1日大さじ1~2杯のお酢をとると、それだけで体重が減り、血圧も下がるという研究結果があります。でも、お酢をそのまま飲むのはちょっとハードルが高いですよね。
お酢の研究が専門の大学教授は、飲み物とお酢の「味の相性」をさまざま試しました。そして発見したのが、グレープフルーツジュース。お酢を小量入れて飲むと、アラ不思議、ジュースだけで飲むよりおいしいのです! 名付けて「グレープフルーツジュー酢」。どうぞお試しあれ。
お酢の健康効果をおいしくいただく「グレープフルーツジュー酢」の作り方
材料
お酢 大さじ1/2(7.5㎖)
ジュース(お好みのドリンク) 200㎖
氷 好みで
作り方
1 グラスにお酢を入れる(氷は好みで)
2 ジュース(お好みのドリンク)を注ぎ入れる
3 かき混ぜて完成
memo
お酢は、醸造酢であれば種類は問わない。
お酢の量は、大さじ1/2から始めて、慣れてきたら大さじ1に増やしてもいい。
学生が研究課題でグレープフルーツジュースを試した
グレープフルーツジュースとお酢を合わせるととてもおいしいことがわかったのは、私の研究室の学生が研究課題でグレープフルーツジュースを試したのがきっかけでした。
グレープフルーツには糖が含まれていますが、糖はお酢の刺激を和らげ、胃の粘膜を保護してくれます。お酢をすきっ腹に飲むと、胃に刺激を与えてしまうので、継続して飲むためには、糖とお酢はセットにするのがお勧めなのです。
また、糖の甘みがお酢の酸味を抑えてくれて、飲みやすくなるというメリットもあります。
より健康効果を求めるならピンクグレープジュース
また、グレープフルーツには苦みもあります。ポリフェノールの一種であるナリンギンが含まれているためですが、苦みもお酢の酸味を抑えてくれます。
このようにグレープフルーツには、甘みも苦みも含まれるため、お酢の酸味をちょうどよく和らげて、飲みやすくなるのです。
また、グレープフルーツにはクエン酸が含まれていますが、クエン酸と酢を混ぜると酸味が和らぐこともわかっています。クエン酸と酢の酢酸の割合は、5対5だとすっぱく、6対4の割合だとごくごく飲める酸味になりました。
クエン酸には疲労回復効果があり、夏バテしやすいこの時期にぜひとっていただきたい成分です。
グレープフルーツのなかでもピンクグレープフルーツは、リコピンが含まれ、抗酸化作用が期待できます。抗酸化作用は、細胞の老化防止につながるので、より健康効果を求めるかたはピンクグレープフルーツのジュースを選ぶとよいでしょう。
リコピンが多い食材といえば、トマトがあります。トマトジュースにお酢を合わせた「トマトジュー酢」を作るのもお勧めです。
夏場は水分の補給をかねて、糖分が含まれるスポーツドリンクにお酢を入れて飲むのもお勧めです。
Q&A
お酢の種類は? 飲むタイミングは? 夏バテ・熱中症予防にもなる?
お酢は種類によって効果が変わりますか?
A お酢のダイエット・高血圧予防効果は、お酢に含まれる酢酸の作用によるものです。酢酸が主成分の酢であれば、米酢、穀物酢、黒酢、リンゴ酢、ワインビネガー……などのいずれも変わりはありません。
一方、もろみ酢には酢酸は含まれず、クエン酸が主成分となっています。もろみ酢による、ダイエット・高血圧予防効果は実証されていないので注意しましょう。
さらに、乳酸菌のみで作られたヨーグルトの酸味は乳酸によるもので、酢酸は含まれていません。
目的によって飲むタイミングとか変わりますか?
A ダイエットの場合は、1日2回、朝と夜で合計30㎖のお酢が入った飲料を継続してとることで、体重や内臓脂肪、皮下脂肪の減少効果が得られたという実験結果があります。とるのをやめると元に戻ってしまうので、継続して飲みましょう。
高血圧の人は、15㎖のお酢が入った飲料を飲むと、すぐに血圧が下がる場合があるため、ご自身が血圧が上がりやすい時間帯に合わせて飲むことをお勧めします。
降圧効果は2週間以上、継続してお酢をとったあとに表れることが多いので、継続して飲むことです。
効果はどのくらい続きますか?
A ダイエットの場合、1日2回、朝と夜にお酢を3カ月間飲み続けると、体重が減ったというデータがあります。一方、飲むのをやめると、4週間後には元の体重に戻ってしまうこともわかっています。継続して飲み続けることが、体重を増加させないポイントです。
高血圧を下げる効果を期待する場合、高めの血圧を抑えてくれるお酢の力は、摂取初期では4時間程度しかもたないというデータがあります。お酢は体内で速やかに代謝されるため、それ以降は血圧が戻ってしまうのです。
夏バテや熱中症予防にお勧めなのは?
A 飲料にお酢を入れて、酸っぱすぎると飲みにくいので、継続するには、飲みやすい飲料を選びましょう。
疲れをとってくれるクエン酸入りのグレープフルーツジュースと合わせると、夏バテ予防になります。
糖が入ったスポーツドリンクにお酢を入れると、飲みやすく、ごくごく飲むことができるので、熱中症予防にもなります。
ジュースに含まれる糖分が気になるときは?
お酢は血糖値の上昇を緩やかにする作用がありますし、30㎖のお酢を入れたジュースを1日2回に分けて飲む程度であれば、糖質を気にする必要はありません。
ただし、病気などで糖質制限をしている場合は、医師に相談してから飲むようにしてください。