幸せで豊かな人は、「自分が幸せになる質問」を、ふだんから、自分にも、人にも投げかけています。
誰にでも、迷ったり、ピンチに陥ったりすることはありますが、上手に質問すれば、一瞬で心と行動を整えることができるのです。
ここでは、自分の中にある最善の答えを引き出すための、楽しい質問法をご紹介します。
自分に適切な「質問」を投げかけられるかどうかで人生が大きく変わる
この地球では、人間だけでなく、動植物も、今を一緒に過ごしています。その多くが100年も経てば、命を次につないで、死んでいくことになります。
「この地球にいる間の貴重な時間をどう使うのか?」……それを最近、自分に問いかけています。
今までにまして、世界を意識するようになったのは、2015年にTLC(Tran sormational Ledearship Coun cil、変革リーダーシップ評議会)のメンバーに加入したからかもしれません。
TLCは、作家や講演家のグループで、世界トップレベルで活躍している150人がメンバーです。
リストを見ると、1000万部級の著者がごろごろいて、歌手や野球の世界で言うと、紅白やオールスターのメンバーのようなものでしょうか。
映画でいうと、アカデミー賞受賞者の会のようなもので、自己啓発、ビジネス書のスーパースターが勢揃いしています。
この会は敷居が高いことでも有名で、「何で私が通ったの?」という気もしますが、正式な会員としての招待を受け、先日、ハワイでの合宿にも参加しました。
作家、講演家の超プロたちが、年に2回世界のリゾート施設に集まって交流するのですが、世界をどうやってよくしていくのかを真剣に討議したり、家族ぐるみで遊んだりします。
TLCメンバーと会って強く感じたことは、「幸せで豊かな人は、自分にも人にも、幸せになる質問を投げかけている」ということです。「質問力」が高いのです。
特に、今の時代には、自分に適切な「質問」を投げかけられるかどうかで、人生が大きく変わります。
以降では、自分に対してどのような質問をすればいいのかについて、お話していきましょう。
ネガティブ情報と距離を置き自分を肯定的に評価できる質問をする
迷ったときには、自分にどのような質問を投げかけたらいいでしょうか。
人の心はネガティブに傾きがちです。なぜかというと、世界にネガティブな情報が多いからです。
ですから、自分の心が弱った時は、どんな情報を自分のデータベースから引っ張り出すかが大切です。自分を肯定的に評価できる質問をするといいでしょう。
「ピンチをチャンスに変える51の質問」(大和書房)に詳しく書きましたが、今うまくいっていない人は、つい「なんで自分はこうなっちゃったんだろう」と自分に問いかけてしまいます。
「なんで彼女に振られたんだ」とか「なんで旦那の稼ぎが悪いんだ」といったように、今の状況を問題だととらえて、ネガティブな答えを引っ張りだす傾向があるわけです。
商売でいえば、「なんで売れないんだ」と考えると、「才能がないから」とか「不況だから」とか思ってしまいがちです。
けれど、今、売れていないとしても、「ここからすごく売れていく状況があるとしたらそれはなぜ」とか「これから自分の商品が売れていく理由は」と自分に聞くと、それに見合う理由が出てくるものです。
有名な会社でも、一時的に苦境に陥ることはあります。
だめなときに、「なんでこんなに落ち込んだんだろう」と思うと、「商品がだめだから」「サービスがだめだから」と、だめな理由ばかり出てきます。
「ここからV字回復するために自分にできることは?」と考えると答えがたくさん出てきます。
私の場合、「このまま作家を続けていいのかな」と考えると心が散ってしまって、やったほうがいいのか、いけないのかと、悩みを増幅させてしまいます。
「このまま作家を続けてわくわくすることは?」と聞けばポジティブな答えがいっぱい出てきて「やっぱりやろう!」となるわけです。
今お金に困っている人は、次のような質問を自分に投げかけてみるといいと思います。
「今のお金がない状況で楽しめることがあるとしたら、それはなに?」
収入を増やしたいなら、「たくさんお金が入ってくるとしたら、どんなことが起きるんだろう」。
健康状態をよくしたいとしたら、「これから具合が良くなるとしたらどんなことが起きるだろう」。
パートナーシップで悩んでいる人は、「二人の仲が近くなるには、どういうことが必要だろう」。
パートナーがほしい人なら、「何をすれば、パートナーと出会えるだろう」。
家族の間に問題があるとしたら、「家族に癒しが起きるとしたら、どんな癒しだろう」。
職場環境で悩んでいるとしたら、「もっと仲良く仕事ができるためにはなにをやったらいいだろう」。もっとあいさつをしようとか、シンプルな答えが出てくるかもしれません。
「君に対して、何ができるかな?」と真剣に尋ねること
TLCメンバーの多くが言ってくれた言葉を紹介しましょう。
それは、「君に対して、何ができるかな?」という言葉です。
この世界で、自分の大好きなことをやって、成功して、家族も幸せで、周りの人たちの幸せを願って生きている人は、どれだけいるでしょうか?
自分だけ成功したらいいと考えている人、幸せだけどまわりのことまで考える余裕がない人が、大半ではないでしょうか。
反省したのは、自分も、100%与える人になれていなかったことです。TLCの参加者の多くが、「君に対して、何ができるかな?」と、真剣に私に聞いてくれました。
私は、目の前の人の話を一生懸命聞こうとはしましたが、彼らのために何ができるかまでは、意識がまわりませんでした。
幸せに成功したら、目の前にいる人に、ただただ与える感じになるとはっきりわかりました。彼らのように、純粋に目の前にいる人の力になりたいとだけ考える人物になるのが、次の目標です。
ここで興味深いのが、「応援する人は応援される」という事実です。
試しに「この人に対して何ができるかな?」と考えながら人に会ってみてください。きっとおもしろいことが起きると思います。