翌日からすぐ飲める!果実の風味がさわやかな手作り酢リンゴはこんなに簡単!
監修 料理研究家・管理栄養士 村上祥子
【用意するもの】
●リンゴ 1 個(約200g)
中くらいの大きさのもの。皮や、皮のすぐ下に有効成分が多いため、必ず皮つきのまま使うこと。リンゴの種類はどんなものでもよい。
●酢 400㎖
穀物酢、米酢、黒酢、玄米酢など、好みのものを使ってOK。
●氷砂糖 200g
黒砂糖、上白糖、きび砂糖などでもOK。ただし、沈澱しやすいので、溶かすためにときどき混ぜる。
※氷砂糖は溶けやすく、仕上がりの色もきれいで使い勝手がいい。「より多くの栄養成分を」というかたは、ミネラル豊富な黒砂糖がお勧め。
●保存瓶 1本
800㎖以上の容量で、電子レンジ対応の耐熱ガラス瓶。
※耐熱ガラス瓶がない場合は、インスタントコーヒーの空き瓶など、ふた付きのガラス瓶に保存し、電子レンジにかけるときだけ、どんぶりなどの耐熱容器を使うとよい。
適度な砂糖は代謝を高める!
ダイエット中の人は、「氷砂糖などの糖分を入れたくない」と感じるかもしれませんが、実は適度な糖を取ることにより、体内ではエネルギー代謝が高まります。“TCAサイクル”(クエン酸回路)という、体の中でエネルギーを生み出す回路がきちんと働くようになるのです。
【作り方】
1 リンゴは、よく洗ってから、ペーパータオルなどで水分をよくふき取る
2 ①のリンゴを8等分にして芯を除き、皮ごと幅2㎝のイチョウ切りにする
3 瓶に、リンゴと氷砂糖を入れ酢を注ぐ
4 瓶にふたをせず、電子レンジで加熱する。500Wなら1分20秒程度、600Wなら1分程度、750Wなら50秒程度が目安
5 電子レンジから瓶を出し、ふたをする。常温で12時間以上置いたら出来上がり
【保存の仕方】
出来上がった酢リンゴは、常温で1年間保存できます。直射日光の当たる場所や、高温多湿な場所は避けて保存してください。
高血圧・糖尿病・肥満が改善!私の元気の素・酢リンゴのおいしい飲み方・食べ方
監修 料理研究家・管理栄養士 村上祥子
摂取目安は1日あたり大さじ2~3杯
酢リンゴの摂取量の目安は、1日当たり大さじ2~3杯(30~45㎖)です。酢リンゴは香りがよく、色もきれいで、そのまま飲んでもおいしくいただけます。「いっぱい飲みたい」という声もよく聞かれます。
しかし、たくさん飲んだからといって効果に変わりはありません。むしろ、多量に摂取すると、酢で胃を傷めるおそれがあります。一度に多量に飲むよりも、適量を毎日取り続けることをお勧めします。
私の周りでも、適量の酢リンゴを日々摂取する習慣を持っている人のほうが健康です。酢リンゴを飲むようになり、高血圧や糖尿病、肥満が改善したという人もいます。
私自身、酢を30年以上も飲み続けています。私の人並み外れた元気の素は、酢にあると言ってもいいでしょう。
さまざまなバリエーションを楽しみながら、酢リンゴを毎日の生活に取り入れてください。
話題の酢タマネギや酢ショウガがもっとおいしくなる!酢リンゴなんでもQ&A
監修 料理研究家・管理栄養士 村上祥子
Q、酢は何を使ってもいい?
穀物酢、米酢、黒酢、果実酢など、基本的にはどんな酢を使っても構いません。酢の種類で、風味や味わいも変わるので、いろいろな酢を試してみてください。ただし、もろみ酢など、糖分を多く含んだ「飲むための酢」は、酢リンゴには不向きです。
Q、漬けたリンゴはどのタイミングで取り出せばいい?
基本的には、リンゴは漬けたままで構いません。取り出す場合は、有効成分を染み出させるために、最低1週間は待ちましょう。取り出したリンゴは、そのまま食べても、サラダに入れてもいいでしょう。
Q、電子レンジを使わずに作れる?
電子レンジを使うのは、出来上がりまでの時間を短くするためです。電子レンジを使わなくても、酢リンゴを作れますが、その分、時間はかかります。電子レンジを使わない場合は、瓶に材料を入れて、常温で2週間ほど漬け込んでから飲み始めてください。
Q、話題の「酢タマネギ」「酢ショウガ」を酢リンゴで作れる?
テレビや雑誌で話題の万能健康食「酢タマネギ」と「酢ショウガ」も、酢リンゴを使って作ることができます。味がマイルドになり、よりおいしく、続けやすくなるでしょう。
●酢タマネギの作り方
【 材料 】 薄切りにしたタマネギ…1個分 塩…少々
酢リンゴの漬け酢…適量(タマネギが浸る程度)
❶薄切りにしたタマネギに塩をまぶしよく混ぜる。酢がタマネギに浸透しやすくなる。
❷①を密閉容器に入れ、タマネギが浸るくらいまで酢リンゴを入れ、電子レンジ(600W) で2分加熱して完成!
