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【東国三社めぐり】電車・バスだけで1日まわってみた~(1)鹿島神宮編/中の人<マ>

 昨年(2020年)念願の「お伊勢まいり」ができた中の人<マ>です。そのお伊勢まいり、実はまだ終わりではありませんでした。

 昔は関東以北の人々がお伊勢さんを参拝した後、「東国三社」と呼ばれる千葉・茨城にまたがる3社を参拝する風習がありました。

 東京近郊住まいなので、ぜひ訪れたいと思い立って調べてみると、こちらも公共交通機関での巡拝に一部難儀しそうなエリアがあることが判明。

 でも、せっかくならしっかり参拝したい!と思い、2021年4月の土曜日に鉄道と路線バスでお参りしましたので、その様子をレポートします。

(※)お伊勢まいりの様子はこちら(全5回です)

お伊勢さんの後に巡拝する「東国三社」とは

 今も昔も多くの人の崇敬を集める伊勢神宮。江戸時代には「一生に一度はお伊勢参り」とも呼ばれていましたが、関東より北の地域で暮らす人には、さらに伊勢参拝後に禊として3つの神社を巡拝する風習があったといいます。

 それが「東国三社参り」です(「下三宮めぐり」ともいいます)。

 東国三社とは、利根川の下流部に位置する、茨城県鹿嶋市の「鹿島神宮」、千葉県香取市の「香取神宮」、茨城県神栖市の「息栖(いきす)神社」の3社を指します。このうち鹿島神宮は旧・常陸国の一之宮、香取神宮は旧・下総国の一之宮でもあります。

 その昔、この周辺は海で、3社はその海の入口にあたる場所に位置し、交通の要衝でもありました。

 また、この3社の位置を地図で結ぶと直角二等辺三角形になるのも、何かを感じてしまいますね。このトライアングルやレイラインにまつわる話も多く聞かれる神秘的なスポットです。

 今回は、この3社を鉄道と路線バスを利用して1日でめぐり、2020年末のお伊勢さんと合わせた巡拝を完了し、御朱印を授けていただくことが目的です。

 とくに伊勢の時の「外宮先祭」のような順番はないようですが、「鹿島立ち」の言葉があるので、鹿島神宮から息栖神社を経て、香取神宮で締めくくる計画です。はたしてスムーズに参拝できるでしょうか。

鹿島神宮までは高速バスが便利。鉄道利用も楽しい

 東京駅から鹿島神宮まで、アクセスしやすいのは高速バスです。JRバス関東・関東鉄道・京成バス・JRバステックの4社共同運行で片道2,000円(交通系ICカード支払いの場合は1,850円)で行くことができます。

 所要時間は約2時間、現在は特別ダイヤでの運行ですが、それでも東京駅6:30発から20~30分間隔の高頻度で運転されています。ただ、今回は鉄道で鹿島入りしました。JR利用で1,980円(IC運賃・東京~鹿島神宮)です。

高速バスは高頻度で運転されている(鹿島神宮駅前にて)

 ・JR総武線快速・成田線 東京 6:10発 → 成田 7:22着

 ・JR成田線 成田 7:26発 → 佐原 7:58着

 ・JR鹿島線 佐原 8:10発 → 鹿島神宮 8:32着

成田駅で。新型車両に乗れたのは幸先のよいスタートかも?

 昨年末のお伊勢参りの時は、真っ暗で寒かった午前6時の東京でしたが、4月の午前6時は、すっかり朝日も昇り気持ちの良い空が広がります。

 JR総武快速線からJR成田線に直通する成田空港行で、JR成田駅に到着です。たまたま新型車両に乗ることができてラッキーです。

JR鹿島線を走る新型車両。鹿島神宮駅で

 成田駅からはJR成田線、途中の佐原駅でJR鹿島線に乗り継いで、午前8時半にJR鹿島神宮駅に到着しました。

 佐原駅からの鹿島線は、2021年3月にデビューしたばかりの新型車両「E131系」2両編成に乗車しましたが、これが目当てで、バスではなく電車で訪れました。鹿島神宮駅に着く直前の、鉄道ファンにはおなじみの北浦にかかる鉄橋(北浦橋梁)は迫力があって眺めも良し、新型車両の乗り心地もなかなかで、気分も上がります。

