ゆほびか ゆほびか
  • 文字サイズの変更
  • 大
  • 中
  • 小
  • SNS
  • twitter
  • facebook
  • instagram

【ローズマリー風呂】体の毒を出して若返る!肝機能向上から抗うつまで健康効果◎

若返りハーブとして使われてきたローズマリー

 ローズマリーをお風呂に入れる「ローズマリー風呂」を、皆さんご存じでしょうか。一般的にローズマリーは、料理のハーブ(薬草)としてよく使われます。

 乾燥させたローズマリーを油と一緒に鶏肉などにまぶせば、肉特有の臭いを消し去ってくれるため、重宝している人も多いことでしょう。

 ラベンダーやミントなどと並んで、ローズマリーは日本人にはなじみ深いハーブです。そもそもローズマリーは、地中海沿岸地方が原産で、紀元前数千年前から、日常的に使われてきました。

 古代エジプトのファラオのお墓には、聖なる植物として、ローズマリーが入れられていたほどです。また、西洋では、魔除けや浄化の儀式でローズマリーが使われたり、若返りのハーブとして利用されたりしてきました。

 こんな逸話もあります。70歳を超えたハンガリー王妃・エリザベートI世がリウマチに苦しんでいたときのこと。ある尼僧が、それを見かねてローズマリーの蒸留水を王妃に贈りました。

 それを気に入った王妃は、体に塗ったり、飲んだりしたところ、みるみる若返って、20代のポーランド王子に求婚されたそうです。

 ローズマリーには、数種類のポリフェノールが含まれています。その抗酸化作用により、若返り効果がかなったのでしょう。

 このほか、ローズマリーには多くの健康効果が期待できることが、今ではわかっています。主な作用としては、強壮(体が元気になる)作用、肝機能の向上、消化促進、肌の引き締め、利尿作用、月経不順の改善、抗うつ作用、鎮痛作用、抗リウマチ作用などが挙げられます。

 また、体内のむくみを取り、老廃物を、汗や尿によって排出する効果も期待できます。そうした効果は、ローズマリーを食べるだけではなく、その清涼感があり鼻にスッと抜ける独特な香りからも得ることができるのです。

ローズマリー・オイルは選び方が重要

 私のクリニックでは、「メディカル・アロマセラピー」も行っています。不調な体のケアや、病気とは認められない症状を精油の力で改善する手助けするのです。

 よく聞かれるアロマセラピーと、メディカル・アロマセラピーは違います。メディカル・アロマセラピーは、フランスでは医療行為として認められたもの。メディカルアロマ専門医が、正しい知識のもと、薬と同じ作用をする精油を使って治療しています。

 ですから、メディカル・アロマオイルは、厳密な審査を受けています。有機栽培であること、産地が定められていること、使用する部分や抽出方法が定められていることなど、細かく決められているのです。

 しかし、毎日の生活の中でローズマリーの健康効果を取り入れるならば、効果の差はありますが、手に入りやすい市販のアロマオイルを活用するといいでしょう。

 この場合にも、できるだけ産地がわかっていて、無農薬のローズマリーを使用したアロマオイルを選んでください。

ローズマリー風呂はさまざまな効果を発揮

 さて、お待ちかねのローズマリー風呂について解説しましょう。ローズマリー風呂は、ローズマリーのいい香りを堪能できるのはもちろん、血行を促進しながら肌を引き締め、汗や尿によって体内の老廃物を排出するデトックス効果を期待できます。

 ひまし油を使うのは、ローズマリー・オイルだけを入れても、湯に溶けないからです。親水性のあるひまし油とローズマリー・オイルを混ぜることで、湯に溶かすことができます。

 お風呂に入りながら体をマッサージをすれば、脂肪の溶解作用により、セルライト(※)が解消されたり、体や足のむくみが取れたりするので、やせる効果も期待できます。 

※血管やリンパから排出される老廃物と脂肪細胞同士が結合し肥大化して、皮膚がデコボコになった状態

 筋肉痛や体のこわばりがあるかたは、やや長めにつかると痛みが和らぎ、皮膚の張りも解消することでしょう。

花粉症対策にも集中力強化にも有効

 ローズマリーには、抗アレルギー作用もあります。これからの季節、花粉症の予防として、ローズマリー・オイルをハンカチにつけたり、胸の辺りに塗ったりして、アレルギー対策をするのもよいでしょう。

