こんにちは、中の人<マ>こと、松風五郎です。前回お伊勢まいりへ行ってからちょうど1年、早朝参拝の感動もあり是非またお伊勢まいりをしたいと思い立ちました。しかし先立つものが…。そこで格安旅行の強い味方、JR全線乗り放題になる定番の企画乗車券「青春18きっぷ」を使い、2021年12月の週末に在来線を利用して「ゆほびか(ゆったり)な」お参り旅をしてきましたので、その様子をレポートします。
(※)2020年12月のお伊勢まいりの様子はこちら(全5回です)
(※)2021年4月の東国三社めぐりの様子はこちら(全3回です)
(※)2021年11月の安房国一ノ宮めぐりの様子はこちら(全2回です)
(※)2021年11月の武藏国一ノ宮めぐりの様子はこちら(全2回です)
「青春18きっぷ」とは
「青春18きっぷ」とは、JR全線(JR東日本BRT、JR西日本宮島フェリーを含む)の普通列車・快速列車の普通車自由席が利用期間中の1日乗り降り自由になる企画乗車券です。1人1日利用を1回として、5回分利用できて、12,050円(2021年シーズン・こども同額)で発売されています。複数人利用も認められているので、1人で5日(5回)の利用としても、5人で1日(5回)としても利用できます(ただし同一行程の場合)。単純に発売額を5で割ると、1回あたり2,410円の計算です。
ただし注意しなければならないのは「普通列車・快速列車の普通車自由席」が利用できるというもの。つまり特急や新幹線は利用できず、もし利用する場合は、その区間の特急料金に加え普通乗車券を別途用意しなければなりません(一部特例区間あり)。特急や新幹線の運賃部分を青春18きっぷで充てることは認められていないのです。なお座席指定券や自由席グリーン券、ライナー券を別途購入すれば、快速や普通列車の指定席や自由席グリーン車、ホームライナーを利用できます。その他の注意点はJRのホームページなどで確認してみてください。
ちなみに東京エリアからひたすら西に進んだ場合、品川駅を4時35分に出る列車に乗ると、途中11回乗り換えて、福岡県の小倉駅に翌0時05分に到着できます(青春18きっぷは日をまたぐ場合、東京圏・大阪圏を除き0時を過ぎた最初の停車駅まで有効)。この間の運賃は13,420円ですので、青春18きっぷ1回分(2,410円)との差は11,010円です。時間的な余裕と、ひたすら各駅に停まる普通列車ないしは快速列車に乗り続けられるだけの体力的かつ精神的なタフさがあれば、かなり安価で長距離移動が可能になるわけです。
「青春18きっぷ」という名称ですが、若者に限ったものではなく年齢不問です。夏、冬、春の年3回設定があります。今回は2021年冬期(2021年12月1日~31日の発売、12月10日~2022年1月10日までの利用)で、2021年12月25日~26日に利用しました。
ずっと普通列車、さすがに疲れる
前夜のジングルベルの余韻が聞こえてきそうな12月25日、まだ外は真っ暗なクリスマスの早朝5時過ぎの東京駅は、意外にも人が出ています。クリスマス寒波が話題になっていた通り、ホームに上がると寒さがしみます。ただエキナカ店舗はまだ開店していませんので、地元のコンビニで購入しておいたおむすびを携え、東京発の一番列車となる東海道線の沼津行きで、一路西を目指します。
・JR東海道線 東京 5:20発 → 三島 7:21着
途中、小田原のあたりで外が明るくなります。鉄道YouTuberのスーツさんの著書『鉄道百景』に出てくる石橋橋梁に差し掛かり、本来なら絶景だったはずの海岸線はあいにくの曇り空でぼやけていました。東海道線沿線は、鉄道百景として数多くピックアップされていますので、読みながら車窓を楽しむのも良いですね。
この区間には普通列車グリーン車が導入されていますので、別途グリーン券を購入すれば利用できます。スタートなので体力温存、モバイルSuicaで800円(事前・ホリデー料金)で購入しますが、モバイルSuicaのグリーン券で購入できるのは熱海まで。それより先のJR東海区間にまたがる場合は、あらかじめ磁気のグリーン券を用意しますが、車内を巡回するグリーンアテンダントさんに声を掛けると、熱海までのSuicaグリーン券の情報を区間変更してもらえます。
列車は沼津行きですが、1つ手前の三島駅で降ります。このまま沼津まで行くと、静岡行のホームライナー号に接続するので、この後のルートより1時間早く名古屋に到着できますが、沼津駅で4分の接続時間が何ともいえない点や、2022年春のダイヤ改正でこのホームライナーの設定が取りやめになることによる本稿の記載事項とのずれを考慮し、沼津まで行かずに三島駅始発の普通列車に乗り換えます。8分後に出る三島始発の静岡行に乗り換える乗客でホームや乗り換え通路ではちょっとした移動の波が起こりましたが、今回は混雑が予想されるこの便には乗らず後続の列車を利用するため、波から外れてのんびりトイレ休憩。ただ駅構内のトイレが混雑していたため、駅の外へ出て公衆トイレを使わせていただきました。改札内外を軽やかに出入りできるのは青春18きっぷならではですね(自動改札は使えません)。
ちなみに東京駅6時発の新幹線一番列車に乗った場合、7時半は名古屋に到着している時間です。
・JR東海道線 三島 7:48発 → 豊橋 10:58着
