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【東国三社めぐり】電車・バスだけで1日まわってみた~(3)香取神宮編/中の人<マ>

 昨年(2020年)念願の「お伊勢まいり」ができた中の人<マ>です。そのお伊勢まいり、実はまだ終わりではありませんでした。

 昔は関東以北の人々がお伊勢さんを参拝した後、「東国三社」と呼ばれる千葉・茨城にまたがる3社を参拝する風習がありました。

 東京近郊住まいなので、ぜひ訪れたいと思い立って調べてみると、こちらも公共交通機関での巡拝に一部難儀しそうなエリアがあることが判明。

 でも、せっかくならしっかり参拝したい!と思い、2021年4月の土曜日に鉄道と路線バスでお参りしましたので、その様子をレポートします。

(※)お伊勢まいりの様子はこちら(全5回です)

(2)からのつづき

いよいよ千葉県・香取神宮へ参拝

 鹿島神宮駅からJR鹿島線で、朝来た行程を戻ります。香取神宮へは、JR成田線と合流するJR香取駅で下車し、30分弱の歩きで到着します。

JR香取駅。立派な構えの待合室

 <マ>は初詣に香取駅から歩いて向かったことがありましたが、道中は要所に看板が立ち、道なりに真っすぐ進めばよいので、さほど迷うことなくたどり着くことができました。

 ちなみに香取駅は香取神宮を模した待合スペースの駅舎がありますが、無人駅です。

 今回は鉄道と路線バスでの移動としていますので、香取駅からの徒歩ではなく、列車の終点であるJR佐原駅から、香取市のコミュニティバスで移動します。鹿島神宮から佐原まではIC運賃で330円です。

JR佐原駅。趣のある駅舎です

 ・JR鹿島線 鹿島神宮 13:23発 → 佐原 13:44着

 ・香取市コミュニティバス「周遊ルート」 佐原駅 14:00発 → 香取神宮 14:13着

香取市コミュニティバス(忠敬橋バス停で撮影)
香取市コミュニティバス・周遊ルートの一日乗車券を観光案内所で購入

 香取市のコミュニティバスは、平日と土曜・休日とでルートが異なります。土曜休日は佐原周辺の観光スポットをめぐる「周遊ルート」が設定されており、このバスで香取神宮に向かいます。

 Suicaなどの交通系ICカードは利用できないので、乗車の際には小銭を用意しましょう(片道300円)。JR佐原駅前の交差点の角にある観光案内所で、コミュニティバス周遊ルートの一日乗車券を買うこともできます。

 発売額は500円ですので、このバスで佐原駅と香取神宮の間を往復する場合、一日乗車券を買った方が若干安上がりです。佐原駅前のロータリーの右手端の2番乗り場から発車です。

歓迎看板の奥に鳥居が現れる

 10分程度で香取神宮のバス停に到着です。温泉街の入口にありそうな、大きな「歓迎」のゲートをくぐると、両脇に土産物屋や飲食店が軒を連ねた商店街が続き、その先に大きな鳥居があらわれます。

 なだらかに続くカーブの坂道となっている参道を進むと二の鳥居、そして門を二度(総門・楼門)くぐると本殿にたどり着きます。

 参拝した後、本殿右隣の授与所で御朱印を、本殿左手の授与所で東国三社守のシールを授けていただきました。その後、歩いて5分弱の場所にある奥宮にも参拝し、奥宮の入口にある授与所で、奥宮の御朱印を授けていただきました。

要石に見る香取神宮と鹿島神宮

 香取神宮のご祭神は「経津主大神(ふつぬしのおおかみ)」で、出雲の国譲りの神話に出てくる神様を祀っており、武運や交通安全などのご神徳があります。

 武甕槌大神(鹿島神宮の御祭神)とともに出雲に派遣された言い伝えもあってか、利根川を挟んで香取神宮と鹿島神宮は似ているところが多くあるのも面白いポイントです。

 たとえば鹿島神宮のレポートでスルーした「要石(かなめいし)」。鹿島神宮と香取神宮の両方にあり、この2つは対になっているといわれています。

 鹿島神宮の要石は「凹」のように中央がややへこみ、香取神宮の要石は丸く「凸」で盛り上がっているようにも見えるため、凹凸で対になっているととらえることもできます。

 江戸時代の鯰絵(なまずえ)に描かれていることで有名ですが、地震が頻発するこの地域には、地中にいる大きな鯰が動くので地震が起こるといわれていました。その大鯰の頭と尻尾を押さえつけているのが、それぞれの「要石」という言い伝えです。

