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【糖質カット】【手作りバニラアイス】でダイエット!混ぜて凍らせるだけ!(1)

 手作りの「濃厚バニラアイス」は、朝の食パンを、手作りアイスに置き換える、とりわけ夏にピッタリのダイエット法です。「朝からアイスを食べていいの?」と思われるかもしれませんが、特集をお読みいただくと、「食べたほうがいい」が正解だとわかります。

 毎日用意できるよう、超簡単なのにおいしい作り方も紹介します。栄養満点で太らない「朝アイス習慣」をお試しください。

厚生労働省は動物性たんぱく質を推奨

 人間の体に必要な三大栄養素といえば、たんぱく質、脂質(脂肪)、炭水化物(糖質)です。

 私が患者さんの治療や病気予防のために提唱している食事法は、このうちたんぱく質と脂質が多く含まれる「肉」「卵」「チーズ」を積極的に食べる食事法です。肉(MEAT)、卵(EGGS)、チーズ(CHEESE)の英語の頭文字をとって「MEC食」と名付けています。

 「これでは炭水化物がとれないじゃないか」と思われる人もいるでしょうが、実は炭水化物はとらなくてもだいじょうぶなのです。

 厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準」(2020年版)にはこう書かれています。

 「糖質の最低必要量はおよそ100g/日と推定される。しかし、肝臓は、必要に応じて筋肉から放出された乳酸やアミノ酸、脂肪組織から放出されたグリセロールを利用して糖新生を行い、血中にぶどう糖を供給する。したがって、これは真に必要な最低量を意味するものではない」

 つまり、炭水化物=糖質は肝臓で作られるため、とる必要はないのです。もちろん食べてもいいのですが、余った糖質は、体脂肪に変わったり、糖尿病の原因になったりするので注意が必要です。

 また、厚生労働省の同資料では、「良質な動物性たんぱく質を積極的に摂りましょう」といった記述もあります。

 日本人は動物性たんぱく質の摂取量がじゅうぶんではないため、上限は決められておらず、たっぷりとることが推奨されています。たんぱく質の摂取量の目安は、総カロリーの13~20%です。

 成人女性に必要な総カロリーが1日2000㎉とすると、その20%は400㎉。たんぱく質は1g4㎉なので、重量にすると1日100gをとればいいという計算になります。

 具体的には1日に卵3個、チーズ6切れ、肉200gという量です。この3つの食材だけで、厚生労働省が設定する1日に必要な栄養素をほぼ摂取することができます。

植物油より動物性脂肪のほうが安全性が高い

 脂質は、1日の総カロリーのうち20~30%が目安です。脂質は1g9㎉なので、重量にすると66gが1日に必要な摂取量となります。

 しかも、厚生労働省では脂質の摂取量の上限は設けていません。それは多くとっても、体に不具合をもたらすものではないということです。

 また、1日66gでもけっこうな量なので、日本人はなかなか目標量をとれていないというのが現状です。

 脂質は、細胞膜や代謝、神経伝達など、生体活動を調整するホルモンのおもな材料です。

 特に脳は、脂質6割、たんぱく質4割でできており、神経細胞を覆う膜状成分には脂質が欠かせません。

 そのため、脂質が不足すると、肌荒れや乾燥肌、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患、糖尿病などの生活習慣病、うつ病などの精神疾患を誘発することがわかってきました。

 さらに、脂質を積極的にとることが体内の脂肪を減らす作用があることもわかっており、「脂っこいものを食べると太る」というのは間違った認識となっています。

 ただし、体内脂肪を減らすには、糖質が過多でない状態が条件です。糖質を減らして脂質をとると、代謝がアップし、脂肪が燃焼します。

 私はラードやバター、生クリームなどの動物性脂肪を推奨していますが、動物性脂肪より植物性脂肪のほうが健康にいいと思い込んでいるかたもいるのではないでしょうか。

 実は、植物の中には、人体にとって毒となるものを出している種類が少なくありません。

 植物が虫除けになったり、触ったときにかぶれたり、アレルギーが起こったりするのはそのためです。

 植物油の危険性も指摘されています(下図参照)。そのため植物油は、害が少ない亜麻仁油、シソ油、えごま油以外は推奨できません。

脳梗塞の危険性が高いのは植物性食品のほうだった

 一方、ラードやバターなどの動物性脂肪は、厚生労働省でも安全性が認められています。

 動物性脂肪には、常温で固まる性質の飽和脂肪酸が多く含まれていますが、「飽和脂肪酸をとりすぎると、コレステロールが増加し、心筋梗塞などのリスクが増える」といった話を聞いたことはないでしょうか。

 しかし、これは誤った説であることがわかっており、現在はコレステロールの摂取基準値の上限は撤廃されています。厚生労働省の資料によると、ラードやバター、生クリームなどに含まれる飽和脂肪酸は、脳梗塞、糖尿病、心筋梗塞などの病気との関連が認められていません。

