焦がし気味に炒めたタマネギにスープをそそぎ、沸騰したら火を弱めて、溶き卵を入れる。これがタマネギと卵で作る「タマ玉スープ」です。
①基本のタマ玉スープの作り方
②タマ玉スープアレンジレシピ
③20kgやせて脂肪肝から脱出!血圧も正常化した医師が勧める「タマ玉スープ」
④朝の「タマ玉スープ」で私は12kgやせ!1300人のダイエットを成功に導いた
⑤コロナ太りを「タマ玉スープ」で撃退!19kg減って肝機能値も血圧も正常に
●本記事は『ゆほびか』2022年3月号の掲載記事を再編集したものです。
朝の「タマ玉スープ」で私は12㎏やせ!1300人のダイエットを成功に導いた
私は元保健師で、現在はダイエット講師として活動しています。私が提案するのは、「食べるほどやせるダイエット法」で、これまで1300人以上のかたのダイエットをサポートしてきました。
お客様の年齢層は、40代後半から上は80代までのいわゆる中高年世代のかたがた。この年代のかたは、「やせるためにはカロリー制限しないと」と思いがちなのですが、この考えは実は間違っています。
カロリーだけに注目すると、どうしてもたんぱく質など必要な栄養素が不足しがちになります。すると、代謝が低下して、太りやすくなってしまうのです。かくいう私も、かつてはこの思い込みにとらわれ、間違ったダイエットをしていました。まずそのことからお話ししましょう。
私は「趣味はダイエット。特技はリバウンド」というくらいに、10代の頃から太ったり・やせたりを繰り返してきました。
20代で看護師となってからはストレスもあり、ついつい食べることに癒しを求め、そのぶん、夕食は低カロリーの置き換えダイエット食品で済ませることも。当時は1日のカロリーが制限内に収まれば問題ない、と思っていたのです。
その結果、私の体はどんどん代謝が悪くなり、やがて3食すべてを置き換えダイエット食品にしても、一切やせなくなりました。体調も悪く、貧血や肩こり、手足のすべての指がしもやけになるほどのひどい冷え症に悩まされるようになったのです。
転機となったのは、26歳で始めた保健師の仕事でした。生活習慣病を予防する食事指導に携わるようになった私は、自身の体を実験台に、代謝を上げる食事を研究するようになりました。
すると、驚いたことにスルスルと体重が落ち始めたのです。1年後、53㎏だった体重は41㎏に(身長は153㎝)。3食とも満足いくまで食べて、気がついたら12㎏やせていました。それから8年が経ちましたが、今もリバウンドすることなく、体調も絶好調です。
2回レンチンするだけ!忙しい朝にも楽々
この経験から断言できるのは、ダイエットを成功させたいなら、代謝を上げることが必要不可欠ということ。それを簡単に実現できる方法として、お勧めしているのが、朝の「タマ玉スープ」です。
タマ玉スープとは、卵とタマネギが入ったスープのことです。火を使わず、2回のレンジ加熱でできるので、忙しい朝でも続けやすいと思います。
松田さんのタマ玉スープの作り方
〇材料(2人分)
卵 1個
タマネギ 30g
小松菜 30g
好きなキノコ 30g
パルメザンチーズ 大さじ1
白ワイン 小さじ2
顆粒コンソメスープの素 小さじ1
水 1カップ
塩麹 小さじ1
ニンニク・ショウガ(チューブ) 小さじ1
オリーブオイル 小さじ1
粗びきコショウ(黒) 適量
〇作り方
❶卵は溶きほぐす。タマネギは粗みじん切りにし、小松菜は1㎝幅のざく切りにする。キノコは適度な大きさに手でさく
❷小さめの耐熱ボウルに、卵とコショウ以外の材料を入れ、軽く混ぜる
❸ふんわりとラップをし、電子レンジ(500w)で3分加熱する
❹いったん取り出して、溶き卵を加え、ラップを戻してさらに3分電子レンジで加熱する
❺オリーブオイルとコショウをかけて出来上がり
私は次の4点から、朝のタマ玉スープを推奨しています。
❶たんぱく質が豊富
たんぱく質は1回の食事で消化吸収できる量に限度があります。ですから、夜にいくらたんぱく質をとっても、翌朝には不足した状態になっているのです。
卵は、たんぱく質が豊富なだけでなく、ビタミンCと食物繊維以外のすべての栄養素が含まれる「完全栄養食品」です。卵一つとるだけで、栄養バランスも整います。
❷エネルギーへの変換を促す栄養素が豊富
糖質やたんぱく質はそれだけを摂取しても代謝できません。糖質はビタミンB1、たんぱく質はビタミンB6があって初めて化学反応が起こり、エネルギーとして使えるようになるのです。
タマ玉スープには、ビタミンB1・B6のどちらも含まれています。さらにタマネギにはビタミンB1の吸収率を高め、体内で長く働くように作用する「アリシン」も含まれているので、新陳代謝を活発にする効果がより高まります。
❸体温が上がる
食事をすると代謝が上がり、熱が生み出されるため、体がポカポカしてきます。これは「食事誘発性熱産生」と呼ばれる体の働きです。
朝は1日で体温がいちばん低い時間帯ですが、温かいタマ玉スープをとると、食事誘発性熱産生によって、体温がスムーズに上昇します。
人の体には、朝の体温を1日中キープしようとする働きがあります。体温が1度上がると、基礎代謝(生命を維持するために必要なカロリー)は13~14%アップするといわれています。つまり、朝に体温を上げておけば、1日を通して代謝が高まり、やせやすくなるのです。
❹血糖値が安定する
朝食抜きの空腹の状態で昼食をとると、血糖値が急上昇しやすくなります。すると血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが大量に分泌されますが、インスリンには余った糖分を脂肪として蓄える働きがあるため、太りやすくなります。
朝のタマ玉スープ習慣は、この昼食での血糖値急上昇を防ぐのにも役立ちます。お客様の中には、一度もダイエットに成功したことがないのに、朝のタマ玉スープなどの食事改善で、3カ月で9㎏やせたかたもいます。朝のタマ玉スープで、やせ体質をぜひ手に入れてください。