【一人さんへの質問】
お金に対する偏見が強く、お金持ちになりたいとは思いません。仕事は好きですが、お金は汚いもの、お金持ちは悪いというイメージがどうしても抜けないのです。どうしたら、お金を気持ちよく受け取れるようになれるでしょうか?
【一人さんの回答】
これはね、お金に対する偏見じゃないんです。偏見ってなにかひとつに対して持つわけじゃなく、あなたは偏見というサングラスをかけながら生きているの。つまり、世の中の出来事すべてに、偏見のフィルターをかけているんだよね。
人にも、職業にも、外見にも、家柄にも、経歴にも、すべてに偏見を持っているはずだよ。だから一度、自分はお金以外にも偏見があるんじゃないかって考えてごらん。
漢字の「下」という字は、人という字の上に棒があります。つまり、下の人間には上が見えないんだよね。わかるかい?
じゃあ「上」という字はどうかというと、人の下に棒がある。だから、上の人間には下が見えないの。
それから「中」という字。これは、上から下まで棒が貫いているから、上下どちらもわかる人間という意味なんです。
なにが言いたいんですかって、こういうことだよ。あなたはお金持ちを汚いって言うんだけど、お金持ちは貧乏人が怖いと言うんだよね。
なぜですかって、世の中で起きる犯罪やなんかを見ると、お金がなくて起きる犯罪が多いからです。
だけど、貧乏だから怖がられるっておかしいよ。一人さんはずっと下町に住んでいますが、下町って庶民的な街だから、経済的に苦しい人もたくさんいるの。だからって、下町の人は泥棒でもなけりゃ強盗でもない。ほとんどがいい人なの。
その反対に、お金持ちがみんな悪いことをして儲けたのかって言うと、そんなわけない。悪いことで儲けているのはごく一部で、ほとんどのお金持ちはいい人だよ。
上の人が下の人を怖がるのも間違いだし、下の人が上の人を汚いと思うのも違います。世の中を「中」という字のように、上と下を貫いて見ることが、偏見を捨てるということなの。
テレビを見ていると、ドラマでもなんでも、すぐ政治家は悪いやつだっていう設定になるけど、政治家だって、一生懸命やっている人がほとんどだよ。世の中は、ドラマでも映画でもないからね。落ち着いてよく見てみないとダメだよっていう話です。なお、ここでは便宜的に「お金持ち=上」「貧しい人=下」と表現しましたが、本来、人間に上下はありません。上も下も、偏見の目が生み出したもの。人はみんな等しく神の子であるということを、念のためお伝えしておきますね。