
ピンク色を身につけるとこりや痛みがその場で軽快!
悩み事や問題に直面したとき、皆さんはどうやって解決しますか? 誰かに話を聞いてもらい、気持ちをスッキリさせる。物事を前向きに考えようと努力する。
解決策はいろいろありますが、手軽に悟りの境地に達し、悩みが悩みでなくなり、問題を問題と感じなくなるようになれたら、すごく楽だと思いませんか? 私が考案した「ゼロポイント・アプローチ」は、そんなメソッドです。
ゼロポイント・アプローチの一つに「ピンク色を使う」という手法があります。ピンク色の大きな布を、上半身をすっぽり包み込むようにかけると、怒りや不安、心がざわざわした感じが薄れていきます。自分にとって嫌なことや苦手な人物を思い浮かべても、不快な感情が湧かず、別になんとも思わなくなるのです。
カウンセリングの場で、クライアントにピンク色のストールを上半身に巻いてもらったところ、その場で悩みが軽くなる人が続出。自分の内面を深く見つめ直したり、思考や行動を変えたりしなくても、悩んでいる状態から脱することができるようになったのです。ピンク以外の色でも試してみましたが、心の問題に老若男女ともに効果を発揮したのがピンク色でした。
その後、多くの人に協力いただきながらピンク色が心身に及ぼす効果を調べていくうちに、心の問題だけでなく、体にも多くの効果があることがわかってきました。
例えば、ピンク色を見たり、ピンク色の布を身に着けたりすると、体の緊張が自然と緩み、その場で柔軟性がアップします。ピンク色の布を肩に巻くだけで、肩や首のこりが軽減する人も珍しくありません。
この効果は、体をほぐして緩める施術を行う整体師やセラピストなどの専門家にも注目されており、シーツやタオルなどにピンク色を取り入れる人も増えています。
「ピンク色のパジャマやシーツを使用したところ、不眠や高血圧が改善した」という報告を複数いただいたので、拙著にて寝具メーカーの協力のもと、ピンク色と黒色のシーツで自律神経の変化を調べました。
すると、黒色に比べてピンク色のほうが、83%ものかたで改善が見られたのです。交感神経と副交感神経のバランスを示す指標や、自律神経全体の働きを示す指標がいずれも改善し、ピンク色は自律神経の乱れからくる疲労の回復に役立つことがわかりました。
このほか、ピンク色を生活に取り入れることで、頭痛、めまい、耳鳴り、生理前のイライラや更年期障害など、さまざまな不調が改善したという声が多数寄せられています。
安心感や幸福感を感じさせる効果がある
色彩心理学では、ピンク色は幸せ、愛情、優しさ、思いやりなど、幸福を象徴する色とされています。
また、私たちは生まれる前、母親の胎内にいるときに、子宮の色としてピンク色に出合っています。そのため、人はピンク色を目にすると、無意識のうちにお母さんのおなかの中を思い出し、安心感や幸福感を得て、自然と心身がリラックスするのではないかと考えられています。
加えて、私は色が人に与える影響を調べる中で、興味深いことに気づきました。ピンク色を身にまとうと、意識が「今」にフォーカスするようになるのです。嫌なことを忘れる、今の自分に関係ないことはどうでもよくなる、という変化が起こります。このことが、冒頭で紹介した「これまで問題だと思っていたことが気にならない状態になり、自然と問題解決していく」ことにつながります。
一方、ピンク色と反対の影響を及ぼすのが黒色です。黒を身にまとうと、過去の失敗を引きずり、頑なになります。嫌な経験が頭から離れず、物事を否定的・悲観的にとらえてしまい、気持ちが重くなるのです。

胸・のど・首の後ろにピンク色を当てるのがお勧め
ストレスには、自分で意識できるストレスと、「UCS」と呼ばれる「自分では意識できないストレス」があります。こちらのストレスは意識できないだけに対策のしようがありません。
こうした意識できないストレスが、自律神経のバランスを乱し、不眠やうつなどの心身の不調につながっていると考えられます。
しかし、ピンク色は、意識できない心(無意識)と体に直接働きかけて、ストレスを緩和し、心と体を緩めてリラックスさせます。
こうしたピンク色の効果を体感するには、胸の真ん中、のど、首の後ろの第七頸椎(骨がボコッと隆起した部分)の「3大ストレスポイント」に、ピンク色を当てるのが効果的です。
私たちがストレスを感じ、安心・安全を脅かされるときは必ず、3大ストレスポイントに体のざわつきが起こります。意識できないストレスについても同じです。3大ストレスポイントにピンク色を当てると、体のざわつきが鎮まっていきます。
人間の体は、目だけでなく皮膚でも色を感知しています。ピンク色が持っている効果は、心と体に直接働きます。ですから、心に悩みやモヤモヤを抱えて心身に不調を感じているときは、気軽にピンク色を試してみるのがよいでしょう。