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【本田健】お金の不安を減らす!5つの対処法ーその1

 2008年の世界的な経済危機、2011年の東日本大震災など、私たちは数々の大きな危機をくぐり抜けてきました。

 そしてここに来て、新型ウイルスの世界的流行に見舞われ、経済的な打撃も非常に大きくなるとみられています。

 私たちはこの先行き不透明な時代、お金の面ではどのように過ごしたらいいのでしょうか。

 ここでは、どんな時代でもお金の不安に陥らないための、5つの対処法をお話しします。

対処①自分の仕事や生活を〝不況仕様〟に準備する

 対処その1は、仕事や生活を〝不況仕様〟にして、準備しておく ことです。例えば、あなたは今の生活費を1/5にすることができるでしょうか。1割減ならまだしも、2割減さえ劇的な変化です。それを1/5、つまり8割減にするとなると、なにをどうしたらいいのか、想像してみてください。

 まず、贅沢な外食を減らす。日常の食事のコストをやりくりするか、1品減らす。服はリーズナブルなものにする。自動車通勤を止める。この際、たばこも止め、酒量も減らす。あっという間にメタボが解消しそうです。実家が近い人は、実家に戻るという選択もあります。

対処② 覚悟を決める

 対処その2は、「覚悟を決める」。私はいろいろな人の人生が書かれた本を読むのが好きなのですが、どんな世代であれ、一生に1度は戦争や経済の大激震に見舞われています。

 明治から昭和初期の世代は、世界規模の戦争を体験しています。その世代は敗戦により、今まで信じていた世界や概念は一変してしまいました。団塊の世代は、ベトナム戦争や安保闘争といった、動乱の時代を経験しました。今の世代も阪神大震災や東日本大震災などを体験しています。

 個人の人生に目を向けても、仕事を失う、離婚する、事故、火事、病気、家族を失うなど、変化はいろいろあります。

 そこでまずは、「人生、大激震が1回くらいはくるものだ。人生とはそういうものなのだ」。そう覚悟を決めることがとても大事です。

 世の中の、資産家には、「お金がなくなったら死んでしまう」と思っている人がたくさんいます。しかし、それは誤解です。お金がなくなっても、死んでしまうわけではありません。人間はそこからまた、スタートできます。
 問題になるのは、実際にお金がなくなったとき絶望したり、お金がなくなるのではないかという恐怖に襲われたりして、病気になったり自殺したりしてしまうことです。
「お金がなくなること」と「死んでしまうこと」を混同してはいけません。この2つには、大きな違いがあることを理解しておく必要があります。

対処③ 不安の正体を見極める

 対処その3は、「不安の正体を見極める」ことです。逆効果のように感じられるかもしれませんが、不安の正体がわからず、なにがどうなるかわからないから、不安であり、怖いのです。

 思い切って、なにに不安を感じているのか、なにが怖いのか、その感情としっかり向き合うことができれば不安は解消されるでしょう。

 自分の中に不安を感じたときには、その不安を具体的にノートに書き出してみましょう。そして、そこにどんな怖れがあり、怖れの根底になにがあるか明確にしてみましょう。

 例として、「仕事を失うのが怖い」というAさんとBさんのノートを見てみましょう。

 Aさんのノートは―「仕事を失った。お金を失うのが怖い。家族を養えなくなる。家族を路頭に迷わせる。家族に嫌われるのではないか。愛情を失うのではないか。孤独に死ぬ。」

 Bさんのノートは―「仕事を失った。お金を失う。好きなことができなくなる。仲間を失う。地位も失う。人からばかにされる。自分の言うことを誰も信じてくれない。相手にしてもらえない。もうお金を作れない。」

 このように、人によって、仕事を失う不安と怖れの根底にあるものが異なるわけです。次は、それが現実に起きた様子をリアルに想像してみましょう。

「仕事がなくなり、次の仕事も見つからず、お金もなくなった。それでも、死んではいないな。当然だ、お金がなくなったからといって、死ぬわけではない。あれあれ、けっこう、家族仲良くやっているじゃないか。反抗的だった長男も、引きこもりがちだった次男も、ずいぶんしっかりしてきた。私もなかなかシブといし、奥さんは笑顔で働いている。こんな想像ができて、安心したよ」

 こんなふうに想像してみれば、怖れていたことがどれだけ現実的なことなのか、現実として起こりうることなのか、分かると思います。おそらく、不安に感じていたことが現実となる確率は、ごくわずかだと分かり、安心できると思います。

 家族に向かって、「お父さん(私)が職を失ったら、みんなはお父さんのことを嫌いになる? お金がなくなったら、なにをする?」などと話し合ってみてもよいと思います。

 不安は、未来予知のできる人間だからこそ感じるものです。ネガティブなイメージをリアルに感じて、不安を感じているのです。
 生きていくうえで、「危険予知能力」としてのネガティブな未来予知能力は必要ですが、それは必要最低限にとどめておくべきです。過度になると、人を精神的に蝕み、人生に制限をかけます。

 メキシコやイタリアなど、ラテン系の人は、未来に対してあまり不安がないのだそうです。結局のところ、まったく違うパラダイム(枠組み、範例)を持てば、どんな状況でも、生きることができるというわけです。

次回は、対処法④と⑤を見ていきます

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