ひすいこたろうさんは、独特の言葉の感性で、ものの見方や考え方を伝える達人です。多くのベストセラーを送り出し、その著書を読んで救われたという人は数知れません。今回は、読み終わった瞬間に、どんな人でも一瞬にして幸せなお金持ちになる「ごきげん長者の法則」を提言してくれました。想像を超えるハッピーが雪崩れ込む、その驚きの思考の真髄に触れてください。
ステップ③ 「×の過去を◯にする」
「時空力」というコンテンツで人気の佐藤由美子先生とコラボさせていただいたとき、由美子先生は「過去の認識が変わると未来が変わる」とおっしゃいました。ひすいも時空を研究していますから、たしかにそのとおりだって感動したんですね。
由美子先生はこうおっしゃっています。
「過去にバツを出していることは、未来にバツを出していることと同じなのです」
過去、「これでよかったんだ」と過去の出来事の真の意味を受け入れた瞬間に、「これでよかった」未来にシフトするんです。
これは、トラウマ的な過去だけではなく、なんとなく不安といった過去にも劇的に効くそうで、けっきょく、「大丈夫だよ」と過去に伝えてあげられた瞬間に 「何があっても大丈夫」な未来にシフトするのだとか。つまり、過去をとらえ直すことで、未来を変えられるのです。
僕は、先ほど述べた、尊敬する先生を激怒させてしまった体験から、「幸せとは、淡々と過ぎていく普通の毎日である」ことに深く気づくことができました。
人生の大きな気づきは、どん底に落ちていたのです。それがわかったので、僕は過去の体験のつらかったことをすべて書き出して、そのとき、どんなことを得たか、どんな成長を果たしたかを書き出したことがあるんです。そのときにわかったことは、つらかったことすべてが大いなる人生のギフトであったことです。それは一つの例外もなく。
どん底の時期にこそ人生の宝物が落ちている
ここからは、少し長くなりますが、僕の体験におつきあいください。
下図は、心理学で「ライフライン」といいます。生まれたときから現在までの時間軸を横に縦軸に人生の浮き沈みを線で描きます。
例えば、僕の場合でいうと、いちばん最初の谷である①は、僕の幼稚園時代のトラウマです。これを書くととっても長くなっちゃうので今回は省かせてもらいますが、知りたいかたは、『3秒でハッピーになる 超名言100』に書いてありますから、よろしければお読みくださいね。
今回は、僕の人生のライフラインの谷底②から説明しますね。
僕はもともと赤面症で人見知りで、女性とは目と目を合わすことすらできなかったんですね。大学のサークルに入ったときも、明るいみんなとはなじめずに端っこで独りポツンと座っていると、「なに、さっきから怒ってるんだよ」と先輩に怒られました。「怒ってるんじゃないんです。ただ暗いだけなんです」。そう、うつむいたまま答えた僕は、ここには僕の居場所がないとサークルも3日でやめました。
そんな人見知りな僕がよりによって社会人になると、一番やりたくなかった営業職に配属になってしまったのです。だから、売れない、売れない。当時は相手の目を見て話せませんから、うつむき気味に資料を見ながらボソボソ話していたんですが、あるとき、ふと顔をあげて見たら、相手が熟睡していたことがあるんです。
僕のグテグテな営業トークに退屈して、いつの間にか寝ていたんです。僕はショックで、「この人いつから寝てたんだろう」と思ったんですが、このとき、営業トークをこのまま続けていいのか、やめていいのか、悩んだんですね。
で、ふと思いました。僕が今、直面しているこの悩み。寝てしまったお客さんを前に、説明を続けていいいのか、やめていいのか、この悩みは下手したら、宇宙でいちばん小さな悩みじゃないかって。僕は、今、宇宙でいちばん小さな悩みを、こんなにも大いに悩んでいるって。
僕は営業マンに向いてないって気づいた瞬間です。もう、この会社で営業マンとしてやっていくには、会わずに売る方法を見つけるしかない。でも、そんな方法あるわけない……社会人としてどん底の瞬間です。
でも、やっぱりどん底に宝物が落ちていました。はっと気づいたんです。お客さんに会わずに売る方法は目の前にあったと!
悩みが天職への扉を開いてくれた!