 それどころか、飽和脂肪酸の摂取を増やすことで脳卒中が減ったというデータもあります。

 一方、植物油の多くは、常温で固まらない不飽和脂肪酸が含まれていますが、脳梗塞との関連を見ると、動物性脂肪よりも高くなっています(下図)。

 今回、ご紹介する「濃厚バニラアイス」は生クリームをたっぷり使っていますが、病気になる心配はないので、安心して食べてください。

「動物性食品は危ない」は誤解だらけ

 動物性食品を食べることを推奨すると、「肉には成長ホルモンが入っているので危険」と言う人がいます。しかし、日本の畜産の基準は厳しく、成長ホルモンは使われていません。外国産の肉も輸入時に厳しくチェックされるので、問題はないでしょう。どうしても心配なかたは、日本の肉を選んでください。

 また、「もともと日本人は肉食ではなかったから、肉は体に合わない」と言う人もいます。しかし、私たちの祖先は、米を作る前は狩猟をしており、肉を食べていました。

 さらに、日本人の寿命が延びたのは、食の欧米化と肉食が増えたからと言われています。戦前の平均寿命は50歳にも満たなかったことからも、肉を食べず、栄養不足だったことが短命の一因と考えられます。

 人間の赤ちゃんは豆乳では育たず、母乳やミルクなどの動物性たんぱく質で育つことからも、動物性食品が人間に適していることをご理解いただけるのではないでしょうか。

 今回ご紹介する「濃厚バニラアイス」は、生クリームと卵を使っており、動物性たんぱく質と脂質がたっぷり入っています。

 朝、食パンを食べるよりも、「濃厚バニラアイス」を食べるほうが栄養素に偏りがないので、食パンの代わりに食べるのもいいでしょう。

 下の図で「濃厚バニラアイス」に含まれる生クリーム、卵、レモンと、食パン(バタートースト)の栄養価を比較すると、一目瞭然です。

 たんぱく質、脂質、ミネラル、ビタミン類など、「濃厚バニラアイス」の栄養価が高いことがわかります。

 ただし、ビタミンCだけは含まれていませんので、レシピにレモンを加えました。「野菜がないけどだいじょうぶ?」と不安になるかたがいますが、ご覧のように、生クリームと卵だけで、ほとんどの栄養素をとることができます。

 むしろ、野菜の食物繊維はとりすぎると便秘になるため、便秘の人には野菜を薦めていません。

 便秘の原因は脂質の不足なので、生クリームがたっぷり入った「濃厚バニラアイス」を食べると、お通じはよくなります。

朝、卵を食べるとやせるという調査結果もある

 今回ご紹介する「濃厚バニラアイス」は、卵をたっぷり使っています。

「タマゴ科学研究会」のデータによると、週に7個以上の卵を食べている人は、メタボになりにくい可能性があることがわかっています。また、朝食にタマゴを2個食べた人は、卵を食べなかった人に比べ、体重、ウエストサイズがより減少したこともわかりました。卵を食べると、メタボ抑制や、ダイエットへの効果が期待できるということです。

「アイスクリームって太りそう」と考える人も多いのですが、今回、ご紹介する「濃厚バニラアイス」は、肥満の原因となる糖質を、入れる入れないを含めて、自分でその量を加減できます。甘みが欲しいかたは、好みで砂糖を少し加えてもいいですが、市販のバニラアイスと比べるとその量は微々たるものです。

 ダイエット中の人もぜひ食べていただきたいのが、手作りの「濃厚バニラアイス」なのです。

生クリームとバニラの甘い香りが満腹感を誘う

「アイスクリームはおやつだから、おなかが満たされない」と感じる人もいると思います。

 しかし、「濃厚バニラアイス」のバニラのほのかな甘い香りや生クリームの動物性脂肪の甘い香りは、それだけで満腹感が得られます。

 また、卵や生クリームで、必要な栄養素が満たされると、それ以外のものを食べたいという気持ちが起きなくなり、炭水化物や甘いものが自然と欲しくなくなります。

 カロリー制限を意識したダイエットをしている人は、脂質の摂取量が少なく、エネルギー源としての糖質を体が欲するため、甘いものが欲しくなるのです。

 空腹を感じたら、「濃厚バニラアイス」のような動物性脂肪をたっぷり食べることで、炭水化物への欲求は治まってくるはずです。 

「濃厚バニラアイス」は、おなかがすいたらいつでも食べてよく、太る心配もないので安心してください。

■手作り濃厚バニラアイスの作り方はこちら

【糖質カット】【手作りバニラアイス】でダイエット!混ぜて凍らせるだけ!(2)|ゆほびかweb

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