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【目の周りをジワーッと押す】と 疲れ目、近視、緑内障に効く!私の飛蚊症も解消した

全身の健康のカギは毛細血管の血液循環

 私たち人間の体は、血管のかたまりです。網の目のように全身に張り巡らされている血管を1本につなげると、その長さは、合計約10万㎞にも及びます。

 これは、なんと地球を2周半もする長さです。血管というと、まず動脈や静脈を思い浮かべる人が多いでしょうが、人体の血管の95%を占めているのは、ごく細い毛細血管です。

 人体を構成する細胞を家に例えると、毛細血管は1軒1軒の家を取り巻く路地にあたります。毛細血管は、心臓から出る血液を全身に送り出す動脈と、心臓へ戻る血液が通る静脈との橋渡しをしています。

 全身の細胞に新鮮な酸素と栄養を届け、細胞の活動によって生じた老廃物と二酸化炭素を回収する役目を担っているのです。

毛細血管は栄養と酸素、老廃物と二酸化炭素の受け渡しをしている

 ですから、毛細血管の血液循環が悪くなると、体の細胞は酸素と栄養が不足し、ゴミがいっぱいたまって道がふさがったような状態になってしまいます。

 その結果、細胞が本来の働きをできなくなり、体の痛みやこり、疲労のほか、さまざまな病気につながるのです。全身の健康のカギを握るのは、血液の循環、とりわけ毛細血管の血液循環です。

「血液循環療法」は、毛細血管の血液循環をよくすることに着目し、明治43年に誕生した、日本オリジナルの手技療法です。

 私は20代の頃に血液循環療法と出合い、創始者の小山善太郎先生の直弟子である村上浩康先生の下で血液循環療法を学びながら、鍼灸学校で資格を取得して開業しました。

 現在は、血液循環療法協会の第3代目会長として、患者さんの施術を行いながら、療法の探求を続けています。

 治療院では、1時間かけて全身の血液循環をよくしていきます。施術が終わると、患者さんは口をそろえて「体が軽くなった!」と驚かれます。体のこりや痛み、関節の動かしづらさなどの症状も、その場でほぼ解消します。

 血液循環がよくなると、細胞に必要な酸素と栄養素が供給され、疲労物質も分解されてエネルギーに変わり、自然に体が「よい状態」へと戻っていくのです。

ごくソフトにジワ~と3秒、パッと手を離す

 本特集の「視力アップ押圧」とは、血液循環療法を応用した方法で、目の周辺および眼球内の血液循環を促進するセルフケア方法です。

 視力アップ押圧を行ううえで重要なのは、指で押すときの力加減と、指の離し方です。目には、8μm(1000分の8㎜)という細さの毛細血管が集まっています。

 ですから、毛細血管が傷ついてしまわないよう、強く押したりもんだりするのは厳禁です。感覚としては、スポンジの上に親指の側面を置き、沈む程度の力でじゅうぶん。親指の爪の先が白くなっていたら、力の入れすぎです。

 眼球と骨のすき間に親指の先を入れて、このようなごくソフトな力加減で、1カ所につき3秒ほど「ジワ~」とやさしく圧をかけます。そして、手首を外側に回転させるようにして、手を「パッ」と離します。この「ジワ~・パッ」が重要なのです。

ごくソフトな力加減で押圧すると毛細血管の血流が改善される

 毛細血管は、内皮細胞という細胞がつなぎ合わさってできており、細胞どうしの間にすき間が空いています。

 指で「ジワ~」と押したとき、毛細血管の中の血液が静脈側に押し出されます。そして、「パッ」と指を離した瞬間、圧がかかっている動脈側から新鮮な血液が勢いよく入ってきます。

 これをリズミカルに繰り返すことで、毛細血管のすみずみまで血液が行き渡るのです。

私も飛蚊症の黒い点が1カ月もたたずに消えた

 目には毛細血管が集中しており、起きている間は、外界からの情報を得るために絶えず働いています。そのため、目は、全身の中でも特に、じゅうぶんな酸素が常に必要な器官といえます。

