睡眠時間が6時間以下になると病気のリスクが高まる
突然ですが、クイズです。
「睡眠時間が世界一短い国はどこでしょう?」
チクタク
チクタク
チクタク・・・
チクタク・・・
えっ、タイトルからしてバレバレですか?
そうです。何を隠そう、日本なのです。
経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本の睡眠時間は、OECD加盟30カ国中ワースト1位の7時間22分。30カ国平均の8時間25分より61分も短いのです。
厚生労働省の調査によると、睡眠時間が6時間未満の人の割合は、男性で36.1%、女性で39.6%。特に男性の30~50代、女性の40~60代では、睡眠6時間未満の人が4割を超えます。つまり、日本人の約4割が睡眠不足の状態なのです。
でも、残念なのが、睡眠不足であることを、自分ではなかなか気づけないことです。「あれっ、眠そうだね? 睡眠不足?」と言われても、「いえいえ、だいじょうぶです。しっかり寝てます」と答えていませんか?
そして怖いのが、こうした睡眠不足の状態を放置しておくこと。睡眠時間が6時間以下の人が、それ以上寝ている人と比べて、
がん 6倍
脳卒中 4倍
心筋梗塞 3倍
糖尿病 3倍
高血圧 2倍
カゼ 5.2倍
認知症 5倍
うつ病 5.8倍
自殺 4.3倍
と病気になるリスクが跳ね上がることが、世界中の論文で報告されています。
病気になるリスクだけでなく、パフォーマンスもがた落ちです。「6時間睡眠を14日続けると、脳は48時間徹夜した状態と同じになる」という実験結果もあります。仕事がはかどらない、ミスが多い、疲れやすい、イライラするなどの悩みは、睡眠不足が原因かもしれません。
不安は脳を覚醒させ、眠りを妨げる。ハッピーは眠りを促す。
精神科医でベストセラー作家の樺沢紫苑医師は、そうした睡眠不足による弊害を調べつくしたうえで、日々、最高のパフォーマンスを発揮するために「8時間は寝るようにしている」と言います。
では、スムーズに入眠し、質のよい睡眠をとるにはどうすればよいのでしょうか。樺沢医師は、夜寝る前にこんなことをしているそうです。
「夜、寝る前の過ごし方として、ぜひお勧めしたいのが、【幸せ3行日記】です。ルールは簡単。寝る15分前に、今日あった「楽しい出来事」を3つ書き出すのです。長々と書く必要はなく、各1行ずつ、全3行でOK。ささいな出来事でもいいので、自分がハッピー、ラッキーと感じた出来事を必ず3つ書くこと。出なければ何かひねり出します。
幸せ3行日記を書いたら、その中の『いちばん楽しかった出来事』を思い出しながら、ハッピーな気分で布団に入り、そのポジティブなイメージのまま、眠りにつきます。
たったこれだけですが、安眠効果は抜群。実践した人たちからは『不安な気持ちにならずに眠れた』『睡眠に入るまでの時間が短くなり、睡眠の質も上がった気がする』『朝スッキリ目が覚めるようになった』などの感想が寄せられています。
多くの人は、寝る前に『今日あった嫌な出来事』『不安なこと』をつい思い出し、不安や怒り、悲しみ、悔しさなど、ネガティブな気分のまま眠りについています。すると、不安や怒りでアドレナリンやノルアドレナリンという脳内物質が分泌されるので、脳が興奮・覚醒して眠りにくくなるわけです。
反対に、ハッピーなことを考えると、心身がリラックスし、眠りにつきやすくなります」(樺沢医師)
現在発売中の『ゆほびか』2021年9月号では、このほかにも、樺沢医師が睡眠に関する世界中の実験データや資料を読み漁り、論理的に導いた「最高の快眠」を幅広くご紹介しています。ご興味のあるかたは、チェックしてみてくださいね。