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【保江邦夫】物理学者が断言!空間と友達になる「愛」の力こそ強運と願望実現の秘訣(その②)

「素領域理論」に隠された奇跡が起こる理由

 前回お話ししたとおり、私はこれまでの人生で、とにかく「運」が味方をしてくれる人間でした。そして実は、無意識に「運をよくする方法」を実践していたことがわかったのです。
 
 その具体的な方法をお話しする前に、少しだけ、物理学の話をする必要があります。

 日本人初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹博士は、晩年に「素領域理論」というものを研究テーマにしていました。私は、京大在学時に湯川先生の薫陶を受け、20代の一時期、この素領域理論を熱心に研究しました。

 ごく簡単に言うと、素領域理論は「空間はブツ切りにされた不連続なもの」とする考え方です。

 例えば、あなたと私が向かい合って座っているとします。互いの間の空間には、何もないように感じます。しかし、目には見えなくとも、空間は空気で満たされ、窒素や酸素などの元素や、微少なホコリなどが存在しています。

 そのように物質が存在する空間は「連続している」というのが私たちの自然な感じ方です。従来の物理学もそう考えていました。

 しかし実は空間は不連続で、飛び飛びに「素領域」と呼ばれる構造があり、素領域と素領域の間には何もない。こう考えるのが素領域理論です。

 素領域が飛び飛びにあるというのは、「連続しているように見える運動も、実は不連続である」ことを意味します。

 素粒子(物質を構成する最小単位)は科学的法則に従って運動しますが、素粒子がある地点から別の地点まで直線に進んだように見えても、実は「素領域a」から「素領域b」へ、「素領域b」から「素領域c」へと飛び移りながら進んだと考えるわけです。

 そして、素領域の配置は固定されておらず、変化することがあります。配置が変わると、不思議な現象が起こります。

 私の知人に、手に持ったスプーンなどを念じるだけで曲げられる人がいます。この人が目隠しをして、何を持ったかわからない状態のときに鉛筆を渡したら、鉛筆までもがグニャリと曲がりました。

 周囲の驚く声に反応して目隠しを取り、自分が鉛筆を曲げていたと彼が認識したとたん、鉛筆はポキッと折れたのです。

 曲がるはずのない鉛筆が曲がったのは、このとき物質間の結合には影響を及ぼさず、素領域の配置だけが変わったからと考えられます。

 曲げた人がそれを認識した瞬間、配置は元に戻り、物質間の結合が壊れ、鉛筆が折れたのです。

 もし、空間の素領域の配置を自在に変えられたら、物理法則を超え、自分の望み通りの現象を起こすことができるでしょう。

素粒子がある地点から別の地点に直線で進んだように見えても、
実は素領域を飛び移りながら進んでいる
物質間の結合は変わらずに素領域の配置だけが変わると、
物理法則を超えた現象が起こる

空間と友達になると運を味方につけられる

 合気道の開祖、植芝盛平には、銃弾を避けたという有名な逸話があります。常識では不可能ですが、植芝氏には銃弾が飛んでくる前に白い光のようなものが見え、それを避けていたと言います。

 また、刀で斬りかかられたとき、刀のほうが当たることを拒むかのように、勝手に曲がるように見えたとも言われます。こうしたことも、素領域の配置が変わって起きた現象と考えられます。

 素領域の配置の変化は、物質の形状や運動を変えるにとどまらず、その空間におけるエネルギーの伝わり方も変えるはずです。エネルギーとは、東洋医学でいう「気」も含みます。「運気」もその一つととらえていいでしょう。

 そう考えると、子どものころに雨粒を見ていたのが、私の幸運の発端だったのです。降る雨を眺めるとき、私は雨粒が落ちる「空間」を見ていました。その空間を自分の友だちのように親しく感じ、心地よさを覚えていました。

 すると、素領域が自分の都合のいいように動き、その空間に起こる物理的あるいは心理学的現象がよい結果になる……。運を引き寄せるコツは「空間と友だちになること」だったのです。

愛や感謝の強さこそが運のよさを醸成する

 相撲で、仕切りの際に力士が塩をまきますね。土俵を清める儀式と言われますが、あれも実は、塩が飛び散る空間を味方につけようとしているのです。

「仕切りを見るだけで、取り組みの勝敗がわかる」という人がいますが、きっと、どちらの力士がより空間を味方につけたかがわかるのでしょう。

 私は、空間の素領域の配置を変えられる作用とは、思念の力……すなわち「愛」と「感謝」と考えます。特に大事なポイントは、私たちが生きる、この空間に対する感謝の念を忘れないことです。

 私たち現代人は、パソコンやスマホの画面の中のような、ごく近くの目の前のことや、自分の頭の中のことにばかり意識を奪われてしまいがちです。

 空を見上げたり、見晴らしのいい場所に行ったりして、広大な空間をもっと身近に感じ、その空間が「ある」ことに感謝しましょう。

 神社など、パワースポットと呼ばれる場所に行くのもお勧めです。癒され、気持ちが安らぐ人が多いのは、そこが、愛や感謝の念を持ちやすい場所だからであり、その念によって空間が変わり、よい気が満ちるのでしょう。

 人との関係でも、同様のことが言えます。「その人がいるだけで場が和やかになる」ということがありますね。これは、その人の心からあふれる愛や感謝が空間を変え、エネルギーの伝わり方が変わるということです。

 結局、運のよさとは、愛や感謝といった思念の強さなのです。それを踏まえて行動すれば、空間はあなたの味方となり、自然と必要なご縁やチャンス、お金に恵まれるようになっていくはず。私はそう確信しています。

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