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マスクやアクリル板のせいで声が聞こえづらい…それ、認知症を招く「かくれ難聴」かも?

健康診断の聴力検査では引っかからない

コロナ禍のマスクやアクリル板を介したコミュニケーションで、「何を言っているのかわかりづらい」「音が聞こえにくい」と感じたことはありませんか?

もちろんありますよね。

でもこれは、単にマスクやアクリル板のせいだけではなく、コロナ禍によって、それまで自覚していなかった「かくれ難聴」が顕在化した現象かもしれないのです。

聴力は年齢とともに低下していきます。
40代、50代になると「聞こえ」が悪い人が増えてきて、60代に入ると高い周波数の音(高音)から聞こえにくくなっていきます。

ところが、この聞こえにくさは、健康診断の聴力検査では引っかからないので、「自分はだいじょうぶ」と思いがちです。

しかし、こうした聞こえにくさを放置すると、とてもやっかいなことを招くのです。

それは、認知症。

2020年、国際アルツハイマー病会議(AAIC)は、認知症を招く修整可能な12個の危険因子を発表しました。
「修正可能な」というのは、遺伝など自分ではどうしようもない危険因子ではなく、生活習慣を変えたり体の状態の改善を行ったりして、自分でなくすことのできる危険因子のことです。

その中で、最もリスクが高い危険因子とされているのが「中年期の難聴」です。「喫煙」「うつ」「頭部外傷」「高血圧」「社会的孤立」などよりもリスクが高いのです。
AAICは「40歳からの20年間で難聴対策を何もしないことが、認知症の最大のリスクになる」と発表しています。

国際医療福祉大学熱海病院耳鼻咽喉科部長の中川雅文先生は、耳とコミュニケーション研究の第一人者ですが、「耳の血流改善のため」と、推奨している耳の周りのマッサージがあります。

耳の血流を一気に増やす「耳うらほぐし」と、耳の周囲の筋肉の緊張を緩める「側頭筋ほぐし」です。

中川先生自らも毎日実践して、健康長寿ならぬ、健康「聴」寿を心がけているのだとか。

ではここで、「耳うらほぐし」のやり方をご紹介します。

耳うらほぐしのやり方

①耳うらにある血流アップポイントを確認します。鎖骨から耳の裏に延びる「胸鎖乳突筋」という筋肉の付け根です。顔を横に向けたとき、首に浮き出る筋肉になります。

②耳うらの胸鎖乳突筋の付け根を、両手の親指で60~90秒間なでるようにほぐします。
※こするように強くやらないのがポイント!


『ゆほびか』2022年7月号では、「マスク、アクリル板で気になる人が急増! 聞こえにくい耳の悩みに〈耳うら・側頭筋ほぐし〉」と題して、それぞれの詳しいやり方をご紹介しています。

「最近、やっぱり聞こえにくい」と心当たりのあるかたは、どうぞお近くの書店、またはインタネット書店でお求めください。