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混ぜるだけ美味!【グレープフルーツジュー酢】(①)高血圧、夏バテ、熱中症予防にも!

 1日大さじ1~2杯のお酢をとると、それだけで体重が減り、血圧も下がるという研究結果があります。でも、お酢をそのまま飲むのはちょっとハードルが高いですよね。

 お酢の研究が専門の大学教授は、飲み物とお酢の「味の相性」をさまざま試しました。そして発見したのが、グレープフルーツジュース。お酢を小量入れて飲むと、アラ不思議、ジュースだけで飲むよりおいしいのです! 名付けて「グレープフルーツジュー酢」。どうぞお試しあれ。

お酢を1日大さじ1~2杯とるだけでダイエットになり血圧も下がる

 私はこれまでお酢が持つ健康効果に着目し、さまざまな研究を行ってきました。

 例えば、ダイエットの研究では、1日2回、朝と夜にお酢を3カ月間飲み続けたところ、体重が減ったというデータがあります。この試験は、BMIが25~30の肥満傾向にある男女155名が参加しました。

 BMIは、体重(㎏)を身長(m)の2乗で割った値で、日本肥満学会の定めた基準では25以上が「肥満」に分類されています。

 参加者を、お酢を含む飲料を15㎖飲むグループ、30㎖飲むグループ、お酢を含まない飲料を飲むグループの3つに分け、それぞれ朝食後と夕食後に分けて飲んでもらいました。

 その結果、お酢を含む飲料を飲んだ2つのグループは、お酢を含まない飲料を飲んだグループと比べ、体重、内臓脂肪、BMI、腹囲、血中中性脂肪値が、それぞれ低下したのです。

 体重は、30㎖のお酢のグループが平均1.9㎏、15㎖のグループが平均1.2㎏減少しました。

 さらに、毎日30㎖のお酢を朝晩飲むことで、皮下脂肪が減少することもわかりました。

 これまで内臓脂肪を減らす食品はありましたが、皮下脂肪の減少も示すものは、非常に珍しいのではないでしょうか。

●毎日お酢を飲んだら体重も体脂肪も減った

 このようにお酢にはダイエットに効果が期待できることは実証されている一方、お酢を飲むことをやめると4週間後には元の体重に戻ってしまいます。

 そのため、お酢を継続的に飲み続けることがポイントになります。

エネルギーが燃焼しやすく脂肪がつきにくい

 では、なぜ、お酢をとると体重が減るのかをお伝えしましょう。

 お酢の主成分である酢酸を継続的にとると、肝臓で脂肪の合成を抑え、脂肪酸の燃焼を促進させる酵素が活性化されます。

 酢酸は、ブドウ糖や脂肪酸の脂肪細胞への取り込みを防ぎ、脂肪細胞が大きくなるのを抑えてくれる作用もあります。

 さらに、お酢はエネルギーを熱に変えやすくし、エネルギーの消費量をアップしてくれます。そのため、食事でとったエネルギーが燃焼しやすくなり、脂肪がつきにくくなるのです。

 酢酸のこれらの働きが、体重や内臓脂肪、皮下脂肪の減少につながっているのでしょう。

 一方で、先ほどご紹介した試験結果は、BMIが25から30の肥満の人を対象としています。BMIが25未満の人については、肥満の人のような大きな減少は見られないことが推測されます。

 だからといって、BMIが25未満の人にお酢のダイエット効果がないわけではありません。お酢は脂肪細胞の肥大化を防いでくれるため、体重増加を抑えて、肥満になるのを予防してくれる可能性があります。

 そのため、肥満ではない人も体型キープのためにぜひお酢をとっていただきたいと思います。

血圧は高い人は下がり高くない人は変わらない

 お酢は、高血圧に効果があることもわかっています。

 私が関わった試験では、血圧が高めの男女51名を、お酢なし飲料、お酢15㎖を含む飲料、お酢30㎖を含む飲料の3グループに分け、8週間、毎朝飲んでもらいました。

 その結果、お酢を含む飲料を飲んだ人は、お酢を含まない飲料を飲んだ人と比べて、血圧が低下したのです。平均で最高血圧が10~15㎜Hg、最低血圧は5~7㎜Hg低下しました。

●毎日お酢を飲んだら上も下も血圧が下がった

 血圧の低下幅は、もともとの血圧が高かった人ほど大きく、少し高めという程度の人はゆっくり低下していく傾向がみられました。

 いずれの人たちも、最高血圧が120~130㎜Hg程度まで下がると横ばいになり、そこから大きく下がることはありませんでした。

 この試験では、毎日お酢を飲んだ人たちの約7割に血圧を下げる効果があることがわかりましたが、残りの約3割の人たちの血圧はほとんど変化しませんでした。その理由については、まだ判明していません。

 また、低血圧の人がお酢を飲んで、血圧が下がるということはなく、大きな血圧の変化はみられないことがわかっています。さらに、お酢を飲む時間帯も大事です。

 上記の試験では、朝起きてすぐにお酢を飲んでいただき、その2時間後以降に血圧を測っています。お酢は高めの血圧をすぐに抑える力がありますが、その効果は4時間程度です。そのため、自分の血圧が高くなりやすい時間帯に合わせて、その前にお酢をとることをお勧めします。

 夜中に血圧が高くなりやすい人は夜寝る前に、午前中に血圧が上がりやすい人は起きてすぐにお酢をとるのがよいでしょう。仕事の会議でストレスを感じて血圧が上がる人は、その前にお酢をとってください。

 また、こういった血圧を下げる作用は、お酢を2週間継続摂取した以降に期待できるので、毎日お酢を飲むことが推奨されるのです。

 お酢の種類については、血圧を下げる効果を比べた結果、黒酢とリンゴ酢で差がないことがわかっています。醸造酢であれば、穀物酢や米酢など種類は問いません。

 一方、もろみ酢には酢酸が入っておらず、クエン酸が主成分なので注意しましょう。ヨーグルトに含まれる乳酸も同様で、酢酸と同じ効果を得ることはできません。

何と合わせると飲みやすいか試行錯誤の日々

 このように、お酢にはダイエットと血圧を下げる効果があることがわかっていますが、お酢だけをそのまま飲むと胃の粘膜を荒らしてしまいます。

 そのため、お酢を何かで割って飲むのがいいのですが、何と合わせるとおいしいのか、私自身、いろいろ試行錯誤をしてきました。

 なかでも注目しているのが、グレープフルーツジュースとお酢の組み合わせです。お酢を入れて飲むと、ジュースだけを飲むよりもおいしくなり、さらにお酢の健康効果を取り入れることができます。

 次の項目で、お酢を混ぜるだけで簡単にできる「グレープフルーツジュー酢」の作り方をご紹介しますので、ぜひ皆さんも飲んでみてください。

 ただし、降圧剤を飲んでいるかたは、急に薬をやめると病気の悪化につながる可能性があるので、必ず医師にご相談のうえお飲みください。

(②に続きます)