
●本記事は『ゆほびかGOLD』vol.45の記事を再編集したものです。
健康のキーポイントである脊髄・太陽神経叢・呼吸
ヨガでは、脊髄とそこから伸びて胃腸との間に発達する神経叢(太陽神経叢)は、健康の根幹と考えられています。
脳は、脊髄(脳神経の束)から伸びた自律神経によって器官をコントロールしています。脊髄がこり固まって、自律神経の伝達がうまくいかなくなると、当然器官は円滑に働かなくなります。その結果、病気になってしまうのです。
反対に脊髄、つまり脳神経の束が良好な状態であれば、体全体がしっかり働くので、健康になります。頭がスッキリし、集中力や発想力、直感力もぐんと上がります。
神経が密集している太陽神経叢は、感情に敏感に反応する場所です。そのため「第二の脳」と呼ばれています。
太陽神経叢は、ヨガではマニプラチャクラに当たります。チャクラとは、脳神経の延長線上にある、7つのインターチェンジのようなものです。
中でもマニプラチャクラは、呼吸により気(生命エネルギー)を取り込んで、他のチャクラに分配する役割があります。そのため、ここが活性化すれば、全身に力がみなぎることになります。また、豊かさをしっかりと感じ取れるようにもなります。
ストレスがたまると太陽神経叢は萎縮し、姿勢が悪くなります。反対に、太陽神経叢をマッサージすれば、姿勢や腰痛も改善できるのです。

脊髄のストレッチで気の流れが良好に
心身の健康の要である、脊髄と太陽神経叢を同時にストレッチできるのが、親指のムドラを使った「脊髄のストレッチ」です。
これは両手の親指同士を組んで、左右に引っぱりながら、後屈と前屈を行うものです。手指を組むムドラを使うことで、上半身がより大きくしなり、ストレッチ効果が高まります。1日のうちいつ行ってもいいので、空き時間にちょこちょことやってみてください。私は深呼吸をするような心持ちで1日に5回程度、行っています。
ムドラを使った脊髄のストレッチは強度が高いため、骨が発達途上の15歳未満の子どもはやらないようにしてください。子どもは大人に比べると、骨と骨の間がスカスカに空いているので、体を傷めかねません。
大人の場合は、体調を整えるためにも、積極的にやったほうがいいでしょう。しかし、背中を傷めているかたや治療中のかたは、医師に相談してみてください。
人間は、健康だからこそ、意欲が湧いてきたり前向きな気持ちになれたりするものです。そして、その積み重ねが望む未来を引き寄せてくれるでしょう。
ぜひムドラを活用して、心身ともに健やかになり、豊かな人生を切り拓いていってください。
親指のムドラを使った脊髄のストレッチのやり方


両手の親指を左右に引っ張りながら頭上に両手を挙げる。
息を吸いながらタン・タン・タンの3拍で上半身を後ろに反らす

タン・タン・タンの3拍キープする。
このとき、息は自然に止まっている。
無理に止めるのとは異なるので注意しましょう

このとき、親指は左右に引っぱらなくてOK。後屈と前屈を2回くり返す
●親指のムドラを使った脊髄のストレッチの効果
・頭がスッキリする
・集中力・発想力・直感力が上がる
・姿勢や腰痛の改善
・全身に力がみなぎり、今ある豊かさをしっかり感じ取れるようになる
(おわり)