●酢ショウガの作り方・食べ方はこちら
やせると芸能人にも大人気!おいしい健康食【酢ショウガ】の作り方&食べ方|ゆほびかweb
酢で血液・血管が若返り、ショウガで体の脂肪を燃焼させる「酢ショウガ」
「あなたの体は、あなたが食べたもので作られている」ということわざがありますが、これまでの私自身の健康状態を振り返ると、このことわざがぴったりと当てはまります。
一人暮らしをしていた医学生のときは、栄養のバランスなどまったく考えない生活を送っていました。勉強が大変なので、外食で済ませたり、買ってきたおにぎりなどを食べたりしていたのです。
すると、どんどん太っていって、体重は63㎏ぐらいにまで増えてしまいました。加えて、肩こりや頭痛、便秘、むくみ、多汗症にニキビと、さまざまな不調に悩まされるようになったのです。
輪をかけて体調が悪化したのは、医学部を卒業した後のことです。
大学病院の研修医になると、36時間勤務が週に3回あり、休みは1カ月に1日程度でした。そのため、元々の不調に加えて、動機や脂汗が起こるようになり、生理もストップしてしまいました。
あまりにも体調が悪くなってしまったので、医師である父に相談したところ、乱れた食生活とストレスによる体の冷えが原因だと指摘されました。
そして、父の指導通りに、分厚い腹巻きを身に着け、おふろはシャワーで済まさずに湯船にきちんとつかることにしました。自炊も始めて、積極的にショウガを取り入れるようにしました。
すると、するすると半年で10㎏もやせて、元の体重に戻ったのです。さらに、肩こりやニキビ、動悸などといった不調も、きれいさっぱりと消えてしまいました。
このときに、「人間は健康だと、こんなにも体と心が楽なんだな」と実感しました。それから今に至る15年間は、体を冷やさない生活を心がけて、とてもいい状態で体調をキープし続けています。
酢とショウガのダブル効果を手軽に取り入れられる
体の冷えを取るには、おふろに入ったり運動したりして物理的に温めるだけでなく、血管を広げて血流を促すことも重要です。
その効果が高い食品が「酢ショウガ」です。名前の通り、ショウガを酢に漬けたもので、6年ほど前から我が家の常備菜になっています。
酢は、血圧を下げて、食後の血糖値の上昇を抑え、血液をサラサラにして血栓(血液の塊)をできにくくします。また、腸内環境を整えたり、内臓脂肪を減らしたりする効果も報告されています。
ですから、糖質や脂質の取り過ぎで、血液がドロドロになりがちな今の日本人には、ぜひ取るように心がけてほしい食品です。
そして、ショウガには、体を温めたり、病気から体を守る免疫力を高めたりする成分が含まれています。
私は酢ショウガをドレッシング代わりに使うほか、ショウガのすりおろしを紅茶に入れるなどして、ショウガを1日で合計100gぐらい摂取しています。
このように、健康のために、毎日積極的に取りたい食材である酢とショウガを組み合わせて、手軽に活用できるようにしたのが、酢ショウガの魅力なのです。
酢ショウガの「ショウガ」の薬効
辛み成分ジンゲロール
◎殺菌作用 ◎胃腸の働きを助ける
◎体の表面の血管を拡張して血流を促す加熱すると生じるショウガオール
◎体の脂肪を燃焼させて体を芯から温める
酢ショウガの「酢」の薬効
◎血管を広げて血圧を下げる ◎食後の血糖値の上昇を抑える
◎血液をサラサラにして血栓を防ぐ
◎腸内環境を整える ◎内臓脂肪を減らす
ショウガを加熱して作ると体の芯から温める効果も
酢ショウガを作る際のポイントは、電子レンジでショウガを一度加熱することです。
主に薬味として使われる生のショウガには、ピリッとした辛みがあります。この辛み成分は「ジンゲロール」といって、殺菌効果があるほか、胃腸の働きを助けたり、体の表面の血管を拡張させて血流を促進したりします。
ジンゲロールに熱が加えられると、「ショウガオール」といって、じんわりとした辛み成分に変化します。そして、体の脂肪を燃焼させて、内部から熱を発生させる効果を発揮するようになります。
