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龍と数字「9」との深いつながりとは?~台湾No.1占い師【龍羽ワタナベ】の龍トーク

2021/06/22

北京・故宮博物院の九龍壁

人類の文明の歴史とともに龍はいた

 龍は想像上の動物ですが、その起源はとても古いものです。中国では、紀元前6200年頃から存在したとされる「遼河文明」の遺跡から、龍を刻んだ玉や土器が出土したそうです。そんなに古くから、龍の存在が信じられていたのです。

 龍は人類の文明の歴史とともに歩んできたわけで、もしかしたらほんとうにいたのではないかとすら思わせます。現代においても、私たち東洋人が龍に強く心を惹かれる源流は、そこにあるのかもしれません。

 華人(中国系の人々の意)にとっては、龍は歴史的に皇帝の象徴であり、縁起のよいもの、幸運の象徴です。華人は今なお生まれの干支にこだわり、龍(辰)の年には出生数が大きく増えるほど。

 また、華人は古来、運気を上げる方法として風水を重んじています。私は占い師として、多くの華人の大富豪や政治家などと関わってきましたが、成功者ほど、風水を身近に取り入れています。龍は、風水的にも非常に重要です。

 以降では、華人に伝わる龍関係の伝承や「龍の力を味方につける方法」をご紹介します。

龍と9という数字の深いつながり

 龍は「9」という数字と深いつながりがあります。

 例えば、中国画には「九龍図」といって、9匹の龍の姿が描かれることがあります。また、有名な香港の九龍をはじめ、中国には「九龍」とつく場所が多くあり、縁起のよい地名とされています。

台北(台湾)の著名ホテル・圓山大飯店にある、
九龍図が描かれた「九龍壁」。
北京・故宮博物院の九龍壁がモチーフ

「龍に九似あり」といって、龍の特徴を説明するのに「角は鹿、頭はラクダ、目は鬼、首は蛇、腹は蜃(しん)、鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛」と9種類の生き物にたとえたりもします。

 龍が九と結びつくのは、天の使いで高貴な存在である龍の性質と、九という数字の持つ意味に通じる部分があるからでしょう。

 中国では、数字のそれぞれに固有の意味があります。奇数は「陽」、偶数は「陰」を示しますが、九は陽の中で最も大きく、「天」を表す数とされます。

 9月9日は陽が重なる日で「重陽」といい、昔から長寿を祈るお祝い事をする習慣がありました。現在の中国でも祝日です。

 また、「九」は「久」と音が通じることから、「永遠・永久」を意味する数字ともされています。

 所変わって日本でも、9つの頭を持つ「九頭龍」の伝説があり、長野県の戸隠神社、神奈川県の箱根神社・九頭龍神社などで信仰されています。

異なる力を持った龍の子どもたちに注目

 さらに、中国には「龍生九子」といい、龍から生まれた9匹の子どもの伝承もあります。

 龍と同様に想像上の生物で、それぞれに姿形や性格が異なります(下図)。各々の性格に合う場所で活躍を見せますが、親である龍にはなれなかったと伝わります。

 これは、それぞれは完璧な存在でなくとも、「適材適所」で大きな力を発揮するとの教えが込められているのだと思います。龍生九子は建築の装飾に用いられ、各所に配置されることで建物の守り神になってくれたり、運気を上げてくれたりすると考えられているからです。

 日本では、重いものを背負ってくれる「贔屓(ひいき)」が有名。日本語の「贔屓」の語源でもあります。たまにお寺などで見かける、柱を背負った亀の像がそれで、「贔」の字はお金を示す「貝」の文字から成り、財運につながります。見かけたら「あ、贔屓だ!」と注目してみてください。

 そのほかの龍の子たちは、日本ではほとんど知られていませんが、台湾では、いろいろな場所でよく見かけます。

 ここで、あまり知られていない台湾のお勧めスポットをご紹介しましょう。それは、台中にある「大甲鎮瀾宮」。道教の女神・媽祖様をお祀りする廟ですが、龍にまつわる建築装飾が数多く見られ、龍生九子も全部そろっています。龍の子たちに会って運気アップにつなげたい人は、要チェックの場所ですよ。

コロナ禍が収束した折には、ぜひお訪ねくださいね。

中国には「龍脈」を通す 穴が開いたビルもある

 龍は、風水的にも重要な存在です。風水の本質は、大地の氣(エネルギー)の流れを読み取り、それに乗ってパワーをいただくことで、国家や都市を築くのにも活用されてきたスケールの大きな学問です。

 この大地の氣が流れるルートを「龍脈」と呼びます。そして、龍脈の氣が噴き出すポイントを「龍穴」と呼びます。龍穴はいわゆるパワースポットで、そこに住むと繁栄すると言われます。

「北坐南向」や「背山臨水」(下参照)など、風水的によい地形とされるパターンは、龍穴の典型例です。また、現代でも香港や上海には、龍脈を通すためにわざわざ穴を開けた建物があるほどです。

 日本でも、平安京や江戸の都は風水に基づいて築かれたと言われます。しかし今は、人工物が多すぎて、純粋な龍脈や龍穴を探すのは困難です。仮に探すことができたとしても、思いどおりの場所に住めるとはかぎりません。

 では、どうしたらいいのでしょうか。風水には、家の立地や間取りがよくなくても、インテリアなどの工夫で、家の中に龍脈を作り出す技があります。中でも、簡単かつ強力なのが龍の置き物。実際、中国や台湾ではよく行われています。

 龍は、権力や仕事能力のようなパワーの象徴です。ですから、龍の置き物を飾ると仕事運や金運がアップすると言われます。お家で龍を飼ってパワーをいただく秘訣については下記の記事をご覧ください。

ゆほびかweb|【龍羽ワタナベ】台湾No.1占い師が教える「龍開運」の法則【その2】

私たちも龍とともに成長していこう

 最後に、龍と親しくおつきあいするための心構えをお話ししましょう。
 先に、龍の階級のお話をしましたが、龍は「成長していく存在」です。龍の巨大なパワーをいただくには、ただ龍に頼ろうとするのではなく、「私も龍といっしょに成長するんだ!」という思いを持つことがたいせつです。

 龍とともに成長し、私たちが人として、よりよく、幸せに生きていくこと。それは、龍にとっても喜びであり、龍の位を上げることにもつながるのです。

 ぜひ、このことを忘れずにお過ごしくださいね。