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【神常備菜】「フライパンキャベツ」キャベツ1玉丸ごとパパッと!

買ってきたキャベツは、冷蔵庫に入れる前にフライパンにGO!山盛りでフタも閉まらない状態から、10分もしないうちに万能のヘルシー常備菜「フライパンキャベツ」のできあがりです!

野菜をすぐに食べられる状態にしておくために

 私は料理研究家として、誰もが野菜を無理なく、おいしく食べられるようにするには、どういう料理がよいかを常に考えてきました。

 その結果、たどり着いたひとつの答えが「野菜をすぐに食べられる状態にしておく」ことです。キャベツを買ってきても、少しだけ料理に使って、残りは冷蔵庫に入れたまま、いつのまにかダメになってしまうことはないでしょうか。

「何か野菜が食べたい」と思って冷蔵庫を見て、野菜がそのまま残っていても、そこから切ったり、焼いたりするとなるとめんどうに思いがちです。そこでお勧めなのが、冷蔵庫に入れる前にキャベツを丸ごと1個、ささっと調理しておく方法です。

 今回ご紹介する「フライパンキャベツ」は、キャベツ1個を切って、フライパンにのせ、塩と水を振ってフタをし、蒸すだけで完成します。

 最初はフタが閉まらなくても、蒸すとかさがぐんと減るので心配はいりません。キャベツ1個は多いのでは? と思われるかもしれませんが、あっという間に食べられます。

 キャベツをゆでるとビタミンなどの栄養素が流出してしまいますが、蒸し焼きにすることで、流出を最低限に防いでいるのも特徴です。

おいしい副菜になり、主食との相性もいい

 フライパンキャベツは、そのまま食べてもおいしいのですが、お肉やお魚と合わせるなど、いろいろな料理にアレンジができ、冷蔵庫で3〜4日保存が可能です。

 すでに火が通っているので、め物などに使う場合も、短時間で仕上がります。

 今回は韓国風のナムル、り卵のサラダ、厚揚げのチャンプル、鮭のクリーム煮、レンジチキンのオイスターソースがけの5つのアレンジをご紹介します。卵、厚揚げ、鮭、鶏肉と併せるレシピでは、たんぱく質もしっかりとることができます。

 それだけでおいしい副菜になり、主菜との相性もいいフライパンキャベツは、万能の作り置きレシピと言えるでしょう。お弁当のおかずとして、何か1品足りないときも重宝します。

 これからの季節は、春キャベツを使って作るのもお勧めです。これまでとは異なる食感も楽しめます。ぜひ皆さんも常備菜としてフライパンキャベツを作って、冷蔵庫に入れておいてください。

フライパンキャベツの作り方

材料

キャベツ           1玉(1㎏)

塩          小さじ1/2………..A

水          大さじ3…………..A

作り方

❶キャベツは葉と太い葉脈に分け、葉は4㎝角に切り、葉脈は斜め薄切りにする。

❷フライパンにキャベツを入れ、Aをかけ、

フタを乗せて強め中火にかけ、

蒸気が出てきたら、

ときどき上下を返しながら、

7~8分蒸し煮にする。

フタを外して粗熱をとる

保存容器に入れてフタをして冷蔵庫に。3~4日で食べ切るようにする。

この「フライパンキャベツ」を使ったアレンジレシピは↓こちら!

【神常備菜】「フライパンキャベツ」豊富な栄養を丸ごといただくアレンジレシピ

【医師解説】「フライパンキャベツ」は優れた栄養成分をとりやすく塩分も控えめでお勧め

愛知学院大学・人間総合科学大学特任教授 農学博士
大澤俊彦(おおさわ としひこ)

1969 年、東京大学農学部農芸化学科卒業。74 年、同博士課程修了。農学博士。2010 年より愛知学院大学心身科学部教授。専門は、食品化学、応用生物化学、生物生産化学・生物有機化学。1990 年代、アメリカの「デザイナーフーズ計画」に参加。ターメリックをはじめとするスパイスや、ゴマの薬効にも詳しい。塩分対策にスパイスの活用を推奨している

キャベツが日本に伝わったのは江戸時代で、明治時代から本格的な栽培が始まりました。 キャベツは、昔から健康効果が高い食材として知られています。

アメリカのがん予防の食品を研究する「デザイナーフーズ計画」では、キャベツは、予防効果が期待できる食品として、最上位にランキングされているほどです。

キャベツに含まれる栄養成分を、具体的に見ていきましょう。 ビタミンUは、通称キャベジンとも言われる水溶性のビタミンです。胃腸の粘膜を保護し、傷ついた粘膜を修復する力があります。

ビタミンKは、血液の凝固作用、骨作りなどに必要で、脂溶性で熱に強いのが特長です。
ビタミンCは、抗酸化作用があり体内の活性酸素を除去します。風邪予防、疲労回復、肌荒れ改善に必要な栄養素です。

イソチオシアネートは、抗酸化作用がある辛み成分で、解毒酵素を誘導してくれます。キャベツと同じアブラナ科のわさびやブロッコリーにも含まれますが、いちばん安く手に入りやすいのがキャベツでしょう。

インドール化合物は、腸内細菌や脳の機能に作用し、がんの予防や免疫力の向上、認知症予防などが期待できる成分です。 食物繊維も豊富で、腸内環境を整える作用も期待できます。

同じ抗酸化作用でも、ビタミンCは2〜3時間で体内からなくなってしまうのに対し、イソチオシアネートは72時間、解毒作用が持続することがわかっています。

また、ビタミンCやイソチオシアネートは、加熱すると失われがちですが、加熱でキャベツの細胞壁が壊れることで、栄養成分が吸収しやすくなるという面もあります。

今回の「フライパンキャベツ」は、蒸すことで、生で食べるよりも量をとることができ、栄養成分も吸収しやすいと言えるでしょう。

加熱することでうまみや甘みがアップするため、いくらでも食べられるという魅力もあります。 高血圧対策には、1日の塩分摂取量を2〜3g以下に抑えることが推奨されます。


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