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【速聴き】【速読】で脳が鍛えられ活性化すると脳研究の世界的権威も推奨

脳を鍛えると人生が変わると科学が証明

近年、脳科学の発展によって、脳の働きが次々と解明されています。その成果は実社会にも応用されており、ビジネスやスポーツなど、さまざまな分野で脳科学を取り入れて成功する人が増えています。脳を鍛えれば人生が変わることが、科学的に証明されつつあるのです。

では、豊かで幸福な人生を歩むためには、どんな脳の鍛え方をするのがよいでしょうか?

まず大まかに言えば、脳の外側の前半分、「前頭葉」の働きが肝心です。前頭葉には、「前頭連合野(前頭前野)」「運動連合野」「運動野」といった領域があります(左図参照)。人間の知的能力や身体能力を主につかさどる領域です。

理想の人生像は人それぞれでしょうが、「考えたり、判断したりする知的能力が高い」ことと「体が健康でよく動く」ことは、どんな人にも重要なはずです。
 ことに前頭連合野は、理解力や判断力、決断力などを発揮し、問題解決や自己実現をするために、最も重要な働きをする、言わば、「脳の最高司令塔」です。

外部から視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の五感を通して入ってきた「情報」は、脳のそれぞれの「感覚野」に伝えられ、その感覚情報が「感覚連合野」に伝わり、認知されて、初めて「それがなんなのか」を示す真の情報になります。

その感覚連合野から寄せられた情報を「前頭連合野」という部分に集め、考える、判断する、推理する、創造するといった「頭を使う」活動、すなわち人間ならではの活動をすることになるわけです。

ですから「頭がよい人」は、「前頭連合野が発達した人」と言い換えてもいいかもしれません。

この前頭連合野を鍛えるための鍵となるのが、前頭連合野の中でも「46野」と名づけられた部位が担う「ワーキングメモリ(短期記憶・作業記憶)」です。ワーキングメモリとは、「なにかをするために一時的に覚えておく記憶」や、それを覚えておく能力のことです。

例えば、夕飯にハンバーグを作ろうと、「スーパーに行き、ひき肉とタマネギを買う」と覚えておく。電話をするために、手帳に書かれた電話番号をプッシュボタンを押すまで覚えておく。このような、目的を達したらすぐに忘れてしまって差し支えない、ごく短期間の記憶です。

けれど、このワーキングメモリの容量、すなわち「一時的に覚えていられる能力」が、人間らしく生きていくためにはとても大事なのです。と言うのも、前頭連合野が働くときには、必ずワーキングメモリを使うからです。

たとえるなら、ワーキングメモリは、前頭連合野を働かせて知的な活動をする際の「作業机」に当たります。作業机が広ければ、必要な資料を広げたり、よく使う道具を手近にそろえたりできて、作業がスムーズに進みます。

ところが、作業机が狭くてゴチャゴチャしていると、必要な資料や道具が見つからずに、作業の効率が悪くなってしまいます。同じように、ワーキングメモリの能力が高くないと、前頭連合野がじゅうぶんに働けないのです。

このワーキングメモリは、訓練しだいで覚えていられる量が増えることが明らかになっています。速聴や速読は、脳のワーキングメモリの働きを高めるのに、とても効果的な方法です。ふだんより速い音声を聴き取ったり、文章を速く読み取ったりするためには、必然的にワーキングメモリの容量を増やさなければいけませんから、よい訓練になるわけです。

実際に、以前、東北大学の川島隆太教授らと私が共同で行った研究では、速聴によって前頭連合野が活性化することを明らかにすることができました。

大事なのは、ただ漠然と聴くのではなく、言葉に積極的に注意を向けて、内容を理解しようとすること。これを継続的に行うと、ワーキングメモリの働きが高まり、前頭連合野も活性化していきます。

その結果、理解力や決断力などが上がれば、人生のさまざまな場面でよい結果を得られるでしょう。

例えば、人との会話で、相手の言っていることが瞬時に理解できれば、それに対してなんと返すのがいいのかを考える余裕ができ、よりよい受け答えができます。結果的に、コミュニケーションにも自信が持てるようになるでしょう。

理想の自分をイメージしながら行うと効果アップ!

速聴や速読の効果をさらに高めるには、「楽しんで取り組む」ことが大事です。なにごとであれ、「楽しい」「気持ちいい」と感じるような行為は、脳の「腹側被蓋野」や「側坐核」を活性化させます。それがスイッチとなり、脳全体の働きを高めることにつながっていくのです。

腹側被蓋野が活発に働くと、ドーパミンという快楽を伝達する脳内物質が分泌されます。その影響によって、思考をつかさどる前頭連合野も、体の運動をつかさどる運動野や運動連合野も、記憶を助ける海馬も、すべて働きがよくなることがわかっています。

また、側坐核が活発に働くと、気持ちがよくなり、やる気が出てきます。目的の達成に向かい、集中して行動を続けられる状態になるのです。ですから、「速聴き&速読」をする際には、義務的に取り組むのではなくて、「楽しもう」という意識を持って行いましょう。

例えば、「こうなりたい!」という理想の自分や夢をイメージして、ワクワクした楽しい気持ちになってからトレーニングを始めると、とてもいいと思います。ドーパミンの効果で、ワーキングメモリの働きも高まりやすくなり、より大きな効果が期待できるでしょう。

また、最初はうまく聴き取れなくても、高いモチベーションをもって繰り返すうちに聴き取れるようになり、達成感を覚えて、さらに楽しくなるはずです。

なかなか速聴きができない場合は、焦らずに、発想を変えて、「音楽を楽しむ」ように聴くのもいいと思います。言葉のリズムや音程に意識を向け、気持ちよく感じるまで繰り返し聴けば、脳全体の活性化によって、しだいに内容も理解できるようになるでしょう。

●本稿は『頭の回転が3倍速になる! 「超速脳」養成CDブック』(マキノ出版)から抜粋再編集したものです。

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