ですから、ショウガを電子レンジで加熱すると、ジンゲロールの一部がショウガオールに変わるので、両方の効果を得ることができるようになるのです。
また、ショウガは漢方薬の材料(生薬)としても使われていて、生のショウガを干しただけの「生葉」には、健胃作用があるとされています。
一方、ショウガを蒸してから乾燥させた「乾姜」は、胃腸の冷えによる下痢や便秘、腹痛に対して使われています。
このように、生と蒸したものとでは使い方が区別されていて、加熱で変化するショウガの効果については、古くから経験的に知られていたのです。
ショウガには、6月から11月にかけて出荷されている、辛みの少ない「新ショウガ」と、一年中入手できる「ひねショウガ」があります。酢ショウガを作る際には、どちらを使ってもかまいません。
酢にはさまさまな種類がありますが、それぞれの成分を比較すると、色の濃い酢、例えば黒酢やサトウキビ酢には、アミノ酸とビタミンが多く含まれているので、栄養価が高いといえます。
ただ、近くのスーパーには黒酢やサトウキビ酢などを置いていないことが多く、価格も高めです。ですから、酢の種類にはこだわらずに、作りやすいものを酢ショウガに使ってもらえればと思います。
患者さんにも勧めたら42日で5㎏やせた!
酢ショウガについては、私は患者さんたちにもお勧めしてきて、体調が改善したという報告を多数受けています。
その中でも印象深いのは、48歳男性のNさんです。Nさんは典型的な肥満体形で、体重は88.8㎏もあり、最大血圧が150㎜Hg、最小血圧が94㎜Hgでした。
正常血圧は最大血圧が130㎜Hg未満で、なおかつ最小血圧が85㎜Hg未満なので、Nさんを高血圧と診断しました。
そして、空腹時の血糖値は151㎎/㎗で、HbA1cが7.2だったため、糖尿病でもありました(正常値は、空腹時の血糖値が110㎎/㎗未満で、HbA1cが5.6未満)。
このように不調だらけといえるNさんだったのですが、酢ショウガを取り始めてから42日後には、体重が5㎏以上も減って83.7㎏になっていたのです。
そして、最大血圧が138㎜Hg、最小血圧が84㎜Hgになり、高かった血圧が下がっています。糖尿病についても、空腹時の血糖値が110㎎/㎗、HbA1cが6.3に改善しました。
そのほか、中性脂肪値は261㎎/㎗から68㎎/㎗に(基準値は30~149㎎/㎗)、総コレステロール値は227㎎/㎗から199㎎/㎗へと(基準値は150~219㎎/㎗)、大幅に減っていました。
これほどの結果が出たことには、私もびっくりしました。
効果は3~4時間なのでそのつど料理に活用したい
男性には特に酸っぱい食品が苦手な人も多いのですが、Nさんをはじめ、患者さんが酢ショウガを生活に取り入れやすかったのは、味と使い勝手のよさにあったのだと考えられます。
例えば、酢ショウガをキャベツの千切りにドレッシング代わりにかけたり、刺身にかけてカルパッチョにしたり、焼き肉のたれの代わりに使ったりすることができます。
読者の皆さんにもぜひ試してほしいのが、納豆に酢ショウガをかけることです。通常だとネバネバとした納豆の糸が、酢ショウガを入れて混ぜるとフワッフワに変化し、納豆がとても食べやすくなるからです。
そして、酢ショウガは飲み物にも応用が利きます。酢ショウガを炭酸水で割ると、これからの暑い時期にピッタリな、さわやかな飲み物になります。
このように健康増進に役立つだけでなく、料理や飲み物にも幅広く使える酢ショウガですが、空腹のときに大量に取ると胃を強く刺激する可能性があります。胃が弱い人は、最初は少量にとどめ、様子を見ながら量を加減してください。
また、ショウガの血流改善効果が続くのは3~4時間だとされています。ですから、1日に大さじ2~3杯を目安にして、酢ショウガをこまめに食べるといいでしょう。
どうぞ酢ショウガをお試しになって、そのすばらしい健康効果をご自身で体験してみてください。
●酢ショウガの作り方・食べ方はこちら