子どもの頃は納豆嫌い1粒からチャレンジ
私は京都・祇園で「納豆創作料理夏豆」の店主をしています。納豆は、毎日5パック食べています。
小さい頃は、納豆の匂いが苦手で大嫌いでした。でも、母が体にいい食材だからと私になんとか食べさせようと、最初は1粒の納豆をご飯の上に乗せることから始まりました。
そのうち2粒、3粒と増えていき、ある日、「あれ、納豆がおいしい」と感じるようになり、「もっとちょうだい!」と言うまでに。
そこからは納豆がないと生きていけないほどになり、毎日の食卓で欠かせないものとなりました。大学時代、1年間アメリカに語学留学しましたが、家族に会えないことより、納豆がしばらく食べられなくなることのほうがつらかったほどです。
アメリカのスーパーでも納豆は売っていますが、1パック600円もしますし、おいしくありません。
そこで、納豆を日本から送ってもらうことにして、アメリカでも納豆生活を続けることができました。
ただ、ホストファミリーや各国からの友人は、納豆を嫌がり、食べてくれなかったのです。
そのときから、「納豆をなんとか世界中の人に食べてもらう方法はないか」と考えるようになりました。
「なっ豚そぼろ」の専門店を開きたいと考えた
アメリカから帰国後、納豆料理を日々研究しましたが、納豆と豚ひき肉を合わせたとき、「これは世界一おいしい納豆の食べ方だ!」と確信しました。これだったら納豆嫌いな人でも食べられるはずだと考え、「なっ豚そぼろ」と名づけて、専門店を開きたいと考えたのです。
大学卒業後は、大手食品メーカーで仕事をする傍ら、納豆料理は研究し続け、インスタグラムなどのSNSで発信していました。
そして、27歳で退職し、2020年2月に京都でお店を始めました。
納豆創作料理 夏豆
京都市東山区小松町561-17 TEL075-600-2222
完全予約制コース料理のみ
毎月20日12:00〜翌月分の予約受付開始
予約サイト:https://www.tablecheck.com/ja/
shops/natsumame/reserve
当初は、外国人観光客に食べていただきたいという思いがありましたが、開店直後に新型コロナウイルスが蔓延し、それが難しくなってしまいました。しかし発信を続けるうちに、全国から納豆好きのかたが集まってくれるようになりました。
また、中には納豆を初めて食べるお客様や苦手なお客様も多く、そのようなかたがたからも「おいしかった」と言ってもらえることがやりがいの一つになっています。
お店では、納豆のコース料理を提供しており、デザートまで納豆を使っていますが、料理の前面に納豆を出さないようにしています。
食後に「納豆を買って帰ろう」と思えるほどの飽きない量を工夫して、ご家庭でも毎日納豆料理を食べてほしいと願っています。
最近は、お店のある京都にも観光客が戻ってきました。これから、日本を代表する食べ物である納豆を、外国人のかたに体験していただくのが楽しみです。
「肌がきれい」とほめられる血圧は上が80で下が40
私は、食生活アドバイザーの資格も持っていますが、健康・美容面でも、納豆にはすごい力があります。
よく「肌がきれいですね」とほめられるのですが、納豆を毎日5パック食べているおかげだと思います。
納豆は、血圧を下げることが知られていますが、私の血圧は上が80㎜Hgで下が40㎜Hgです(※)。
※血圧は、一般的に収縮期(上の)血圧が140㎜Hg、拡張期(下の)血圧が90㎜Hg、このいずれかを超えたら高血圧と診断される。低血圧については、実は明確な定義はない。
納豆は、5大栄養素のたんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルがすべて含まれていますし、食物繊維も豊富です。
納豆は、まさにスーパーフード。
今回ご紹介するレシピも活用して、納豆をおいしく召し上がっていただければと思います。
いろんな料理にアレンジできる!
夏バテ予防にも!「なっ豚そぼろ」の作り方
粗熱が取れてから小粒納豆を加える
今回ご紹介する「なっ豚そぼろ」は、ストックしておけばいろんな料理にアレンジできる万能のメニューです。
単品でおいしいのはもちろん、ご飯、餃子、豆腐、野菜、カレーなどとも合います。
ニンニクやショウガが入っているので、夏バテ予防にもぴったりと言えるでしょう。
もともとは、タマネギを入れていましたが、近頃はタマネギの価格が高騰しているので、タマネギなしで作ってみたところ、おいしくできました。そのため、今回はタマネギなしのバージョンでご紹介します。
豚ひき肉ですが、粗びきを使うとシャキシャキした歯ごたえを楽しめます。さらに粗びきだと、完成したときに小粒納豆と同じくらいのサイズなので、見た目のまとまり感がでる点でもお勧めです。
また、お肉を食べないかたは、豚ひき肉の代わりに大豆ミートを使っていただくとよいでしょう。
豚ひき肉は、汁気がなくなるまで炒めるのがポイントです。汁があると、餃子などのアレンジが難しくなりますので注意してください。
汁ではなく、余分な油が出てきたら、取っていただいてかまいません。最後に、粗熱が取れてから小粒納豆を加えます。
納豆は、熱によって失われる栄養素があるため、豚ひき肉の温度が人肌くらいになってから混ぜ合わせることがポイントです。
4人家族だと1㎏のひき肉を使ってもすぐになくなってしまうので、大量に作ってストックされておくのをお勧めします。
作り方
保存方法・温め方
冷蔵庫から出して電子レンジで温めるときは、ナットウキナーゼが失活する70℃を超えないようにする(下がその目安)。
● 100gの場合
500Wで1分、600Wで50秒700Wで43秒
● 200gの場合
500Wで2分、600Wで1分40秒、700Wで1分26秒