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コーヒーにレモンを入れるとなぜいいの?コーヒー博士が語るレモンコーヒーの魅力

世界で親しまれている魅惑の味

もし喫茶店で「レモンコーヒーを」と注文したら、ウェイトレスさんに「え!?」と聞き返されてしまうでしょう。

でもロシアやイタリアなどのヨーロッパの国々では、レモンコーヒーは、ポピュラーな飲み物です。ロシアでは、コーヒーにレモンの輪切りを入れた「アミリカーナ」。イタリアではエスプレッソにレモンを入れた「カフェ・ロマーノ」として親しまれています。

 香港では、熱い季節に飲むレモンアイスコーヒーが人気とのことです。そして今、日本でも少しずつ、そのおいしさと効能が知られつつあります。

 実はレモンもコーヒーも、本来、人間にとって「毒」でした。レモンの酸味=腐ったもの、コーヒーの苦味=毒があるもの。われわれの先祖は、このように認識して、口に入れたら即座に吐き出していました。

今でも、本能で生きている赤ちゃんなら、仮にレモンやコーヒーを口にすれば、吐き出すはずです。ところが私たちは、なぜかその「毒」をおいしいと感じて、本能では食べてはいけないと感じながらも、追い求める不思議な習性があります。

それで、レモンもコーヒーも、長らく各国で愛されてきているのです。二つの「毒」がコラボしているレモンコーヒー。これはまさに、魅惑の味と言えます。

ところで、ひと昔前までコーヒーは、「体に悪いから、子どもや胃腸の弱い人は飲むな」と言われていました。そのコーヒーが、実は体にいいということがわかってきました。

その健康効果については別ページに譲りますが、近年、子どもであっても適量であれば飲んでいいというデータも出ています。

 味や香りでなく健康効果を目的としてコーヒーを飲むならば、ドリップにこだわる必要はなく、むしろインスタントでかまいません。

 実は、「アラビカ種」と呼ばれる値段の高いコーヒー豆よりも、インスタントコーヒーにブレンドされている安価な「ロブスタ種」のほうが、抗酸化成分やカフェインを多く含んでいるのです。

 コーヒー専門店で産地別に売られている豆は基本的にアラビカ種。ロブスタ種は、インスタントコーヒーのほか、ブレンドと書いてある市販の豆にも混ぜて使われることがあります。

健康効果を期待してレモンコーヒーを飲むなら、インスタントがお勧め

実家の薬局でレモン飲料を売っていた

一方、レモンはビタミンCなどのビタミン類、葉酸、ミネラルなどが豊富で、美肌効果、疲労回復効果があります。

 私の実家は薬局なのですが、「リモナーデ」という呼び名で、レモンと砂糖をとかした飲料を、疲労回復や滋養強壮を目的として販売したこともあるんですよ。

レモンとコーヒーをいっしょにとると、単体で摂取するのと比較して、いっそうのリフレッシュ効果が得られるでしょう。

 レモンの香り成分である「リモネン」にはリフレッシュ効果があり、一方のコーヒーの香りには幸福感をもたらす作用があります。その2つの香りが一体となれば、日々のストレスが癒されることひとしおです。

喫茶店にも負けないコーヒーの煎れ方

 レモンコーヒーに興味をもったかたは、まずは安いインスタントコーヒーで、気軽に試してみてください。

少し懲りたいなら、酸味が強めの浅煎りのコーヒーで作るといいでしょう。2つの酸味のコラボレーションを楽しめます。

苦いコーヒーが好きなかたは、深煎りのコーヒーで、苦味と酸味のコラボを味わうのも“オツ”かもしれません。最後にコーヒーのスペシャルな淹れ方をお教えします。

 通常のコーヒー1杯は、お湯100㏄、コーヒー豆10g前後で作られますが、同量の豆にお湯を30㏄だけ注いで淹れてみてください。

そして後から、70㏄のお湯で薄めます。コーヒーのうま味と健康成分だけが抽出された、雑味のないコーヒーの出来上がりです。喫茶店にも負けない味わいとなるでしょう。

そこにレモンを好みの量だけ足せば、絶品のレモンコーヒーになります。至福のひとときを味わいながら、健康になりましょう。

健康のために飲むコーヒーの適切な1日量

子どもも大人もおいしく飲める

健康な成人:カフェイン400㎎  コーヒーの目安:5杯

正常妊婦:カフェイン300㎎  コーヒーの目安:3~4杯

19歳以下の健康な子ども:カフェイン 2. 5㎎/㎏

            コーヒーの目安:2杯以下(体重30kgで、1杯程度)

コーヒー+レモンの健康効果についてはこちら