●本稿は下記記事の続きとなります。
ゆほびかweb|【頭蓋骨を押してずれをリセット】すると小顔になる!視力もアップ!
骨の微妙なずれはレントゲンではわからない
「頭蓋骨を押して、頭蓋骨の骨の結合のずれを直せば、眼球が収まっている眼窩が広がり、目への圧力が軽減されて視力がアップする」というろっかん先生のご指摘は、眼科医として非常に興味深いと感じられました。
医者でも「骨は動かない」と思っている人は少なくありません。しかし、骨格は動きます。骨盤を例に考えてみてください。骨盤は、お産のときには緩み、赤ちゃんの頭蓋骨が産道を通り抜けやすいように少し形も変わります。
また、呼吸をするだけで胸郭(※)は動きます。頭蓋骨もしかりで、小さな収縮と弛緩を繰り返し、動いているのです。 ※肋骨や胸椎など胸部の外郭をつくるかご状の骨格
私の臨床経験でも、体の骨格のゆがみが目に悪影響を及ぼしている症例が少なからずあります。例えば、片目だけ緑内障で眼圧の高い患者さんが、整体で頸椎のゆがみを直したら、高かった眼圧が下がったのです。
頭蓋骨は28個の骨の集まりですが、骨の構成が微妙にずれると目に悪い影響が及ぼされることは、じゅうぶんに考えられます。
レントゲン検査では、骨折の有無はわかりますが、骨の位置が1㎜以下の単位でずれているかどうかまではわかりません。
眼科に限らず、現代西洋医学の医者は検査結果のデータばかりを重視して、患者さんの体に直接触れる機会が少なくなっています。その結果として、患者さんの体の微妙な変化や異変を感じ取る感覚は鈍っていると思います。
眼圧が正常値に戻って強度近視が改善した症例も
清水先生がご指摘されているように、頭蓋骨のずれを正し、頭蓋骨を構成する骨を本来あるべき位置に戻せば、狭まっていた眼窩は元通りに広がると思います。
眼窩が広がることによって、眼球周辺の血液やリンパ液などの体液の循環がよくなると、目につながる神経の働きもよくなります。
東洋医学でいう気(生命エネルギー)の流れもまたしかりです。それらの総合的な結果として、疲れ目やかすみ目が楽になるのはもちろん、視力が回復したり、高かった眼圧が下がったりすることも起き得るでしょう。
眼球の内部は、硝子体という透明なゼリー状の物質で満たされており、目のレンズにあたる水晶体や、目から入った光が像を結ぶ網膜には、血管がありません。
血液の代わりに、眼球内に酸素と栄養を届ける役目を果たしているのが、羊様体という組織で作られる房水という無色透明な液体です。
房水には、眼圧を調整する働きもあります。毛様体で作られた房水は眼球内を通り、隅角という部分から目の外へ排出されていきますが、房水の産生が異常に高まったり、房水の出口が狭かったり目詰まりしたりして、房水の流れが悪くなると、眼圧が高まります。
房水を作る毛様体には毛様体筋という筋肉があり、この働きにより水晶体の厚みが変わり、目のピント調節が行われています。
近くを見続けるなど目を酷使すると、毛様体筋が緊張し、その結果、房水の産生が高まり、眼圧の上昇を招くこともあります。
眼圧が上がり視神経が圧迫されるのは、緑内障の主な原因の1つです。また、眼圧が高い状態が続くと、眼球が前後に長く伸び、これが近視の進行を加速させます。
眼圧が高まることは、緑内障にとっても近視にとってもよくないということです。なお、眼球の前後方向の長さ(眼軸長)が異常に長く伸びた強度近視は、治らないと考える医師も少なくないようです。
しかし、眼圧が正常値の10㎜Hg以下まで下がってきたことで、眼軸の長さが縮んで強度近視が改善した症例を、私は経験しています。
頭や顔の緊張が緩むと精神的にもリラックスする
一般的な眼科では、目薬で眼圧を下げる以外に有効な治療法はほとんどありません。しかし、現代医学以外に眼圧を下げるような手立てがあれば、それを積極的に活用することも、治療の手助けになるでしょう。
その意味でも、「頭蓋骨押し」は大いに利用価値があると思います。頭蓋骨に強い力を加えるような方法は危険性もありますが、自分が気持ちいいと感じる力加減で行うのであれば、安全性は高いと思います。
心地よい刺激を加えることで、頭や目の周囲の筋肉の緊張が緩めば、精神的なリラックス効果も得られるのではないでしょうか。
体のどこかが緊張してこわばると、血液やリンパ、気の流れも悪くなり、さまざまな不調につながってしまいます。頭蓋骨を押して、頭や顔を心地よく緩めると、目の不調解消だけでなく、健康維持にも有効だと考えます。
頭蓋骨がずれると眼窩が狭くなり緑内障や近視の原因に
「骨は日々小さな収縮と弛緩を繰り返して動いており、下図のようなしくみで眼窩が狭くなると、緑内障や近視の原因になることも。狭くなった眼窩を、頭蓋骨を押して再び広げると、疲れ目やかすみ目が楽になるばかりか、視力回復や眼圧の正常化も期待できます」(本部医師)
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