漬けて冷蔵庫に保存し、2時間ほどで食べられる。1週間程度は冷蔵庫保存が可能。
●酢ショウガの作り方
【 材料 】
皮をむかずみじん切りにしたショウガ…200g(市販のもので2~3個)
酢リンゴの漬け酢…適量(ショウガが浸る程度)
❶ みじん切りにしたショウガを、耐熱容器に入れ、少量の水を加えた後ラップをし、電子レンジ(600W)で4分ほど加熱。取り出して粗熱を取る。
❷ ①を密閉容器に入れ、ショウガが浸るくらいまで酢リンゴを入れて完成!
漬けて冷蔵庫に保存し、一晩たてば食べられる。2週間程度は冷蔵庫保存が可能。
腸内環境が整う酢リンゴで免疫力アップ! シミ・シワを防ぎダイエットにも効果大
白澤抗加齢医学研究所所長・医学博士 白澤卓二
「リンゴが赤くなると、医者が青くなる」ということわざがあるように、リンゴには多くの健康成分が含まれています。さらに、酢にも多くの健康成分が含まれているので、2つの食品を組み合わせた「酢リンゴ」には、さまざまな効果が期待できると言えるでしょう。
リンゴには、糖尿病や脂質異常症、高血圧などの生活習慣病を予防、改善し、老化や肥満を防ぐ、2つのスーパー成分が含まれています。
スーパー成分の1つが「アップルペクチン」です。アップルペクチンは、水に溶けてヌルヌルしたゲル状になる水溶性の食物繊維で、リンゴの細胞を接着剤のように結合する働きをしています。
アップルペクチンには、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)やLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)値の上昇を抑える作用があります。
糖質の取りすぎによって血糖値が上昇すれば、糖尿病の原因になります。また、LDLコレステロールが増えすぎたことで脂質異常症が加われば、血管の内腔(血液の通り道)が狭くなって、動脈硬化の原因にもなりえるのです。
動脈硬化が進行すると、脳卒中(脳梗塞や脳出血)や狭心症、心筋梗塞といった命にかかわる病気を発症するリスクも高まります。
アップルペクチンは、腸からの糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の急激な上昇を抑えることで、糖尿病を防ぎます。
さらに、腸からのコレステロールの吸収を阻害し、便とともに体外に排出することで、脂質異常症や動脈硬化を予防します。
また、酢に含まれる成分には血管の収縮を抑える働きがあります。リンゴに豊富に含まれるカリウムとの相乗効果で、血圧の低下作用も期待できるのです。
免疫力は腸内環境で決まる!
アップルペクチンには、腸内環境を整える働きもあります。
人間の腸には、数百種類、約100兆個の腸内細菌が生息し、細菌叢を形成しています。
腸内細菌には、乳酸菌やビフィズス菌などの「善玉菌」、ウェルシュ菌や大腸菌などの「悪玉菌」、優勢な菌の味方をする「日和見菌」の3種類が棲んでいます。
アップルペクチンは、善玉菌のエサになって善玉菌を増やすことで、腸内環境を整えてくれます。また、酢に含まれる酢酸にも、腸内環境を整える作用があります。
アップルペクチンと酢の作用によって腸内環境が整うと、免疫力の向上にもつながります。
体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの病原体を排除する免疫力は、全身に備わっていますが、白血球(体内に入った異物を殺す働きをする細胞)などの免疫細胞の6~7割は、実は腸に集まっています。
腸内環境が整えば、白血球の働きが活発になり、免疫力もアップするのです。
活性酸素を無害化して老化や肌の衰えを防ぐ
リンゴに含まれる、もう1つのスーパー成分が「リンゴポリフェノール」です。ポリフェノールとは、植物に含まれる色素や苦みの成分で、強い抗酸化作用があります。
細胞でエネルギーを作り出したり、紫外線を浴びたりすると、体内には活性酸素が発生します。
活性酸素には強力な酸化作用があり、細胞を酸化させて、ガンや老化の原因となるのです。
私たちの体には活性酸素を取り除くが備わっていますが、40歳を過ぎると、酵素が急激に減少して細胞の老化が進みます。
リンゴポリフェノールは、体に備わった酵素に代わって活性酸素を無害化します。
さらに、酢にも抗酸化作用があるので、相乗効果で細胞の老化を遅らせたり、シミやシワを防いで若々しい肌を保ってくれるのです。
また、リンゴポリフェノールには、中性脂肪やコレステロールを減らす働きもあります。
酢に含まれるクエン酸やアミノ酸はエネルギーを活性化するので、酢リンゴを飲めば、体脂肪を減らして無理なくダイエットすることもできるのです。
さらに、リンゴポリフェノールを摂取すると、
❶ガン細胞を自滅させる
❷健康長寿をもたらす長寿遺伝子にスイッチを入れる
❸アルツハイマー病の発病リスクを下げる
❹アレルギーの原因となるヒスタミンの放出を抑える
といった効果を期待できることが、さまざまな研究によりわかってきました。
このように多くの効果を期待できる酢リンゴですが、健康効果をより高めるには、食事をする10~30分前に酢リンゴを飲むことをお勧めいたします。