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【それ、コロナ後遺症かも?】ひどい倦怠感、思考力の低下、気分の落ち込み……

後遺症の深刻さがまだ認知されていない

今年の夏は、コロナの患者数がこれまでにない勢いで増えましたが、皆さんは、いかがでしたでしょうか。

実は、熱が下がっても、「なんとなく体がだるい」という人が、少なからずいるようです。

これは「コロナ後遺症」(ロングコビッド)といって、コロナの状態が下火になったまま、静かに継続している状態のことです。

日本でいち早く「コロナ後遺症外来」を立ち上げ、これまで5000人近いコロナ後遺症の患者さんを診てきた平畑光一先生(ヒラハタクリニック)によると、8人に1人が後遺症に苦しむというデータもあるそうです。

症状としては、以下の14種類が確認されています。


倦怠感
気分の落ち込み
思考力の低下
頭痛
息苦しさ
不眠
体の痛み
動悸
食欲不振
発熱
セキ
脱毛
嗅覚障害
味覚障害

平畑先生によると、この中でも特に問題なのが、「倦怠感」と「思考力の低下」だそう。
これらは仕事を失う原因にもなり、ひどくなると寝たきりになってしまうこともあるのだとか。

「コロナ後遺症は、その深刻さがまだ認知されていないことも、大きな問題です。
症状のつらさに加え、周りの人にわかってもらえず、なかには悲観して自ら死を選ぶ人もいます。
たとえコロナの症状自体が軽くても、後遺症にならないとか、後遺症が軽くて済むというわけでは決してないということを、私たちはよく理解しておかなくてはなりません」(平畑先生)

コロナ後遺症にお勧めの「EAT」と「鼻うがい」

では、コロナ後遺症になってしまったら、どうしたらよいでしょうか。

平畑先生がイチ押しするのが、「上咽頭擦過療法(EAT)」。
昔は「Bスポット療法」と呼ばれたものです。

これは上咽頭(鼻とのどの間)に塩化亜鉛を綿棒を使ってこすり付ける治療法で、コロナ後遺症とも関連の深い「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」に対する効果が以前から指摘されています。

「コロナ後遺症の人ののどを見ると、ほぼ全員、上咽頭が腫れています。
上咽頭は脳に近い場所にあり、炎症物質が脳にいくと、脳にも炎症が起こります。
EATは上咽頭の炎症を抑えることで脳の炎症を鎮め、多岐にわたるコロナ後遺症の症状改善に効果が期待できるのです。
私は福岡の今井一彰医師(みらいクリニック院長)の元で、EATを受けたコロナ後遺症の患者さんの症状が改善していく様子を見て、『これは本物の治療法だ!』と確信しました。
EATは耳鼻科などで受けることができ、多くの場合、保険適応です。可能なら、ぜひ受けることをお勧めします。
ただし、この治療は全国、どの耳鼻科でも受けられるわけではありません。
また、上咽頭をこするので、とても痛い治療でもあります」(平畑先生)

また、セルフケアとして平畑先生がお勧めしているのが、「鼻うがい」です。

鼻うがいのやり方は以下のとおりです。

●用意するもの

100円均一ショップで売っているドレッシングやハチミツの容器に、濃度1~2パーセントの食塩水(ぬるま湯)を入れたもの。もしくは、市販の鼻うがい洗浄液

※濃度を間違えると痛いので注意

①洗面台に顔を突き出し、容器を片方の鼻の穴に入れる

②「あー」と声を出しながら、ボトルをギュッと押して洗浄液を鼻に入れる。
反対の鼻の穴から洗浄液が出てくるので、これを5秒ほど続ける。難しければ口から洗浄液を出してもOK

③反対の鼻の穴も、同様に行う

※1日2~3回、起床時や帰宅時に行う
※中耳炎の人、誤嚥(ごえん)しやすい人は行わない


現在発売中の『ゆほびか』2023年1月号では、このほか、「鼻うがい」と併用すると効果が倍増する「呼吸リハビリ」のやり方、整体師の浜田貫太郎先生によるコロナ後遺症に有効な「おなかほぐし」のやり方など、写真図解つきでご紹介しています。

ご興味のあるかたは、ぜひ書店でお手に取ってご覧ください。