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【本田健】かけがえのない仲間を作って人生を実り多きものにする(その①)

「仲間」は、人生を実り多きものにしてくれる、福の神のような存在です。

ときに、あなたの運を高め、ときに、あなたの孤独を癒し、ときに、あなたの窮地を助けてくれます。

あなたの長所も短所も受け入れて、いっしょに時間をすごしてくれます。

この記事では、すてきな「仲間」を見つけ、友情をはぐくむための、楽しい知恵を作家・本田健さんがご紹介します。

●本記事は『ゆほびかGOLD』vol.22の記事を再編集したものです。

①仲間の存在が人生の幸福感を左右する

 幸せな人生を送るために、いちばんたいせつなものは何でしょうか。

 長年、幸せの研究を続ける中で、それは、お金でも、社会的地位でもなく、「人間関係」だということがわかってきました。

 特に、身近な家族との関係が、人生の幸福度を大きく左右することに気づいてからは、「家族の和解」というテーマに取り組んできました。

 その取り組みの中で、わかったことがあります。

 幸せに生きるためには、家族と同様、友人や仲間の存在が欠かせない、ということです。

 試しに、「今いちばん楽しいのはどんなとき?」と尋ねてみると、「家族と過ごす時間」を挙げる人と同じくらい、「友だちと盛り上がっているとき」という回答が多いものです。

 20代の初めごろ、私は、アメリカの老人ホームに、長期間滞在したことがあります。そのときも、人生の大先輩たちに「いちばん楽しかったこと、苦しかったことは何ですか」と尋ねてみました。

 すると、仲間と旅行したことやワイワイ騒いだことのほうが、仕事で何かを達成したことよりも楽しい、という人がほとんどでした。

 利害関係がない仲間との楽しい時間が、実はすごくかけがえのないものだということに気づきました。



 70代、80代のかたが、目を輝かせて、少年・少女時代のことや、部活の思い出を話す様子が印象に残っています。

 野球が楽しかったとか、かくれんぼが楽しかったとか……みんなで何かをやるのが、人は楽しいと感じるのかもしれません。

 人間は、群れを作る動物なので、「グループの中で楽しい」ということは、不思議なほど、人生の幸せにつながるようです。

 ところが、実際には、人間関係では、楽しいことがたくさんある一方で、残酷なことも起こります。「学生時代なんて、二度と思い出したくない」という人だっているでしょう。

 人間関係で苦労した経験は誰でもあると思います。それは、たいせつなことであるにもかかわらず、人間関係の知恵を体系的に教わる機会が、家庭でも学校でも職場でも、ほとんどないからです。

 本連載では、楽しい仲間を作るにはどうしたらいいか。そのヒントをご紹介していきましょう。

(次回その②に続きます)