 この要石を実際に見ると、要石という割には拍子抜けするほどの小ぶりな石です。ただ地表に現れている部分はほんの一部で、地中深くで大きな岩になっているのだそう。

 鹿島神宮と香取神宮には、この要石を模した災難除けのお守りがあり、香取神宮は奥宮の授与所で「要石の御朱印」を授けていただくこともできます。

 香取神宮の奥宮の脇から続く、やや急な坂を下りると、来た時に通った商店街に出ます。大きなゲートの前にあるバス停からコミュニティバスで、佐原駅方面へ。

 JR佐原駅からは千葉行きの各駅停車で移動しました。千葉まで乗って総武線に乗り換えても良かったのですが、途中のJR成田駅で、成田空港から来る東京直通の快速電車に乗り換えます。

 乗車券のほかグリーン券を購入すれば、連結されている2階建てグリーン車に乗車できるので、ゆっくり疲れを癒やしながら帰路につきました。佐原から東京まではIC運賃で1,694円、成田から東京までのグリーン券は800円(事前料金・ホリデー)です。

 ・香取市コミュニティバス「周遊ルート」香取神宮 14:55発 → 忠敬橋 15:06着

 ・JR成田線 佐原 15:56発 → 成田 16:27着

 ・JR成田線・総武線快速 成田 16:52発 → 東京 18:09着

 成田からは京成電鉄で東京へ向かうルートもあります。JR成田駅の東口を出ると、通りを挟んだ正面に京成成田駅がありますので、そこから上野や、直通する都営地下鉄浅草線方面へ戻ることができます。

 目的地によってはJRより京成電鉄を使った方が、運賃が安くなるケースもあります。

 また、JR東京駅と鉾田(茨城県)を結ぶ、関鉄グリーンバスの高速バスが香取神宮を通りますので、それを利用して帰る方法や、香取神宮から15分ほどの東関東自動車道・佐原香取インターチェンジ付近の「佐原香取」バス停には、JR東京駅と銚子(千葉県)を結ぶ、千葉交通の高速バス(銚子東京線小見川ルート)が通りますので、それでも帰ることができますが、高速バスの本数は少ないため、事前に要確認です。

東国三社守。鹿島神宮で頂いた本体(左)と、各神社の神紋シール。

 昨年のお伊勢参りから引き続いての東国三社参り(下三宮めぐり)で、ひとまず完結した参拝旅。

 今回の東国三社は、お伊勢参りの感謝を踏まえ、改めて「何かを始める」「新たなスタート」「良い方に導く」といった、ポジティブな心持ちにさせてくれる素敵な旅となりました。

 神紋シールを貼って完成させた東国三社守は大願成就のお守りです。新年や新年度といった新たなスタートの節目にめぐってみると、とくに心に残るものとなるかもしれませんね。

今回の行程・まとめ

 今回の行程の鉄道利用は、すべてJRの各駅停車や快速を利用したので、たとえば春・夏・冬に発売される「青春18きっぷ」などのフリーパスを利用すれば、もっとお得に旅ができることもあります。

 香取市コミュニティバス以外の交通機関は、Suica等の交通系ICカードで利用できます。

頂いた御朱印。(右から)鹿島神宮、息栖神社、香取神宮

 息栖神社のアクセスがあるので、車での巡拝を勧める情報を多く目にしましたが、鉄道・路線バスの公共交通機関で参拝される方も多いと思いますので、ぜひ参考にしていただき、素敵な東国三社参りを体験されてみてはいかがでしょうか。

(おまけ)

 香取神宮からの帰り道。コミュニティバスで佐原駅に戻っても、電車の発車まで1時間弱の待ち合わせがあるため、「忠敬橋(ちゅうけいばし)」バス停で途中下車。

 佐原は水郷の町並みで有名ですが、その雰囲気を感じられる中心部をミニ散策しました。日本全国を測量し、精巧な地図をつくりあげた伊能忠敬(いのうただたか)の功績を伝える「伊能忠敬記念館」をめぐってみるのも良いですね。

 忠敬橋からJR佐原駅までは徒歩で15分弱で戻ることができますよ。

忠敬橋付近の町並み
伊能忠敬像(右)と、測量で使った象限儀の像(左)。伊能忠敬記念館の裏手にある

※参拝時間や交通機関の時刻や価格は2021年4月時点のものです。

※電車やバスは新型コロナウイルス感染症対策で特別ダイヤの運行になっていることがあります。時刻表や各交通機関のホームページなどで最新の情報をお確かめください。

※参拝や御朱印授与については、新型コロナウイルス感染症対策で状況が変わることがありますので、お出かけ前には最新の情報をご確認ください。