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【本田健】どんな時代が来ても困らない 「才覚の磨き方」と「本当の仲間の作り方」

自分は世の中に何を与えられるのか

 才能・才覚とは、「世の中に自分の何を提供できるか」ということでもあります。「いかなる人であっても、自分が受けるサービスの総点よりも、サービスする総点のほうがプラスにならなければならない」これは、松下幸之助氏の言葉です。まず自分が与えることで、豊かさの流れを作るわけです。

では、ここで「才能の掛け算」をしてみましょう。

次のような式があります。

A「やってあげたいこと」×B「キャラクター」×C「どう表現したいか」=あなたのライフワーク

A、B、Cそれぞれについて、下記の問いに答えてみてください。

A 「やってあげたいこと」

問い:50人のたいせつな友人が集まった会場で、あなたが皆を喜ばせるとしたら何をしますか?

 皆の笑顔や驚く顔を思い浮かべてみてください。やると思うとワクワクすること、やりたいけど怖いことはなんでしょうか?

「スピーチする」「歌う」「ダンスする」「芝居をする」「似顔絵を描く」「写真を撮る」「体操を教える」「マッサージする」「掃除をする」「音響を整える」「花を飾る」「人生相談」「占いをする」……。いくつでもかまいません。

B 「キャラクター」

問い:あなたの小さいころからの「キャラクター」は? あてはまるものを全部チェックします。そのキャラクターを組み合わせると、どんなキャラクターになりますか?

アーティスト

□ 自分らしさを表現 □ 常識を超える表現 □ 自由・直感

管理者

□ バランスを取る □ 物事をとりまとめる □ 整理・安定

リーダー

□ 人のお手本になる  □ 人をまとめる □ 目標・決断

クリエイター

□ 物を作る □ 新しい考え方 □ 創造・先進

ヒーロー

□ 希望を与える □ 平和を願う □ 勇気・感動

哲学者
□ 知恵を探究 □ 理解する □ 思索・発見

チャレンジャー

□ 新分野を開拓 □ 実践を重視 □ 拡大・拡張

ヒーラー

□ 心身を癒す □ 人を励まし元気にする □ 安心・誠実

エンターテイナー

□ 楽しませる □ 感情を癒す □ 自由・娯楽

ティーチャー

□ 人を導く □ 才能を引き出す □ 知恵・知識

サポーター

□ 人を手伝う □ 相談に乗る □ 応援・献身

コミュニケーター

□ 人と人をつなぐ □ 情報を伝える □ 行動・交換

C 「どう表現したいか」

問い:あなたは、自分が大好きなことを、どう表現したいですか? 自分にしっくりくるものを全部チェックします。

□ 好きなことを「する」(例えば、パンを焼く)

□ 好きなことを「書く」(例・パンについて書く)

□ 好きなことを「話す」(例・パンについて講演)

□ 好きなことを「グッズにする」(例・パンのグッズ)

□ 好きなものを「売る」(例・パンのショップ)

□ 好きなことを「広める」(例・パンの広報活動)

□ 好きなことを「教える」(例・パンの作り方教室)

□ 好きなことを「組み合わせる」(例・パン屋さんと健康食品店を合体)

□ 好きなことを「プロデュースする」(例・ユニークなパン屋さんのチェーン)

□ 好きなことを「する人を手伝う」(例・パン屋さんをやりたい人を支援)

 最後に、以上の「やってあげたいこと」、「キャラクター」、「表現したいこと」の3つを掛け算してください。その答えの中にあなたのワン&オンリーの才能を見つけることができます。

 それを普段の活動で、出し惜しみせずに発揮することで、才覚が磨かれます。その過程で、驚くほど活力と楽しさがわくと思います。場合によっては大きな成果や幸運に恵まれるでしょう。なぜなら、人は、輝いている人を応援したくなるものだからです。

ここぞというときに助けてくれる仲間を作る

才覚の中で、これから重要性を増すのが、「仲間作りの才覚」です。

例えばFacebookで「いいね!」してくれる人たちは、仲間とは言えません。いざというときに助けてくれるのが仲間です。本当の仲間は、ここぞ!という時に助けてくれたり、お客さんを連れてきてくれたり、一緒に何かやってくれたりする存在です。

では、そういう仲間を作るにはどうすればいいでしょうか。ここでも松下氏の例を紹介しましょう。

あるとき、部下が松下氏の肩をもんであげたら、「君は肩をもむのがうまいなぁ。これまででいちばんや。きっと両親の肩ももんであげたやろ」と褒められたそうです。その人は密かにそれを自慢に思っていましたが、実は、同僚も松下氏から同じように褒めてもらっていたことがわかりました。

普通ならそういうことを聞くとがっかりするものですが、それでもその人の喜びは減らなかったそうです。ここからわかるのは、人間関係というのは、テクニックではないと言うことです。

松下氏自身が、心から感謝し、感動し、素直に言葉にしていたからこそ、言われたほうも感激したのです。純粋な心の力、真心が伝わるとき、必ず心が響き合って、人は感動します。

褒めたり感謝したりするだけでなく、言いづらいことも、真心から伝えれば、相手も納得してくれるものです。また、相手から耳の痛いことを言われたとき、真心から言ってくれているかどうかは、だいたいわかるものです。その人は得難い仲間ともいえます。

●本記事は『ゆほびかGOLD』vol.34(2017年刊)からの抜粋です。