鹿島神宮駅前。高架橋の上には水戸へ向かう鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の車両が出発準備中。

 JR鹿島神宮駅からは、駅前から続くカーブの上り坂を道なりに進み、サッカーボールの像がある交差点を左折します。

 案内看板が出ているのでとくに迷いません。角を曲がると正面に大きな鳥居が見えます。駅から10分かからずで鹿島神宮の入口(大鳥居)に到着です。

 ちなみに、東京駅から高速バスで来た場合、終点の鹿島神宮駅のひとつ手前の「鹿島神宮」バス停で下車すると近いです。大鳥居に近い桜町交差点に鹿島神宮バス停があり、5分弱で大鳥居に着きます。

 鹿島神宮駅からは坂道を上りますが、鹿島神宮バス停からは坂のアップダウンはなく平坦な道のりです。

 2021年4月時点の特別ダイヤでは、東京駅八重洲南口を6時30分に出る始発のバスで、鹿島神宮バス停には8時26分頃に到着します。

 その次の6時50分発で、8時46分頃の到着ですので、この2便を利用すると、ここから先のルートに合流できます。

「鹿島立ち」で鹿島神宮から巡拝スタート

 鹿島神宮は「武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)」をご祭神としていますが、武の神様ということもあって、勝負事の祈願でも有名です。

 その昔、武士が旅立つ際には、道中の無事を鹿島神宮で祈願したことから、「鹿島立ち」が旅立ちや門出を意味する言葉ともなりました。何かを始めるにふさわしい鹿島神宮。

 今回の巡拝もぜひ鹿島神宮から始めたいと思ったのも、それが理由です。

大鳥居の手前の公園には「鹿島立ち」の顔出しパネルが!

 東京ドーム15個分にもなる広大な境内を有する鹿島神宮ですので、御手洗池(みたらしいけ)、要石(かなめいし)など、境内の奥にぜひ参拝したい見どころがありますが、また後で鹿島神宮には戻ってくるので、この時点では正宮と奥宮に参拝します。

 鹿島神宮の御朱印は奥宮のものもあるので、2種類あります。正宮向かいの授与所裏手の御朱印所で、御朱印を授けていただきます。

 受付に御朱印帳を渡すとレシート上の整理券が発券されて「帰りにお受け取り下さい」と案内されます。受付の脇にある大きなモニターに何番まで出来上がっているかの番号が示されているので、それを確認して受け取る仕組みです。

 受付は8時30分からで、始まったばかりだったこともあり整理券番号は10番台。5分ほどで受け取ることができました。

 この東国三社めぐりでは、ぜひ押さえておきたいお守りがあります。

 「東国三社守」というキーホルダー大の三角柱のお守りで、各面に三社それぞれの印と、丸いくぼみのあるものです。

 このくぼみに各神社で授けていただくご神紋のシールを貼ると東国三社のお守りが完成する仕掛けの、大願成就のお守りです。

 最初の神社でお守りの本体、残り2社でシールを購入します。鹿島神宮の授与所では、お守りの本体を授けていただきました(本体には購入した神社の神紋がすでに貼られています)。

 ひとまず鹿島神宮を後にし、息栖神社へ向かいます。

(2)へつづく

※参拝時間や交通機関の時刻や価格は2021年4月時点のものです。

※電車やバスは新型コロナウイルス感染症対策で特別ダイヤの運行になっていることがあります。時刻表や各交通機関のホームページなどで最新の情報をお確かめください。

※参拝や御朱印授与については、新型コロナウイルス感染症対策で状況が変わることがありますので、お出かけ前には最新の情報をご確認ください。