三島始発のこの列車は、そのまま愛知県の豊橋駅まで直通して向かいます。静岡県エリアを3時間かけ途中の乗り換えなく一気に進むので、始発駅で着席を確保できるのはとてもメリットがあります。静岡駅で後ろの車両が切り離され編成が短くなるため、前の方の車両に乗っておくのがベストです。この1本前の熱海始発の列車でも浜松までですが直通で行くことができます。
東京方面からの接続便がないこともあり、車内はそれほど混んでおらず空席もある中で進みます。途中の静岡駅で編成の切り離しによる停車時間中に、後続の静岡止まりの列車が追い付いてきます。この列車は東京を5時40分に出発する列車からの接続便のため、短くなった編成の車両にどっと乗客が乗り込み混雑してきました。ずっと座りっぱなしになるので、時折足を延ばす運動をしたりウトウトしたり、並走する東海道新幹線が突っ走って追い抜く様子を羨んだり、車窓を楽しみながら3時間超、豊橋駅に到着しました。
・JR東海道線・新快速 豊橋 11:21発 → 名古屋 12:12着
豊橋駅に到着すると、隣のホームから4分後に出発する特別快速に乗り換える乗客で、乗り換え階段のあたりは混みあいます。今回は三島と同様にトイレ休憩をとったため、この次の新快速列車で名古屋方面へ向かいます。1時間弱で名古屋駅に到着しました。
名古屋駅で、関西本線の快速「みえ」号に乗り換えます。日中時間帯の「みえ」号は2両編成で、先頭1号車の前半分が指定席、1号車の後半分と2号車が自由席での運行です(朝夕の便は4両編成で、1号車が指定席、2~4号車が自由席)。1時間半にわたる乗車なので事前に指定席券(530円)を購入してあります(自由席を利用する場合は追加料金不要)。ゆっくりトイレ休憩とホームのコンビニでお茶とおむすびを買い込んで乗車です。
・JR関西本線・参宮線「快速みえ9号」 名古屋 12:37発 → 伊勢市 14:05着
青春18きっぷのよくある注意点としておなじみですが、この快速みえ号は、亀山方面を経由せずに伊勢鉄道線をショートカットして運転されているため、伊勢鉄道線の運賃が別途かかります。車内検札する車掌さんから、この区間の乗車券を車内精算で購入できます(520円)。線形の良い区間はディーゼル快速とは思えないスピードで駆け抜けていくので、乗車していて気持ちが良いですね。
ようやく伊勢に到着
東京駅を5時20分に出てから7時間弱、ようやく伊勢市駅に到着です。東京駅6時の始発の新幹線で、名古屋から近鉄特急を利用すれば、約3時間後の9時13分に到着することを考えると、新幹線や特急列車の有難みを改めて感じ入ります。でものんびり在来線での鉄道旅も、腰は疲れますがなかなか良いものです。伊勢市駅前から延びる参道を進み、外宮を参拝した後、内宮へ向かいます。
・三重交通バス・特急(神都ライナー) 外宮前 14:44発 → 内宮前 15:00着
2020年末に訪れた際にはまだ本格デビューしていなかった三重交通の連節バス「神都ライナー」に乗って、外宮前から内宮前まで移動します。主要停留所に停まる特急バスとなっていますが、通常のバス料金で乗車できます(外宮前~内宮前:440円)。全長18メートルもの長さで、後ろの車両に乗っていると角を曲がる際のダイナミックな動きが見られて楽しいバス旅です。定刻は14時44分発ですが、8分遅れでの発車となりました。なお三重交通バスは交通系ICカードが利用できます。
15時を過ぎた内宮は賑わっていました。1年ぶりに参拝できることを感謝し、無事に参拝させていただくことができました。おはらい町・おかげ横丁は観光客でごった返し、人気店には幾筋の行列ができています。通りを抜け、宿泊など内宮参拝の拠点となる神宮会館1階にある売店(宿泊していなくても利用可)で御朱印帳を見たりグッズを購入し、宇治橋前に戻ると陽もだいぶ暮れてきました。伊勢市駅近くの予約したホテルへ向かい、1日目が終わりました。
・三重交通バス 内宮前 16:30発 → 伊勢市駅 16:51着
(おまけ)
朝も早かったのでホテルのチェックインもそこそこに、ゆっくり部屋でくつろごうと思いましたが、師走の寒さ、ゆっくりお風呂に浸かりたい欲求に駆られ、スーパー銭湯「みたすの湯」でひとっ風呂。週末の夜ということで風呂や脱衣所は混みあった状態でしたが、入浴料とタオルセットのレンタル料で1,000円(土日祝の料金)で、足を伸ばして冷えた身体を温めることができるのは有難いですね。館内の食事処で伊勢うどんと手こね寿司(ちらし寿司や海鮮丼のような感じの郷土料理)のセットで旅の疲れを癒し大満足です。夜になると隣接するバス停を通るバスの便がないので、5分ほど歩いた「船江新道」バス停を利用しました。
・三重交通バス 伊勢市駅北口 18:05発 → 船江新道 18:08着
・三重交通バス 船江新道 19:38発 → 伊勢市駅北口 19:42着
※参拝時間や交通機関の時刻や価格は2021年12月時点のものです。
※電車やバスは新型コロナウイルス感染症対策で特別ダイヤの運行になっていることがあります。時刻表や各交通機関のホームページなどで最新の情報をお確かめください。
※参拝や御朱印授与については、新型コロナウイルス感染症対策で状況が変わることがありますので、お出かけ前には最新の情報をご確認ください。