おなか周りのツボを押して詰まりと滞りを流す
私は整体師として、一般のかたに施術を施す傍ら、整体師やセラピスト、エステティシャン、医療関係者などのプロのかた向けに、ツボや経絡などの、30種類以上の技術を指導しています。5年前からは、お客様の要望に応え、一般のかたでも手軽にできるようにプロの技術をセルフケアとしてアレンジし、レッスンを行っています。
私が一般のかたに指導しているセルフケアは、いずれも簡単にできて、1回やっただけでも効果を実感できるものです。
今回、ご紹介する「おなか押し」は、おなか周りの3つのツボを押して揺らすという手技です。主におなかやせを目的としていて、一度でウエストが5㎝も細くなる人がいるぐらい、高い即効性があります。
3つのツボとは、おへその指4本上にある「中脘」、おへその指4本下にある「関元」、おへその左右、指3本横にある「天枢」です。
「中脘」は、胃腸の働きを活性化し、代謝を上げて、おなか周りの脂肪を燃焼させるのに役立ちます。
「関元」は、冷えを解消し、体温を高めて胃腸の働きを正常にし、免疫力もアップさせます。腰痛や、生理痛、更年期障害などの女性特有の諸症状にも効果的です。
「天枢」は、おなかにたまった余分な脂肪や水分、老廃物を排出するほか、胃腸の働きをよくして腸内環境を整えたり、便秘を解消したりする効果が期待できます。
血流がよくなり20分の有酸素運動と同等の効果
ツボは、血液や生命を維持するエネルギーである気が流れている経絡上にあります。そのため、ツボを刺激することで、血流や代謝がよくなり、体内の余計な水分や老廃物、脂肪も排出するのを助けてくれます。
さらに息を吐きながら、こぶしでおなかのツボを押して揺らすことで、奥深いところまで刺激され、血流がさらによくなります。
また、体の深部の筋肉に巻きついて蓄積した脂肪を揺らして震わせ、表面に浮き上がらせることで、より燃焼しやすくします。体の深部の血流もよくなるので、20分間の有酸素運動をしたのと同じぐらいの脂肪燃焼効果が得られるのです。
おなか押しは、1日1回、10秒を3~5セット行うだけなので、多忙な人でも、短時間でできます。
また、体の奥深くまで刺激するため、脂肪燃焼効果が持続するのも特徴。おなか押しをした当日より、翌日や翌々日のほうがサイズダウンしたという声も珍しくありません。
おなかを緩めてほぐすことで、体の前面が正しく伸びるようになり、ネコ背が楽に矯正できるようになります。
さらに、悪い姿勢が原因で凝り固まっていた筋肉がほぐれ、骨格が正しい位置に戻り、ゆがみがなくなり、体の前後、左右のバランスがまんべんなく整っていきます。
テレビを見ながらの〝ながらやり〟でOK!
私がお客様に施術をしているとき、おなかを押して揺らしていくと、硬いとか、痛みがあるとかいったところがどんどんほぐれていくのがわかります。
また、ケガやねんざをしたときに、患部には直接触れなくても患部を揺らすようにすると回復が早まるといった事例は多くあります。
おなか押し自体は、立っていても寝ていても、姿勢を問わず行えるので、ほんの少しの時間さえあれば、いつでもどこでもやっていただくことができます。
押すのが難しいときは、おなかをつまむだけでもかまいません。おなかは、つまむだけでも、サイズダウンが期待できる部位です。
ですから、お風呂に浸かりながらや、テレビを見ながらでいいので、おなかをつまむのを習慣にするといいでしょう。
こうして日頃から、おなか周りの血流をよくしておくことで、代謝がよくなり、余分な水分や老廃物、脂肪が排出されやすくなります。
これまでさまざまなダイエットに挑戦してきて、やせられなかった人や、やせにくい体質だと感じている人も、おなか押しなら、手軽で続けやすいので、やせられたという声をたくさんいただいています。
むくみやすい人や、便秘がちな人は、ダイエット効果をいち早く実感しやすいので、ぜひ試してほしいと思います。
おなか押しは、早ければその日のうちに、多くの場合、3~4週間ほどで結果が出るので、習慣にしてください。
「おなか押し」実践手順
「おなか押し」は、呼吸とともに行うと、体の奥深くに刺激がより行き届きます。息を吐きながら、こぶしの第一関節と第二関節の間の平らな面で、ツボを5秒押して、3秒揺らし、2秒かけてゆっくりと離してください。

片方のこぶしの上に利き手を重ねると、ツボを押したり揺らしたりしやすくなります。
おなか押しは、立ち姿勢や、座り姿勢、寝た姿勢のいずれで行ってもOKです。
立ち姿勢と座り姿勢のときは、息を吐きながら、上体を15度程度、軽く前に倒してから、おなかのツボを押して揺らしてください。こうすることで、手がおなかの奥まで入って、刺激が届きやすくなります。
また、寝た姿勢と座り姿勢のときは、両足裏をつけて、両ひざを左右に開きましょう。これは無理なくできる人だけでかまいません。両ひざを左右に開くことで、おなかがぺたんこになり、おなかのより奥深いところまで、揺らして生じる振動が届きやすくなります。
おなか押しは毎日、1回につき10秒を3~5セット行うようにしてください。リラックスして行うと、自律神経(※)の副交感神経が優位になり、効果がより高まります。
※内臓や血管の働きを調整する神経
おなか押しは、多くても1日5セットまでにしておきましょう。
朝イチで行うと日中の脂肪燃焼効果が促進される
おなか押しは、食後1時間や、飲酒後、発熱時、妊娠中は、行わないようにしてください。
また、手術後や、ツボの周りにケガや内出血、できもの、はれものがあるときも控えましょう。とにかく無理のない範囲で行うのが、習慣にするコツといえます。
おなか押しは、1日のうち、どのタイミングで行っても問題ありませんが、ダイエット効果をより高めたいなら、朝、活動をし始める前に行うといいでしょう。朝イチに行うことで、血流や代謝がよくなり、日中の活動時に、脂肪燃焼効果が促されます。
おなか押しをやる際は、水分補給もたいせつです。行った後には、常温の水か白湯を飲みます。常温なのは、体を冷やさないためです
おなか押しは、リラックスしながら行うことが大事なので、強く押すのも避けてください。イタ気持ちいいと感じる程度に、押したり揺らしたりするのがコツです。
3~4週間ほどで結果が出るでしょう。
吉田佳代先生の
おなか押しダイエットのやり方