僕は、通販会社に商材を売り込みに行く営業マンでした。僕が毎日営業に行っている通販会社は、通販カタログを届けて販売していました。つまり、お客さんに会わずに販売していたわけです。
目の前に、会わないで売るプロフェッショナル集団がいたのです。そうだ! 彼らから、広告を作る秘訣を教わればいいんだと思いついたのです。以来、営業に行くたびに、通販カタログのどのページがいちばん売れたのか、そして、どうしてその商品がいちばん売れたのか、教えてもらうことにしたのです。
それでまずわかったのは、売れる通販会社はカタログのわずか1ページで4000万円とか普通に売れるとわかったんです。文字と写真だけで1ページで4000万円も売れると聞いてゾクゾクしました。僕も広告を作れるようになればいいんだとわかり、通販カタログのいちばん売れたページを教わり、それこそ写経のように書き写し、文章の書き方を独学で学んでいったのです。
そして、見よう見まねで広告を作り、通販会社に週1回ファックスで送り、「興味がある。説明に来て欲しい」と言われた会社にだけ営業に行くようにしたんです。先方から話を聞きたいと言ってくれるところだけ営業に行くようになったので、心の負担がずいぶん軽くなりました。
広告もただ商品広告ではおもしろくないので、楽しく読んでもらえるように工夫を重ね、広告の上に、おもしろいエピソードや名言を編集した「ひすいコラム」なるものを書くようにもしました。
例えば、歯医者さんでたまたま開いた女性誌に木村拓哉さんのインタビューが掲載されていて「手を抜くほうが抜くほうが疲れる」という言葉を目にしたときは、そのエピソードを書いて、「手を抜くほうが疲れるって格好よくないですか?」という見出しでファックスしたんです。すると電話がいっぱいかかってきました。「手を抜くほうが疲れるって格好いいね」と。
で、「いい言葉を教えてくれてありがとう。君は毎週ファックスを送ってくれて熱心だね。そういえば君が最初に営業に来たときは、ボソボソと何を話してるのかよくわからなかったけど、今度はちゃんと話を聞くからもう1回来ないか?」とか言っていただき、ファックス広告を送るようになって、1年でナンバーワン営業マンになれたのです。
そして、たくさんの広告を作るうちに、お客さんに楽しんでもらうコラムを書くほうが広告を作るより楽しくなってきて、そのコラムをブログに移行して書き始めたことが作家の道へとつながっていったのです。
過去にマルをつけた瞬間マルな未来がやってくる
今、僕ははっきり言えます。
神様、僕を人見知りにしてくれてありがとう。
神様、僕を赤面症にしてくれてありがとう。
神様、僕に孤独で寂しい時間をプレゼントしてくれてありがとう。
神様、僕をいちばんやりたくなかった営業という仕事に配属させてくれてありがとう。
だって、だからこそ、どうすれば心が明るく生きられるか知りたくて僕は学び始め、そしてやりたくなかった営業という仕事で、僕は書いて伝えるという楽しさを知ることができた。
僕はもともと書くことが好きではなかったので、営業職につくことがなければ一生、物書きという仕事に出会うことはなかったでしょう。
ちなみに、ライフラインの③は、妻と離婚するかで悩んでいた時期です。どうすれば夫婦関係がうまくいくんだろうと探し回り、そのときに学んだ心理学、ものの見方で、いまや本が何十冊も書けるほどになりました。妻に感謝ですね(笑)。
逆風は振り返れば、追い風だったことに気づける。これが人生のカラクリです。
いつの日か、振り返ったときにわかる日がくるんです。すべてはいつかのいい日につながっている。すべての悩みはギフトであったことに。
あなたも一度、ちゃんと時間を取って、過去を丁寧に振り返ってみてください。今つらいことは、その意味がまだわからないと思います。でも乗り越えてきた過去は、「そのおかげで」というものもあるはずです。そして、過去にマルをつけた瞬間、マルな未来がやってくるのです。
どんな過去も、未来ではあなたのギフトに変わっているということを信じてみてください。何が起きたって、すべてはいつかのいい日につながっていくんです。そのことがわかってくると、毎日をごきげんに過ごせる、ごきげん力が、がぜんアップしますから。
すべての問題はあなたの愛を深めるために存在している。そう思ったら、日々をよい悪いで見なくなります。起きる出来事を淡々と受け入れ、認め、ゆるし、愛していくだけなのです。
(次回に続きます)