毒の正体は、体内の未消化物である
「体内に”毒”がたまる」「デトックス(毒出し)すると健康になる」などとよく言われますが、そもそも「毒」とは何なのでしょうか。
「毒とは、簡単に言うと、『体内に残った未消化物』のことを指します。食べた物が消化されず、排泄もされず、体内に残っている状態のものです」
こう解説するのは、医師でありながら、インドの伝承医学「アーユルヴェーダ」の公認の教師でもあるハタイクリニック院長の西脇俊二先生。
「アーユルヴェーダでは、この体内の未消化物のことを『アーマ』(毒素)と呼びます。健康な体は、食べ物を体に取り入れて消化・分解し、小腸で栄養素を吸収します。そして吸収された栄養素は、代謝によってエネルギーや体に必要な物質になります。
しかしアーマが蓄積すると、消化・吸収・代謝の循環が、円滑に行えなくなります。すると、まずアーマのたまった場所に不調が出始め、その不調は徐々に全身に広がっていきます。
その拡散したものが体のあちこちにとどまり、さらに悪化すると、ハッキリと病気があると認識できる段階に。さらに進行すると、発熱・腫瘍・浮腫などを伴い、病気の症状がより明白に現れます。適切な対処が取られなければ、やがて病気は慢性化してしまいます。治療困難な状況になるということです。
よって不調や病気はなるべく早く、毒素がたまり始めたばかりの『未病』の段階で解消する方がいいのです」(西脇)
新米、小麦粉、乳加工品、豆腐はNG。ではOK食材は?
西脇先生いわく、体内に毒がたまるのを防ぐには「消化の悪い食べ物を避け、消化によい食べ物を選ぶ」のが大事だそうです。
「アーユルヴェーダでいう消化の悪い食べ物とは、例えば、新米、白砂糖や小麦粉などの精製食品、牛・豚肉、乳加工品、豆腐、長時間煮込んだもの。消化によい食べ物は、古米、鶏肉、少量の油でサッと炒めた野菜炒めです。また、生ショウガ、岩塩、レモン汁、白湯は、消化力を高めるので特にお勧めです」(西脇)
『ゆほびか』2021年5月号の「毒出し健康術」大特集では、このほかにも、あなたの体内にたまった毒を簡単かつスッキリと追い出す「7大毒出し術」を伝授しています。ぜひ習慣にしてみてはいかがでしょうか。