサージを左右の足に行うとよい

老廃物を一掃
腎臓-膀胱ながし

①腎臓の反射区は、湧泉の斜め下(親指側)にある。まず、手の親指の腹で腎臓の反射区を押す。ツボを押すときと同じように、息を吐きながらじんわりと押すとよい

②続けて押したいのは、腎臓の反射区から土踏まずの下側に向かって走る尿管の反射区。左の足裏なら「ノ」の字、右の足裏なら「し」の字を描くように、手の親指の腹で押していく。最後に、尿管の反射区の終点にある膀胱の反射区を押す

最後に
湧泉を4秒×4動作

最後に、「基本の押し方」に従って湧泉のツボを押す。息を吐く最初の4秒で湧泉のツボを体重をかけながら親指でグーッと押し、次の4秒は息を吐きながら湧泉を押した状態をキープ。続く4秒で息を吸いながら体を起こし、最後の4秒は息を吸いながら指を離す

気持ちいいマッサージで疲れやむくみを解消

入浴後など、足のお手入れのついでに行うお勧めの方法が、足裏のマッサージです。

まず、クリームや馬油を指に取り、湧泉を中心に円を描くように土踏まず全体をマッサージします。

リフレクソロジー(反射療法)では、土踏まずのエリアは腹部に対応する反射区で、湧泉の斜め下には腎臓の反射区もあります。土踏まず全体をマッサージすることで、便秘やガス腹、冷え症の改善や、排泄・解毒機能の改善に効果があります。

マッサージの方向によって体に与える影響が違うので、必ず左回り・右回りの両方を行ってください。

次に、腎臓から尿管、膀胱の反射区をマッサージして、老廃物の排泄を促します。

最後に、もう一度湧泉を押します。

これら足裏のツボ刺激とマッサージはとても気持ちがよく、夏の疲れやむくみの解消にも効果的なので、ぜひ毎日の習慣にしてください。

この記事は『ゆほびか』9月号に掲載されています。