伊豆の“シャーマン”が実践する体操
伊豆に、独自の手法で目の前の人の体の痛みをその場で取っていくシャーマンのような治療家がいます。「天城流湯治法」を考案し、NPO法人「錬堂塾」で全国の医師や鍼灸師にその方法を伝授している、杉本錬堂(すぎもとれんどう)さんです。
そもそも体の痛みはなぜ起こるのか、その痛みはどうやってとるのか。杉本錬堂さんは次にように説明します。
「同じ姿勢を長時間取り続けたり、偏った体の使い方をしていると、血液やリンパ液などの流れが悪くなり、体内に滞りが生じます。すると、滞りのある部分の筋肉が硬くなって正常に働かず、筋肉と骨を結びつけている腱も硬くしなやかさを失い、やがて骨に癒着してしまいます。
このような状態になると、体が硬くなり、一部の腱だけに負担がかかるため、関節の動きも悪くなり、一部の骨格に過大な負担がかかり、痛みやこわばり、違和感が現れるのです。
そこで、しなやかさを失ってしまった腱を〈のばす〉、硬くなってしまった筋肉を〈ほぐす〉、骨と筋肉が癒着してしまったところを〈ゆるめる〉と、痛みは自然に消えます」(杉本)
この〈のばす〉〈ほぐす〉〈ゆるめる〉を効果的に行えるのが、杉本錬堂さんご本人が基本中の基本として毎日、朝晩実践している健康体操「よつんばいエクササイズ」です。
体をしっかり伸ばしてから眠らないと…
ネコは、目を覚ますと必ず、大きく伸びをしてから動き出します。よく観察してみると、ネコは起きたときだけでなく、寝る前にも必ず伸びをします。
それを見た杉本錬堂さんは「人間も動物だから、体をしっかり伸ばしてリセットしないと、体が曲がったまま寝て、体が曲がったまま起きて動き出すことになる」と思い、ネコの動きを参考に考案したのが「よつんばいエクササイズ」なのです。
朝、目が覚めたら、布団の上でよつんばいになり3分。夜、眠りにつくときも、布団の上でよつんばいになり3分。体をのばし、ほぐし、ゆるめます。
杉本錬堂さんが実演する動画はコチラ。寒くて寝床から出るのがおっくうなときは、布団をかぶったままでもできますよ。
現在発売中の『ゆほびか』2021年3月号では、この「よつんばいエクササイズ」の詳しいやり方を紹介しています。興味のあるかた、体の痛みや不調を解消したいかたをは、どうぞお手にとりお確かめくださいね。