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【超簡単指ヨガ】【指をそらす】だけで痛みと不調を解消、うつ・認知症も軽快!脳力もアップ!(後編)

前編から読む

骨折の痛みで眠れない夜も安眠できた

「指そらし」の最大の利点は、いつでもどこでも、誰でも簡単にできることです。

 全身でヨガを行うには、それなりの時間やスペースが必要ですが、指そらしは電車やバスに乗っているときやテレビを見ながら、お風呂の中など、思い立ったときにすぐできます。小さな子どもでも、体が動かない高齢者でも、手さえ動かせれば誰でもできます。

 また、傷や患部に直接触れず、背骨や腰、ひざが悪い人でも手だけで対応できるので安心です。私の母が転んで大腿骨を骨折したときにも、夜も眠れないほどの痛みを、指ヨガで手だけを刺激してやわらげることができました。手をもむことで毎晩安眠できるようになった母を見て、私もとてもホッとしました。

 下の「手と全身の相関図」を見ながら、例えば、頭痛や眼精疲労が強い人は中指を、肩こりがひどい人は人さし指と薬指を、ひざ痛がある人は親指と小指を、という具合に、該当する指をそらしてください。緊張が取れて、楽になっていくはずです。

 私自身も、先日、指そらしの効果を改めて実感する出来事がありました。緊急事態宣言の解除で、久々の講座があったのですが、人前に出て話すのが久しぶりだったので、登壇前に緊張してしまったのです。

「これはいけない」と思い、講義前に指そらしを行ったところ、心が落ち着き、自分らしく話すことができました。

 指そらしを行うと、硬くなった体も心も温かく柔軟になって、気持ちがゆったりしてきます。「人前に出ると緊張する」という人は、ぜひ指そらしをやってみてください。

指そらしを行うと緊張が取れて、脳のパフォーマンスも上がる!

イライラしていた母の性格が穏やかになった

 指ヨガは、痛みや症状の改善だけでなく、メンタル面での効果も大きいと実感しています。

 手のひらを温めながら、指を優しくそらしたり、もんだりすると、気持ちがいいので、それだけで心が穏やかになってきます。私が指ヨガを施術すると、安心して眠ってしまう人も少なくありません。私もさまざまなシーンで活用しています。

 身近なところでは、やはり母でしょう。母は脳梗塞を患ってから、それまでできていたことができなくなり、落ち込むことが多くなりました。また、穏やかな性格だったのに、できないことへのいらつきで、急に怒りだすこともありました。

 そんな母の手を取り、指をそらしたり、なでたり、もんだりしているうちに、だんだんと落ち着くようになったのです。

 そして、優しい口調で「ありがとうね」と、感謝の言葉を頻繁にかけてくれるようになりました。私も、そんな母がよりいとおしくなって、いっそう心を込めて介護するようになりました。

 認知症になると、人格が変わったように、かみついたり、暴れたりする人もいます。介護でご苦労されているかたは、ぜひ指そらしを取り入れてみてください。

 指そらしや手もみは、人にやってあげやすいことも大きなポイントです。足もみも効果は高いのですが、足は手よりも範囲が大きく、いつでもどこでもできるとまでは言えません。しかし、手や指なら気軽にもんであげられます。

不登校の生徒が学校に来てくれた!

 また、指そらしにはこのような効果もあります。私は以前、公立高校で8年間、非常勤講師を務めました。学校には不登校の生徒もいて、自宅に面談に行ったときに、言葉で説く代わりに、手をそらしたり、もんだり、背中をさすったりしたのですが、翌日から登校してくれるようになりました。心の中の硬くこり固まっていたものが、指を刺激することでほどけたのかもしれません。

 さらに高校では、こういう話もありました。「テストで実力が発揮できない」という生徒たちにテスト前に指そらしや指ヨガを勧めました。すると、「テストに集中できて、いつもよりできました!」と喜んでいました。「手はむき出しになった脳」「手は第二の脳」などと言われます。指そらしを行うことで、緊張がほぐれ、脳のパフォーマンスが上がったのでしょう。

 指ヨガで手をもむときは、「痛気持ちいい」程度の強さで行うのが基本です。指そらしの場合は、痛いというより気持ちいい程度でもいいでしょう。人にやってあげる場合は、相手の様子を見ながら力を加減してください。

 手や指にケガをしているという人以外、指そらしが不向きな人はいませんが、全身のヨガと同様と考えると、食事の後、すぐに行うのは避けたほうがいいかもしれません。

 手は健康のバロメーターです。毎日指を1本ずつそらしたり、曲げたりして、痛みや曲げにくさがあった指は、その指に対応する臓器に問題が起きている可能性があります。

 ぜひ毎日指そらしを実践して、病気を未然に防ぎ、毎日を健やかにおすごしください。

気の巡りをよくして痛み・不調を改善する指そらしの基本のやり方

1 親指以外の4本の指をつかんで、息を吐きながら、手首に向かってそらせる。手首ごとそらすイメージで行う

2 手の甲を反対側の手で包み、ゆっくり息を吐きながら、①と反対に手首ごと内側に折り曲げる

3 手のひらを内側に向け、腕を伸ばす。親指を内側に入れて手を握り、息を吐きながら小指のほうにゆっくり傾け、手首を伸ばす

4 最後にゆっくり息を吐きながら、両手をブラブラ軽く振り、手首と指をリラックスさせる

症状別指そらしのやり方

肩こり・五十肩に効く指そらし

テーブルなどに手をつけて、人さし指と薬指を痛気持ちいい程度にそらす

頭痛・首痛・腰痛に効く指そらし

テーブルなどに手をつけて、中指を痛気持ちいい程度にそらす

手をおなかにつけてそらしてもよい

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