 また、目の周囲には、眼球を動かす筋肉があります。デスクワークなどで同じ姿勢のまま同じところを凝視していると、目の周囲の筋肉は緊張状態で固まったままになり、血液中に毒素や老廃物といった疲労物質が発生し、血流が悪くなります。

 すると、毛細血管に血液が行き渡らず、酸素不足で目の奥やこめかみが痛くなったり、ピント調節機能が衰えて目がぼやけたりするのです。

 視力アップ押圧を行うと、目の血液循環がよくなり、その場で視界がクリアになります。視力アップや疲れ目の解消にも有効で、近視や緑内障などが改善した患者さんも多数いらっしゃいます。

 私も、飛蚊症(ひぶんしょう)が解消しました。視界に黒い点が浮かぶようになり、気になったので、トイレに座ったときなど思い出したときに視力アップ押圧を行ったところ、1カ月もたたないうちに黒い点が消えました。

 ぜひ視力アップ押圧を習慣にして、クリアな視界と健康な目を維持していただきたいと思います。

ジワ~と3秒、パッと手を離すだけ!1セット5分「視力アップ押圧」のやり方

〈押圧をする順序〉

1.目の上部

目頭の①の位置に親指の先の角を当てて、骨と眼球のすき間にソフトに入れて3秒
手首を外側に回転させるように、パッと離す
位置をずらして親指の先の角を当てて、ソフトに力を入れて3秒
手首を外側に回転させるように、パッと離す
❶~❿に順に位置をずらして、同様に繰り返す

2.目の下部

目頭の①の位置に親指の先の角を当てて、骨と眼球のすき間にソフトに入れて3秒
手首を外側に回転させるように、パッと離す
①~⑦に順に位置をずらして、親指の先の角を当てて、ソフトに力を入れて3秒
手首を外側に回転させるように、パッと離す
目尻の近い⑧~⑩は、目と反対側の手の親指で
同様に繰り返す

3.まぶた

まぶた全体を覆うように、親指の付け根で温めるようにして当てるだけで3秒
パッと離す。これをリズミカルに20回繰り返す

反対の目も同様に1~3を行い、これで1セット(約5分)。朝晩、それぞれ2セット行う(1日約20分)

じっくり取り組む時間がないときに便利!「時短!視力アップ押圧」のやり方

「1.目の上部」の位置に両手の4本の指の先を当て、力を抜いて3秒パッと離す。これを5回繰り返す
パッと離す。これを5回繰り返す
「2.目の下部」の位置に両手の4本の指の先を当て、力を抜いて3秒
パッと離す。これを5回繰り返す
「3.まぶた」の位置に両手のひらの土手の部分を当て、力を抜いて3秒
パッと離す。これを5回繰り返す

日中、リフレッシュしたいときに行う(約1分)

プラスして行うと効果倍増!「首・肩の視力アップ押圧」のやり方

こめかみに親指の腹を当てて、力を抜いて3秒、パッと離す。これを10回繰り返す
首の横の筋肉に親指の腹でゆっくり圧をかけて3秒、パッと離す。上から下に位置を変え、10回繰り返す
うなじを横から親指の腹でゆっくり圧をかけて3秒、パッと離す。上から下に位置を変え、10回繰り返す
うなじを真後ろから3本の指先でゆっくり圧をかけて3秒、パッと離す。上から下に位置を変え、10回繰り返す
耳の後ろの突起の骨の下(ぼんのくぼ)に親指の腹でゆっくり圧をかけて3秒、パッと離す。これを10回繰り返す
肩に反対側の手の4本指の腹を当て、ひじをもう片方の手で持ち上げて3秒、パッと離す。これを10回繰り返す

反対側も同様に行い、これで1セット(約8分)。首や肩のこりがあるときに行う