 ローズマリーには、抗菌作用もありますから、ローズマリーを煮出した「ローズマリー・ウォーター」を作り、霧吹きでマスクにスプレーしておくのもお勧めです。

 また、忘れっぽくなったり、注意力が散漫になったりしているときにも、ローズマリーの清涼感のある香りは効果的です。記憶力を高めて、集中力を高めてくれますから、受験生やビジネスパーソンには、うってつけのハーブかもしれません。

 最近では、ガーデニングでハーブを育てているかたも多いと聞きます。ローズマリー・オイルも使い勝手はよいですが、ご自分で育てるのなら無農薬のローズマリーを収穫できますので、安心して使うことができるでしょう。

 ぜひとも、日常の生活でローズマリーを活用して、心身ともに健康で豊かな毎日を手に入れてください。

花粉症にも効果を発揮!デトックス効果抜群の【ローズマリー風呂】入浴法

ローズマリー・オイルを使用する場合

【用意するもの】

●ローズマリー・オイル:7~10 滴●ひまし油:2~3滴

【作り方】

①手のひらにローズマリー・オイルをたらした後、ひまし油をたらし、指でよく混ぜ合わせる

② ①を湯船に溶かしてから入浴する

ローズマリー・オイルを使用しない場合

【用意するもの】

●生のローズマリー:1~2本、もしくは、乾燥ローズマリー:1つかみ程度

●だしパック:1袋

【作り方】

生のローズマリーの場合は枝をそのまま湯船に、乾燥ローズマリーの場合はだしパックなどに入れてから湯船に入れて入浴する

【ローズマリー風呂に入る際の注意点】

・お風呂から出るときに、洗い流さない。せっかくまとったローズマリーの香りが失われるのを防ぐため

・ローズマリー風呂に入りながら、ふくらはぎや太ももなどをマッサージすると痩身効果が上がる

・寝る2~3時間前に入浴する。ローズマリー風呂に入ると香りなどによって、交感神経が優位になって目がさえてくる

・ローズマリー風呂を3週間続けたら、1週間はやめておくなど、間隔を空ける。アロマは使い続けると効かなくなることがある

・ローズマリー風呂は、血圧を上昇させる作用があるので、高血圧やてんかんの症状を持つかた、妊娠中や月経過多のかた、3歳以下の幼児・乳児は控える

清涼感があり花粉症にも効く!【ローズマリ−・ウォーター】の作り方

【用意するもの】

●ローズマリー

 生のローズマリーの場合:2~3本 乾燥ローズマリーの場合:大さじ2

●水:100㎖

※生のローズマリーを使用する場合は、よく水洗いししておく

【作り方】

①鍋に水を入れて沸騰させる

②生のローズマリー、もしくは乾燥ローズマリーを加えて弱火で5分ほど煮出したら、火を止めて冷ます

③ローズマリーを取り除き(乾燥ローズマリーの場合は茶こしなどを使用する)、ボトルやミスト容器などに入れて完成

※冷蔵庫で保存する。数日で使いきれる量を作るローズマリ−・ウォーターを霧吹きに入れ、ハンカチやマスクにスプレーするのもお勧め

■ローズマリー・オイルとひまし油が購入できる場所

コスメショップ、バラエティショップ、アロマ専門店など

■アロマオイルを購入する際に注目すべきこと

・ラベルやパッケージに「精油」、もしくは「エッセンシャルオイル」という表記がある・原料となる植物の学名が記載されているローズマリーの学名は、サルビア・ローズマリナス(Salvia rosmarinus)

・茶や青、緑などの色つきの遮光瓶に入っている

■アロマオイルの保管方法と使用後に気を付けるべきこと

・冷暗所に保管する

・湿気のある場所に置かない

•使用後はキャップをしっかり締める