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【愛新覚羅ゆうはん】対馬の「龍宮神坐」その②~魂が目覚める、古代の太陽信仰とつながる

その①から読む

〝生々しい〟神の御霊に触れられる場所を求めて

対馬に到着して私が最初に目指したのは和多都美神社でした。彦火火出見尊と豊玉姫命をお祀りする、龍宮伝説で有名な海宮です。

和多都美神社

評判どおり美しく、地上にいながら海の中にいるような無重力感を覚え、大いなる祭神の存在を肌で感じました。

その一方で、きれいにまとまった観光名所の感も拭えず、私はさらなる太陽信仰ミッションのために、もっとむき出しの自然物、生々しい神の御霊に触れることのできる場所を求めはじめました。

夜、Googleマップで地形を確認しつつ地理風水観点から次の日の目的地を決めることにしました。

対馬市のホームページによると、対馬の89%が山地だそうで、実にたくさんの山があります。そして、神坐があるのもだいたい山。いったいどこの山を目指そうか……。

偶然手にした対馬の本に「標高が低い山に神坐がある」とあるのを見て、地形からピンときたのが宝満山でした。

宝満神社の入り口を示す看板

宝満山はわずか200mほどの標高ですが、道のりはラクではありません。勾配が険しく、道なき道を進むという感じで、堆積した木の葉に足を取られたり、苔むした石や土にすべって転びそうになりながらも進みました。

あとで島の人に聞くと、滑落・骨折・遭難などの事故も少なくないそうです。私が登った2週間前にも遭難事故があったばかりでした。

その険しい道を無心に登っていくと中腹に拝殿があり、さらに進むと「奥の院」と呼ばれる大岩を祀った荘厳な石段があります。上(記事冒頭)にある写真の場所です。

中腹にある拝殿の鳥居。「宝満宮」と彫られている
「奥の宮」まではほとんど道なき道。原生林に悠久の時を感じる

海の中から地上の太陽を眺める感覚

急な山道を、まるで見えざる手に引かれるように進み、私が写真の場所に着いたとき、和多都美神社とはまったく異なる次元で、「海の中から地上の太陽を眺めている」という不思議な感覚に陥りました。

 ご神体はまさに山自体で、てっぺんに大岩が祀られ、手前にある石造りの祠の中には奉納品ともご神体とも思えるものが納まっていて「ここは龍宮だ……!」と。

「奥の院」にある像と小さな祠

あまりの神々しさが恐ろしくさえある、衝撃的な邂逅でした。ものすごく強力なエネルギーに満ちた場所なのです。感じやすいかたには、写真からでも伝わりくるものがあるかと思います。

とにかくこの場所で、私は「求めていたニライカナイ(※)の1つにたどり着くことができた」と、深い感慨に包まれたのでした。

※ 沖縄や奄美地方に伝わる異界の理想郷を示す言葉

次回③に続きます

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